2024/08/15

グライダーヨーロッパ選手権大会2024(Tabor) Day6,Day7

 11.AUG SUN/ Competition Day 6 (Task6)

Type:Polygon with 6 points
Task distance 341.4km
朝から晴れ。日差しは暑いのですが、湿度を感じる空気です。今日は積雲は発生しずらく、上昇気流が高くまで発生しない傾向にあります。と、いうことは使える高度がいつもより少なく、ちょっとタフなレースになるかもしれません。

毎朝のブリーフィングでは安全に関するアナウンスが必ず行われます。昨日あった危険な状況は映像化されて共有されます。接近数も可視化されます。大会も折り返しに入り、慣れが出てくるころですので安全についても再確認しました。


週末はパラシュートジャンプの制限空域が増えることもあり、レーシングタスクを組むようです。

発航前の地上の様子。
Club class(ややクラッシックな競技機のクラス)、15m class(フラップつきの翼端から翼端までの長さが15mのクラス)、Standard class(フラップなしの翼端から翼端までの長さが15mのクラス)の順番に並んでます。全部で100機ぐらいいます。
映像はこちら




MARUはいつもは18mクラスで飛んでますが、今回は15mクラスに参加しているので、いつもより短い翼端をつけて飛んでます。
矢印部分から先、いつもより短い翼端をつけてます。
翼端を変えることで長さを15m、18mに変えることができるのです。

曳航が始まるまで、涼しい翼の下でパイロットもクルーもリラックスして待ちます。休憩大事。

離陸しました。
スタートゲートオープンは13:27。日本との時差は7時間です。今日は14時ぐらいのスタートを考えて離陸しましたが、上空や他機の動きによって変える可能性あります。


家族連れが多く、子供たちもきてます。

離陸前のパイロットの周りには家族やチームメンバーが集まります。


★スタートについて★
スタートはゲートオープン後、各機自分でスタートタイミングを決めてスタートラインを通過します。(半円の図の直線部分がスタートラインです)
ゲートオープン時間は各クラス最終発航のグライダーが離陸してから30分後になります。ゲートオープン時間はオーガナイザーから無線で発信され、全機に通知されます。地上でも無線で聞いています。離陸後30分、としているのは最初に離陸したグライダーと最後に離陸したグライダーの条件をそろえるため(位置や高さ、気象条件による差異を調整するため)の時間です。
ゲートオープン後、各機は任意のタイミングでスタートできるのですが、スタートのタイミングは戦略上とても大事なポイントです。気象条件やこの先のコースのことなども考えて、早めにスタートしたり、あえて遅くスタートすることを選択するケースもあります。他人の動きをマークしてついていくことができないよう、スタートするためには制約があります。
スタートタイミングを決めたら、選手は事前にイベントマークを押します。これは誰にも見えません(地上でもわかりません)。イベントマークを押したあと8分間はスタートすることができない、もしくはその間にスタートした時はペナルティで減点対象になります。イベントマークを押して8分後からスタートが可能なのですが、スタート可能な時間はこれも5分間だけ。その間にスタートしないと再度イベントマークを押して8分待たなくてはなりません。イベントマークは3回まで押すことができます。
このルールにより、トップ選手のスタートについていく、という戦略がとりにくくなりました。チームで飛んでいる国は2機で相談しながらスタートタイミングをあわせていると思います。Maruのように1人参加の場合は自分でスタートタイミングを決めなくてはなりません。Maruは14時ぐらいのスタートを考えて飛び立ちましたが、上空の様子などからタイミングを早めるかもしれません。
今日のタスクはスタートしてからゴールするまでのタイム(平均速度)を競ってます。平均速度が速い方が勝ち!です。


スタートしたようです。デンマーク2機の後ろ。多くのグライダーはまだスタートタイミングを見計らっています。さてどうなるか!?

16時過ぎました。第4旋回点をクリアしました。上空も頑張ってます。地上もサポート続けてます。


ゴールしました!上空で忙しかったようで降りてすぐおにぎり食べてました🍙
<パイロットコメント>
本日はブルーコンディションでトップ1600mから1800m、対地高度で1000mから1200m位のコンディションが予想されていて、難しいコンディションになると思っていました。
スタート前は思ってた以上に1900mまで上がれたのですが、ウィンドシアの多いサーマルではあったので、難しいだろうとは思いながらも、クライムし、ベストなタイミングでベストな高度でスタートできました。
第一レグは一緒にスタートしたデンマークのガグルに追いつけて好調だったのですが、第二レグはウィンドシアにひっかかって、高い高度までクライムできず、厳しい時間が続きました。第4旋回点でちょっとデンマークから遅れてしまい、第5レグで対地300mまで下がってしまったのですが、川の手前のトリガーポイントで辛抱してあげ直すことができました。後続のガグルに追いつかれたあとは、複数の機体をマーカーとして使いながらフィニッシュ、得点率80%以上でフィニッシュすることができました。まずまずの結果にまとめることができたと思います。トップクラスのパイロットでもエンジンリスタートでアウトランディングになった機体が複数ある難しい日でした。

明日はさらにトップ低くブルーで難しいコンディションになるようなので、心して準備したいと思います。



12.AUG Mon / Competition Day 7 (Task7)
Type:Polygon with 4 points
Task distance 219.0km
今日も晴れています。が、本日のタスクは短め。気象条件が昨日よりも良くない予報のようです。ブリーフィングでの気象情報と気象予報サイトをチェックして、今日の戦略を考えます。
上空の空気が暖まっているそうです。逆転層も強いようです。

サイトで気象チェック

競技期間が2週間、と長いため家族のバケーションを兼ねてきている方々も多くいます。朝のブリーフィングもクルーや家族も後方で参加。

ワンコも参加

FAIカテゴリー1(世界選手権、大陸選手権)の大会期間は13日間。開会式や閉会式を含めると15日間と長丁場。今回はヨーロッパ選手権ですので、ヨーロッパ各地から選手が参加しています。一緒に家族も帯同している方々も多くいます。
私達はレンタルハウスに宿泊しています。ホテル泊のチームももちろんいますが、キャンプをしているチームも多くいます。テントやキャンピングカーのスペースも飛行場内に用意され、キャンプ村ができています。
テント村ができてます。

キャンピングカー。
車2台で1台がグライダーのハウストレーラーを、もう1台がキャンピングカーを牽引してくるチームや家族もいます。このキャンピングカーは自走できるので、この後ろにハウストレーラーを牽引して北欧からやってきたようです。

チームのリビングスペースも作られてる。
飛行場内には臨時のカフェも出店。朝食から夕食まで営業しています。プールもあります。選手がフライトしている間、プールで涼む人、遊ぶ子供達も多く人気スポットです。家族とのバケーションを兼ねてきている人も多くいます。

カフェも出店。フード、飲み物はこちらで購入。
スーパーも近くにいくつもあるので、みなさん使い分けしてますね。
ゲームコーナー。卓球もあります。

プール。暑いので日中は混雑してます。

曳航開始予定時間12:00→12:15→12:30→12:40→12:50まで変わり、1
3:00開始しました。
グライダー達が離陸する地上の様子です。映像はこちら



離陸。
ゲートオープン14:24。日本との時差は7時間です。「スタートは15時以降ぐらいかな」と言って飛び立ちました。映像はこちら



スタート。徐々に他のグライダーもスタートしてきました。

最終旋回点に向かってます。このままゴールを目指すようです。地上はお迎えの準備始めます。


Total 25位相当
ゴールしました。短めながらもいろいろ大変だったようです。
<パイロットコメント>
本日はブルーコンディションでトップが対地1000m弱程度と厳しいコンディションが予想されたので、とにかくガグルと飛ぶことでリスクマネジメントすることを目標としました。
ガグルがなかなかスタートしなかったのですが、ガグルの1分前にスタートできたので、スタートタイミングの判断は良かったと思います。
が、第一レグでクライムでさっそく遅れました。後日の雑談で分かった理由は、他の皆さんはコンディションが悪いので水をかなり抜いていたそうですが、私は条件がもう少し好転すると思って水を持ち続けていたので、機体が重かったことでクライムが遅れ、次々と後続のガグルに飲み込まれる形になりました。(今日は自分のクライムの調子が悪いのかしらと疑心暗鬼に。。)
最後は対地350メートルまで下がり、水を積んだままだったので、クライムで次々と抜かれていくという悲しい状況でしたが、下が居なくなったタイミングで水をもう少し抜いて、結果的にはガグルを使ってうまく高度を回復することができ、フィニッシュすることができました。
本日は水の抜く判断がもっとプロアクティブに必要だったということで、満足する結果にはなりませんでした。クライムの微妙な差、グライドのプッシュする速度差、フィニッシュの高度差が積もり積もって微妙な遅さになっています。ミゼラブルな結果ではなかったのは、ヨシと思います。


地上は30度超えました。日本に比べたら暑くはないですが、チェコに来てから1番暑さを感じた1日でした。
そんな日は麺パーティ!日本から素麺、麺つゆなど持ち込んでいます。1998年のドイツプレワールドに初めて参戦したときに丸伊満さんに「暑い日は麺だろ!」と招待していただいた麺パーティが忘れられず、夏の遠征には必ず麺パーティセットを持参して暑い日に実施してます。暑い日はやはり素麺ですね。
明日も飛びます!


*Facebookへの投稿記事を加筆修正して掲載しています。

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