2014/03/30

2013ヨーロッパ選手権フライト日記 day9 (7/19)

Task 366.4 km  
Results 28 位 86 km O/L  166 Point
Meteo  前線の接近で悪化、風強くなる
Grid

Briefing


北から前線が接近、等圧線が狭くなって西風が強まる

北のエリアは前線の雲の影響で悪い、南側にタスクセット

flight
    条件悪いが曳航は躊躇せずに11:30から開始。西風が強いので、ブロークンなサーマル。とにかくさげないよう、さげないよう、強風の時のセオリーでとにかく風をトレース。

    start

    ようやく 12:30 を過ぎて1000m を超える
    スタートまで2時間もがいて1300mまであげて
    13:42 にほとんど最終組でスタート。
    fix 360km なのでもっと早くスタートしたかったのだが、スタート体制が取れなかった

    V ですら 1000m で、 Y も10分遅れで 1000m スタート。

    1st leg

    start直後、西へ向かってグライド。前線の影響で上層雲有りだが、気温があがり、積雲も点在なので、いける

    さらに西へ、北西から前線の接近に伴う雲、あれにはやく届きたい

    風は強いものの、ヒットできるのでガグルとともに前へ、前へ、

    ちょっとしたコースのずれで遅れたはずが追いついていたり、
    要するに条件が良くないと言うことだから、こういうときは焦っては駄目
    (普通だったら、遅れたらそのまま遅れっぱなし。追いつくことはほとんど無い
    追いつくと言うことは状況が違うと言うこと、なので、スイッチを入れ替える)
    10分前のガグルにも追いついてトータル18機のガグル。
    機体数が多い -> 前のガグルに追いついているサイン、ということは良くないコンディション
    だから焦らない。あがりきる。


    1st leg は平均 40kph しか出ない、普通なら 80kph くらいは出るはず。
    ってことは風が 40kph 以上吹いていると言うこと。
    ということは 2nd leg はテールウインドになるのだから、1st leg が時間かかりすぎても焦る必要は無い。


    しかし、今日も少しづつ遅れが出ていき、ガグルがばらけたところで、判断ミス。


    反省


    ミス1

    1st leg 後半で先行機をベルギーと間違えた、ここで落胆して、判断ミスが始まった。
    ベルギーを追っかける作戦からの切り替えが必要
    とにかくリスクを下げる、一人で出ない。
    EJ がいたのだから、EJ を利用する。HAL も後ろにいたのだから、減速して、少しコースをふってみて、後ろを伺って、前に出してみる。


    一人の判断で、先行している DI, AU,GX を追っかけすぎた(オンコースから左にオフトラック、EJ, HAL はオントラックで上がり直した)のが失敗、DI の下で当たらない。そのときすでに A1 は下に居て降りていた。
    見失った ALB/21 も低いまま前に出てしまい、上げられなくなった
    (一度4機で下げたときに割とスムーズに上げ直せたのだが、過信しては駄目)

    前日に一人旅になってしまったが、上げ直してフィニッシュできたことが逆に変に自信になっていて、
    「今までの自分は一人旅になったら駄目だったけど、一人でいける!」と変な自信を持ってしまったのが良くなかったと思う。とくにコンディションの弱い日はリスクを下げるためにガグルで行く。一人で離れる判断はしない。


    前方のガグルに向かうが、それは 1st TP をターンした後のガグル。(直前のガグルはヒットできずにそのまま地面に降りていた。)1st TP 直前で60度オフトラックでオフトラックしすぎたところでやっと500m からヒットするが、弱くて 1000m までしかあがらない。上を2nd legにいくグライダーがすぎていく。2km 風下で上がり始めるのが2回見えるが、タスクをしかも風下にバックトラックすることに躊躇してしまい、風上に固執しすぎる。やっぱり 1000m までしかあがらない。500m - 1000m を3回繰り返したところで積雲が消えてしまい、仕方が無く前へ、 1st TP をターンしたところで 450m でエンジンリスタートでこの日は終了。


    ミス2
    その後の判断(オフトラックしすぎだが前に出て、ひっかける)、は良かったのだが、
    2km 後ろで20mクラスが上がっているのに、躊躇して後ろに出なかった
    (風が強かったのもある)のはミス。上がらないときは何でも使う。
    Kawa 様ですら、タスクをバックすることはある、今回も Radek はバックした。
    バックする勇気も必要。あのときはバックするべきだった。

    ミス3
    3回上がり直しを試したが、1000m が超えられない
    Kawa 様ですら、1000m 以下はバック、、かなり慎重に探している
    途中で HAL が上に来て、彼は上がり始めたのに、下で上がれず、積極的な上がりに欠けた

    3回目で上がらなくなって、風上に出したのだが、ライン上に積雲が消えてしまい、
    望み薄な中出てしまった。
    これは分かっていて出て失敗している。
    (選択肢が無くなってしまった、浮いているだけの 0m/s も見当たらなかった。
    この状況に入れる前に 1000m 以上に戻さなければなのだが、こうなってしまった場合、
    バックしてでも積雲エリアで上げ直すべきだった
    (積雲エリアで無いとあがらない、風が強すぎて低いところがほんとにまとまってない)


    やはり疲れて正常な判断が出来なくなっていたか?

    ミス4
    TP ターン後、少し空気が動いたのだが、低いところで合わせられなかった
    もうちょっともがくべき(4月のプレワールドの初日に降りてしまったのと同じ失敗)
    低いところでまわることを恐れない。




    スタート前のクライムが難しい日のパターン

    1. ブルー
        トップが低い 高気圧ずっぽり、ブルーになることが多い
    2. 風が強い(前線接近、前線が抜けた後) リフトがブロークンに
    3. 空気がウエット(低気圧が抜けた後、前線通過後) ブロークンに


    オーバーキャストしてしまってほんとに上がらないような場合は曳航しない
    (オーバーキャストでも、上空空気が冷えていれば Cu になるので、曳航する、
    こういう日は積雲を狙えば良い、が、嘘積雲も多い)



    スタートへの動き方のポリシー

    スタートポイント、スタートラインを考える

    スタートラインに極力近いところでmax上がりきる

    風が強い場合、スタートポイントよりもさらに風上側で上がり始めて、流されながらスタートラインに向かう

    スタートポイント近辺のリフトポイントを押さえておく。具体的には森、丘、街
    トリガーになる川
    今回のヨーロッパ選手権ではスタートポイントは前半は 245(滑走路北側), 後半は 241(滑走路西側) 固定だった(普通は毎日変更される)
    後半は西風コンディションが多く、西側にポイント、西へ1st legがあるのはやりやすかった

    上がるポイントは西側の森、北西の森、北の森。
    川は無かった。



    スタートまで時間がある場合、スタートまでにかなり動き回る。
    day9の場合、11:00, 11:20 からの曳航開始、11:20 or 11:40 には曳航終了のため、
    11:45 - 12:05 にスタートゲートオープンする
    この場合、13:00 - 14:00 がスタートスロット。ゲートオープン後1-1.5h 待つことがある。
    待つ体勢が必要
    この間に 20km くらい平気で1st leg 方向に出る
    これを怖がってはいけない、スタートスロットに自信を持ち、まだスタートしないはず、と言い聞かせる
    スタートに遅れることを恐れない
    (RT の時はスタートに遅れるとまずいが、AAT の日は大抵サーマルタイムより設定タイムは短い、start で遅れても、1st leg turn を早めればよい。ので、恐れるのは尻切れになる可能性のあるRT の日だけ、それ以外は追っかける)



    スタートに対して追いかける人を決めたら徹底的に追いかける。
    (大会前に追いかける人(フォローしやすい人)を決めておく、大会中の休み期間に見直す)





    2014 フライトトレーニングプラン

    2014年シーズンのフライトトレーニングは3つのフェーズをセットしました

    phase 1 国内トレーニング
    phase 2 チャンピオン Mr. Centa との dual トレーニング
    phase 3 ポーランド選手権

    Phase 1 の国内ではスピードトレーニングは環境的に難しいので感覚のブラッシュアップとフラップオペレーション、極力平野を飛べるようにして、クルーズの感覚のブラッシュアップをしたいと思います。
    また、フライトの結果体に出てくる症状、それに対しての処置の効果を計ります。

    持続的イノベーション(自分で考えてのトレーニング)では限界を感じているので、トップレベルの人から学ぶために、Phase 2 では世界チャンピオン3回のCentka氏に同乗トレーニングでコーチングをお願いしました。

    Phase 3 では仕上げとして大会使用機体と同機種の機体を用いて、競技会を使ってのトレーニングとなります。チャンピオンとのトレーニング成果の確認、大会使用機体への慣熟をすすめ、競技会の中での判断のトレーニングを行い、フィジカル、メンタルトレーニングの効果測定も行います。


    Phase 1 国内トレーニング
     目的
      シーズンはじまり、感覚のスタートアップ
      フラップオペレーションの洗練
      飛べるときは極力平野を飛んでスピードトレーニング
      フライトの体への影響調査、フィジカルの対処の効果測定
     使用機材
      ArcusT
     練習内容
         フライト感覚、リフト感覚のスタートアップ
     練習場所
      板倉滑空場
     日数
      2/22週末~ 4/20 週末 最大20日
     実施結果 
        3/30 時点で8日実施済
      目的は達成できつつある。
        フラップオペレーション 慣れてきた
        ドルフィントレーニング  出来てきた
        コンディションの判断に迷わなくなってきた、思い切りがよくなってきた。
        体調 フィジカル・メンタルトレーニングが良くなっているためか、フライトによる疲れが少ない
        残り6日間での実施内容を考える

    Phase 2 Centa 氏との dual トレーニング
     目的
      Cetka の秘密に迫る、(Centka Glide, Centka Climb)
     使用機材
      ArcusM
     練習内容
      同乗トレーニングでのスタート判断、クライム、クルーズ、コース判断のブラッシュアップ
     練習場所
      ポーランド レシュノ滑空場
     日数
      7日間予定

    Phase 3 ポーランド選手権
     目的
     使用機材
      ASG29E
     練習内容
         競技会形式でのトレーニング(スタート、クルーズ、フィニッシュ)
      クライム、クルーズのトップパイロットとの比較
     日数
      8日間予定

    フライトトレーニングは5月末で終了、6月-7月前半は休養と地上準備に時間を使う予定です。

    2014/03/25

    オリンパスからのサポートが決まりました!

    OM-D E-M1 75mm F1.8

    OM-D E-M1 75mm F1.8
    みなさんこんにちは。

    東京は例年より1日早く開花しましたね。昨日靖国神社に訪れた時はまだ咲いていなかったのですがつぼみははちきれそうになっていました。

    さて今日は広報班から嬉しいお知らせがあります。

    実はこの度 TEAM MARU が オリンパス よりカメラ機材のサポートを受けることになったのです!

    アウトドア総合メーカーの モンベル 、メガネレンズの専門店 れんず屋 に続き、3件目のサポートです。
    ありがとうございます!

    オリンパスのカメラと言えば昨秋 ミラーレス一眼のフラッグシップ機 OM-D を発売し、さまざまなアワードを受賞して話題になったことが記憶に新しいです。そういったミラーレス一眼からコンパクトデジカメにいたるまで、チームの情報発信に必要となる機材を自由に使うことができるようになったのです。



    なぜ今、オリンパスのミラーレス一眼か?


    撮影機材:OLYMPUS PEN mini E-PM2 + 75mm F1.8


    ではなぜ TEAM MARU はオリンパスを選んだのか? 今回はそれをみなさんにご説明しておきたいのです。きっかけは私、広報部:河村の個人的な理由でした。

    私はクルマやアウトドア関係の記事を書いたり、映像を撮ったり編集したりしているフリーランスです。そのスキルを活かし、TEAM MARU ではPRと活動の記録を担当しています。よく、カメラマンさん、と言われることもありますが本業は物書きです。

    ただ写真は好きで中学生以来かれこれ30年近くファインダーを覗いています。最初に買ったのはキャノン A-1。その後もキャノンを使い続け、4x4MAGAZINE 勤務時代もずっとEOSで仕事をしてきました。会社には常にEOSの最高峰が用意され、使えるレンズは全てプロ仕様の赤ラインズームばかりでした。今思えばとっても贅沢な環境です。

    その間2001年12月にはEOSの最高峰「1」シリーズにデジカメが登場。会社は1年も経たぬうちに総ての写真をデジタル化してしまいました。当時は山の緑や赤い花などの色味が明らかにおかしく、まともな色で印刷するのは至難の業。ほとんどの出版社やカメラマンも敬遠していました。今ではデジカメのほうがより高精細で色表現が自然、という評価になりましたが、時代の移り変わりというのは早いものです。

    余談ですが最後までデジタルカメラを嫌い、フィルムを使い続けた雑誌があったのですが、それが何だかわかりますか? そう。女性誌です。今も昔も女性の肌の表現にはその時代最高のクォリティーが求められるのですね。

    そんな私が仕事でカメラを構える時、その先にあるものはあくまでクルマでした。それも艶めかしい新型車ではありません。ピカピカの被写体は本業のカメラマン任せ。私たち編集部員は専ら国内外の走行イベントや競技の時にカメラを持ちました。つまり予算上、カメラマンに頼れない取材です。

    仕事でカメラを持つのは楽しいですが、決して楽ではありません。うだるような暑さの中、寒風吹きすさぶ極寒の中、どしゃぶりの雨の中雪の中…杉林の中で鼻水とくしゃみに悩まされながら1日とり続けるような取材も何度経験したことでしょう(笑)。

    元来が“撮る”ことに夢中になるタチなので、埃舞うフィールドを練り歩き、靴が泥まみれになろうとも、服がズブ濡れになろうとも、捻挫しようと怪我しようとカメラだけは大事に守りながら、誌面映えする一瞬を狙っていました。

    EOS-7D 70〜200mm F2.8

    タイのジャングルで行われるラリーでは度が過ぎてイベント興業主一行様を見失い、カンボジア国境から長距離バスでバンコクへ戻ったこともありました。

    そんなアウトドア取材のさ中、脳天気な私でもさすがに悩んでいたことがありました。
    「もっと機材を軽くできないか?」「それも写真のクォリティーを落とさずに…」

    その当時、EOSのフラッグシップはフィルムからデジタルになっってかなり大きく重くなっていました。サブカメラと合わせ2台の本体を首に提げ、大きな交換レンズ数本を肩に背負いながら足場の悪いジャングルを練り歩くのはかなり大変だったのです。

    私はラリードライバーがまる1日走り続けてどのくらい疲れるのかは分かりません。でも彼らより早く出発し、遅く帰ってくる我々メディアも実は疲労困憊です。夕食は食べられたらラッキー。夜間の車両整備を撮り、選手へのデイリーインタビューをこなし、主催者から翌日のオススメポイントを聞き出し、メディアカーのドライバーとコマ地図を睨めっこしながら取材場所とスケジュールを打ち合わせしているとあっというまに夜半になります。さらに写真の現像(デジタル的なもの)やウェブへのアップ作業などがあろうものなら、気がつけばニワトリが鳴いている…なんてこともしばしば。

    「カメラはスポーツだ!」などという生半可な表現では物足りず、まさに全身全霊を捧げる毎日でした。ま、好きでやっているので幸せこの上ないのですが(笑)。

    そんな折り、現れたのがオリンパスのフラッグシップ “OM-D E-M1” です。

    歴史的な話はバッサリ省きますが、オリンパスはパナソニックと共に “マイクロフォーサーズ” というオープンな規格を提唱しています。いわゆる ミラーレス一眼カメラ と呼ばれるもので、一眼レフに必ず存在する ミラー がありません。ペンタプリズム もありません。

    ミラーレス一眼 OM-D E-M1 の断面図。ミラーがなく、レンズから撮像センサーまでの距離が近い。背面液晶は可動式の液晶画面なのでこれを除けばボディーの厚みは30mmほど。一眼レフはこの倍ほどある。一眼レフ同様ファインダーがあるが、表示されるのは鏡で反射したものではなく、撮像センサーで読み取った映像。つまるところ小さな液晶だ。
    一眼レフの構造についてはココをご参照。イラストが動いて分かり易いです。そもそもレフレックスとは “鏡の反射” のことですから、このミラーとペンタプリズムこそが一眼レフの特徴といえるのです。

    ここで「レフだかミラーレスだかようわからん」という人には、オリンパスのCMで宮崎あおいちゃんが持っている「ペン」を想像してください。軽量でコンパクト。お手軽なのにレンズ交換できる本格派です。

    2012年秋にはついに最後発キャノンまでもがこのミラーレス市場に参戦。今や百花繚乱の様相を呈していますが、コンパクトな女子カメラ、という意味では何といってもこの「ペン」がハシリ。無骨な一眼レフには見向きもしなかったユーザー層を交換レンズの世界へ誘ってきましたが、その小さな体から生み出される映像はなかなかに美しいのです。

    でもミラーレス機はクルマなど動くものを撮るカメラマンにはほとんど支持されてきませんでした。なぜでしょう? その理由を考えてみましょう。



    ミラーレス一眼はなぜ動体の撮影に使われてこなかったのか?


    激しく暴れるオフロードマシンを捉え続けるには高度なオートフォーカス性能が求められます。ところが一眼レフとミラーレスではその構造上、被写体までの距離をはじき出す方法が異なり、動くものの撮影ではミラーレスがやや不利と言われてきました。

    そして秒間の撮影コマ数、つまり連写能力もさほど高くなく、決定的な瞬間を捉えられる確率は下がります。

    また埃や水のある状況にも弱く iPhone などと同様、かなり気を遣わねばならなかったのです。プロユースにするには少々リスクが高いのです。

    EOS-7D 10〜22mm F3.5〜4.5
    特に私のように四輪駆動車を相手にしていると、気象条件や路面条件が悪いほどクルマが輝いて見えることもあって、雨が降ろうがヤリが降ろうが撮影は続行されます。だからといってボディやレンズに水や埃が入ってカメラが動かなくなりました、データが飛んじゃいました、では済まされません。

    またミラーレス機はビューファインダーが液晶画面ですが、鏡を通して対象物を直接見る一眼レフと違い、表示にわずかな遅れが生まれます。

    クルマを例にすると、バックミラーで後続車を見るのか、バックカメラで見るのか、といった違いです。バックカメラの映像は一度センサーで読み取ったものを電気信号に変え、それを液晶に映し出す、というプロセスをたどります。この方法だと秒間に地球を7周半できる「光」を直接視認できるミラー方式より時間がかかることはお分かりいただけるでしょう。液晶に映し出される映像は僅か一瞬ですが過去のものなのです。

    実は動体を狙うプロカメラマンがミラーレス機を敬遠する最大の理由はこの「遅延」にあります。さすがに、F1サーキットでセナを撮っていたらプロストが映っちゃった、ということにはなりません。でもドンピシャのタイミングで撮ったのにズレている、ということは十分起こりうるのです。もちろん、人間がモノを見てからシャッターを押すまでの間にもともとタイムラグはあります。でもそれ以上にいらぬ理由で「遅延」が生まれることをプロは嫌うのです。

    また、ミラーレス機ではシャッターを押して画像を記録している間、電子ファインダーの絵が一瞬止まります。もちろん一眼レフの光学ファインダーでもミラー・アップしている瞬間、つまりセンサーが光を読み取っている間は一瞬ブラックアウトしますから、この勝負は一見引き分けに見えます。

    でも狙った被写体の「過去を見せられる」のと「見えない時間帯がある」のはだいぶ違います。少なくとも私は、動く被写体を高速で連写し続けた場合、ミラーレスのほうが追いかけづらいと感じました。

    さらに、マイクロフォーサーズ機はフルサイズ機やEOS Kissなどの APS-C機に比べセンサーが小さい、画像解像度でも不利、そして映像表現としての「ボケ」の量が少ない、といったこともデメリットとして語られます。

    ハイ。これでもか、というくらいミラーレス機のネガティブキャンペーンをしてしまいましたね。ではなぜ、そのミラーレスを選んだのか? そして同じミラーレスの中でもなぜ キャノンやニコン、ソニーなどの APS-Cミラーレス ではなくマイクロフォーサーズを選んだのか? 私が辿り着いた結論を申し上げます。



    なぜマイクロフォーサーズなのか?


    撮影機材:OLYMPUS PEN mini E-PM2 + 75mm F1.8


    ●ズバリ、システムが小さく軽くなるから
    取材では基本、サブカメラと数本の交換レンズを使います。これら全てを持ち歩くアウトドアフィールドでは、軽量化のメリットは想像以上のものです。20代、30代ではそんなこと全く考えませんでしたが(笑)


    ●ズバリ、防塵防滴仕様のボディとレンズが登場し始めたから
    マイクロフォーサーズにもフルサイズ機と同じように防塵防滴のボディが登場し始めました。オリンパスの OM-D E-M1 や パナソニックのLUMIX GH3、GH4などです。さらにここ2年ほどで両メーカーから防塵防滴のレンズがリリースされるようになりました。プロユースを前提にした製品作りが本格化したのですね。


    ●ズバリ、オートフォーカス時の連写性能が実用域に達したから
    いまどき、iPhone5s のボタン長押しによる連写も凄いですが、動くものを予測しながらピントを合わせる場合は連写が遅くなるのが普通です。私は動体撮影に優れるキャノンEOS-7Dをプライベートで使っていましたが、カタログ値は秒間8コマ。ミラーレスのOM-D E-M1 も追尾AF状態で6.5コマまでがんばってきました。今後の伸び代に期待します。


    ●ズバリ、レンズをいろいろ試したいから
    マイクロフォーサーズはオープン規格なので賛同している会社同士レンズやボディーに互換性があります。オリンパスのボディーにパナソニックのレンズを付けることができますし、その逆も可能です。その他にも数社のレンズメーカーが賛同しています。ですからレンズのラインナップを一覧表にするとこうなります。


    かなりの数があるでしょう? そして明るい単焦点レンズも多くて目移りしてしまうほどです。中にはF値(明るさの単位)0.95なんていう変わり種のレンズがあったりします。F値が小さくレンズが明るいと暗所に強くなり、ボケ味を活かした撮影に強くなります。


    ●ズバリ、システムが安くなるから
    さすがに80万円ほどするフルサイズのフラッグシップボディと値段を比べよう、という話ではありません。どちらかというとレンズにかかる費用のお話です。例えば、明るく光学的に優れたズームレンズを数本揃えたとしましょう。

    クルマを撮るカメラマンの場合、以下の3本のズームが“鉄板”です。

    ・16~28mmクラスの広角ズームレンズ
    ・28~70mmクラスの標準ズームレンズ
    ・70~200mmクラスの望遠ズームレンズ

    彼らがズームを選ぶのは機動力に勝るからです。ほとんどの場合、限られた時間とシチュエーションしか与えられない厳しい世界ですから。
    その代わり、彼らはF値2.8以下の明るい高性能レンズを取りそろえます。

    そうすると、この3本を定価ベースで積算するとキャノンなら76万円、ニコンは83.2万円、ソニーならば85.5万円になります。もちろん全て防塵防滴の一流レンズです。

    これに対しマイクロフォーサーズでF2.8の防塵防滴ズームを揃えても30万円台で収まります。実際には広角ズームに防塵防滴仕様はなく、F値もやや大きいので発展途上のシステムではありますが。レンズシステムが半額近い価格になることはおわかりいただけると思います。

    もうひとつAPS-Cという、フルサイズとマイクロフォーサーズの中間のセンサーサイズを持つシステムがあります。ただ、キャノン、ニコン、ソニーに限って言えばこのカテゴリーにF2.8クラスの明るいレンズがないので、比較対象からは外しました。それ以外のメーカーさんのAPS-Cファンの方はごめんなさい。

    カメラはレンズが命です。どんなに高級なボディーでも安かろう、悪かろう、というレンズを組み合わせていては、その性能を発揮できません。むしろ資金投入の優先度はレンズにある、と言ってもいいくらいです。

    そしてさらに、ここぞという場面では単焦点が欲しくなります。

    僕は TEAM MARU チームメイトの広報班:久野さんが昨夏のアフリカ旅行で撮ってきた写真に衝撃を受けました。それまでズームレンズしか使っていなかった僕にとって、彼女がペンタックスの一眼レフで見せてくれたマサイマラの動物達はあまりに美しすぎました。産毛の1本1本までが繊細に写り込み、かと思えば被写体が背景から力強く浮き上がり、そのまま動き出しそうな躍動感だったのです。

    PENTAX ist DS2 
    そんな経験から、私はいろんな単焦点レンズを通してこの世界を覗いてみたい、と強く願うようになりました。ズームレンズと単焦点のそれぞれの良さに遅ればせながらようやく気付きました。レンズは、その1本1本が個性的なものであり、交換することで全く違う世界が表現できる。そんな当たり前のことをようやく理解したのです。それ故に今後はレンズを沢山揃えたい。そうなるとその単価がとても大切な意味を持つようになってきました。


    ●ズバリ、重さのシミュレーションをしてみた
    重さに関してこんなシミュレーションをしてみましょう。以下の装備を首から提げてフィールドを歩き回るとします。これはかなり実戦的なものです。

    ・上記3本の“鉄板”ズームレンズ
    ・メインのカメラボディ(バッテリー込み)
    ・予備のカメラボディ(バッテリー込み)
    ・バッテリーグリップ(縦位置撮影に便利なので)
    ・バッテリーグリップ用の追加バッテリー1本
    ・高性能エレクトロフラッシュ(電池は除く)

    全重量はキャノンのフルサイズ一眼レフ(EOS-5D)の場合、5.650kg
    オリンパスのマイクロフォーサーズ(OM-D E-M1)の場合、2.42kg

    価格だけでなく、重量も倍違うことがわかります。私はさらに、自分の好きな単焦点をプラスしてフィールドを歩き回りたい、と思っています。実際には三脚や飲料、時には食料なども持ち歩きますから、軽いに越したことはないのです。


    ●ズバリ、センサーサイズも解像度も十分だから
    雑誌印刷の場合、一般に解像度350ppi(ピクセル・パー・インチ)以上は必要ないと言われます。それ以上の解像度があっても印刷ではわからない、と。勤めていた会社では実際にはその6がけまでが許容範囲と言われました。これを、マイクロフォーサーズ機で撮った写真のピクセル数(4608×3456)に当てはめ、実際に使えるサイズを割り出すと、約31cm×55cmとなりました。これは世に溢れている縦30cmほどのA4変形の雑誌、つまり見開きA3の雑誌をフルにカバーできるサイズなのです。

    そして実際にはその4倍はあろうかという特大ポスターサイズに印刷されたマイクロフォーサーズの写真を見て、自分にはこの解像度で必要十分、という手応えを得たのです。



    メリットとデメリット


    いかがでしょう。マイクロフォーサーズのシステムにはデメリットもありますが、メリットも沢山あることがお分かりいただけたでしょうか。そしてこのデメリットの多くは動体の撮影に関するものであることもお気づきいただけたと思います。

    そこで私はこう考えました。

    これら動体撮影に関するハードルは慣れでカバーしよう。使う前から機械のせいにするのは自分にウデがないと言っているのも同じだろう。それに、今の僕には商業カメラマンほどのプレッシャーはかからない。

    そして動体撮影のデメリットの多くは半導体や電子技術の進歩でさらに小さくなるに違いない。電子ビューファインダーなどはむしろメリットのほうが多くなるだろう。実際にそう予測する専門家は多いし、その理由は素人でもちょと考えただけで分かる。アメリカ軍の特殊部隊が夜間自由に動けるのは電子の目を持っているから。そんなところにもヒントがあるはずだ。いろんな意味で可能性あるシステムだと思う。

    逆に、日本の光学機器メーカーが築き上げてきた光学的なアドバンテージや品質管理、製品づくりのノウハウは一足飛びの進歩は望めないはず。既に評価の高いオリンパスの “ズイコーレンズ群” ならば、この先も十分なアドバンテージがあるはずだ…。



    実際にペン・ミニを買って分かった「可能性」


    そんなわけで、巷で「撮像センサーがOM-D E-M5と全く同じ」「費用対効果は抜群」とウワサされるペン・ミニ(E-PM2)を半年前に購入。明るい単焦点レンズと組み合わせ、その性能を試してみました。手始めは東京モーターショーです。

    OLYMPUS PEN mini E-PM2 + 25mm F1.4

    PEN mini E-PM2 + 25mm F1.4
    撮影は全てJPEG。幕張メッセからいそいそと家に帰り、画像をパソコンに落としてワクワクしながら開いてみましたが、結果はもう、僕には十分過ぎるほどのクォリティーでした。
    PEN mini E-PM2 + 25mm F1.4

    これならWeb記事はもちろん、雑誌面でも十分に使えます。こんなに可愛らしいカメラからこんなにも艶やかな絵が生まれるなんて。コンデジとは明らかに違う “一眼画質” に驚きました。三脚も使わず手持ちでフラッシュも焚かずに撮っただけなのです。明るい単焦点レンズとは、こんなにもクリアな絵を吐き出してくれるのか。なぜもっと早く気付かなかったのか…。
    PEN mini E-PM2 + 25mm F1.4


    ここへ来て、静物の撮影や屋内の撮影については自分の要求レベルに対してペン・ミニが十分な性能を備えていることをハッキリと確信しました。

    PEN mini E-PM2 + 25mm F1.4
    実はこの他にもうひとつ確かめたいことがありました。「マイクロフォーサーズはボケ量が少ないのでボケを活かした写真作りに不利」という点です。

    「ボケ」は今や世界のカメラマンの間で通用する日本語だと聞いたことがあります。それだけ日本人の感性に合った表現なのでしょう。ヨーロッパの写実主義に影響を与えた葛飾北斎らのジャポニズム…じゃないけど、対象を意図的に浮き立たせる表現手法は、体系的に写真を学んだことのない僕にとっても大切なものでした。それだけに、ここが解決されなければマイクロフォーサーズに踏み出すことができない、と以前からかなり気になっていたのです。


    PEN mini E-PM2 + 25mm F1.4 「大雪の日。愛犬メル」
    でもF値が小さく、明るい単焦点レンズを使えば、ボケに関しても十分満足できる絵が撮れました。これらの絵を見て私はマイクロフォーサーズで行こう! と決心したのです。

    実を言うとダブルズームキットを価格コムの最安値で入手し、レンズを一度も使わずにヤフオクで手放す、という荒技でペン・ミニのボディーは1万円台で手に入れていました。そんなコストパフォーマンスマシンがもう可愛くて可愛くて…。女子カメラさながらのストラップをつけ、いつも散歩に持ち歩くようになりました。

    でも、これもマイクロフォーサーズの魅力のひとつでしょう。一眼レフのような本気仕様のボディーもあれば、いつでも首にぶら下げておきたくなるような可愛いボディーもあります。気分に合わせ、状況に合わせてボディーとレンズを選び、持ち出す楽しさ。これは、今まで仕事でお世話になってきた一眼レフにはなかった楽しみ方です。

    さあさあ。僕のマイクロフォーサーズ選びの話もそろそろ飽きてきた頃だと思います。長文ごめんなさい。

    でもここまでの検討を経て、オリンパスへのご提案となったのです。



    ようやくの結論です(^_^)/


    早大航空部時代の丸山
    結局、私の中で最後の決め手になったのは「システムとしての携帯のしやすさ」と「まだ見ぬレンズへの憧れ」でした。

    私は大学航空部時代に勝手に写真班を立ち上げ、仲間の喜怒哀楽を記録するようになりました。そしていつしか空を飛ぶよりそちらのほうが楽しくなってしまったのですが、その後好きな文筆活動と編集の仕事に携わり、勤めた会社のおかげで写真をとり続けることができました。

    その間にひとつだけ分かったことがあります。それは、自分にとって好きな被写体とは乗り物そのもではなく、乗り物を操る人や仲間を介して見ることができる人間ドラマであること。筋書きのないストーリーにこそ興味がある、ということでした。
    大学1年時の夏合宿。あまりに人数が多く前後半に分かれて訓練した。懐かしいので全員の名前を列記します。写真中央、中腰の黒タンクトップバンダナ男が丸山(パイロット)、その左が大石。奥側立ち位置左から福原、赤石(チームリーダー)、池田(チームドクター)、高木(財務リーダー)、瀧田、高見(クルー)。手前側座り位置左から梶川、河村(広報班)、勝村(プロモーション担当)、今岡、葛谷(広報班)、水田。敬称略。かっこ内はTEAM MARU内役職。


    そして今、撮影に関して言えば「もっと沢山のレンズを通してより多くの世界を覗いてみたい」と思っています。

    そんな折り、昨年春に親友から誘われ、TEAM MARU の広報班として再びグライダーを撮るようになりました。グライダーに関わるのは20年ぶりのことです。

    もちろんその親友とは、今や我ら同期の中心として活躍しているアラフォーの星、パイロット丸山 と チームリーダー赤石 です。

    気がつけばこの1年でチームメンバーは飛躍的に増えました。昨秋に主催した TEAM MARU 活動報告会 & バーベキューでは、同じチームで巡り会った者同士、会社付き合いは抜きにした一生モノ? の付き合いになる予感がしました。

    そのチームの皆と、丸山の飛ぶ姿を記録したい。その活動を通してグライダーの魅力を日本中に発信したい。その手段として(大上段な物言いで関係者の方には誠に申し訳ありませんが)我々はオリンパスの機材を選びました。

    そして先輩の紹介を経てチームリーダー赤石と一緒にオリンパスへプレゼンに伺い、ご理解を得て今回のご支援スタート!と相成ったのです。

    というわけで我々は今後、TEAM MARU の活動を “オリンパスの目” を通してご紹介して参ります。また、私はこのブログをお借りし、自分が惚れたマイクロフォーサーズの魅力を皆さんにお伝えしたい、とも思っています。

    でも、我々がマイクロフォーサーズに到った経緯はあくまでも一例です。フルサイズやAPS-Cのカメラをお持ちの方にも、同じグライダー好きとして、同じ写真好きとして、そして同じように空への夢を持つ友人として、ぜひこのブログをお楽しみいただきたい、と思っています。

    どうか今後とも TEAM MARU をよろしくお願い申し上げます。

    2014/03/21

    2013ヨーロッパ選手権フライト日記 day8 (7/18)

    Task  541.1 km fixed task  
    Results  25 位  81.2 km/h 560  Point
    Meteo  昨日よりは積雲になる予報


    Briefing




    day7 に比べると逆転層が弱くなってみるのは下層の空気が暖まったため、要するに条件悪い、トリガー温度が高くなる

    予報では昨日同様の積雲コンディションになる予報だが、、

    flight

    before start
    540km day 曳航開始 11:00 std は 1st grid 11:20 曳航終了、11:40 gate open
    100kph で 12:30 にはスタートしたい
    でも予想より全然条件悪い 1100m しかあがらない

    start

    仕方が無く12:27 にドイツが出たので一緒にスタート、ドイツ、スロバキア、オランダ、フィンランドで
    良いタイミングでスタート。



    1st leg
    全然条件悪い、1200m max これでは 80 - 90 kph しかでない
    前半は雲を求めて南にオフトラック、1st leg 後半からブルー、旋回点付近は低地帯で悪い場所。


    2nd leg

    でも強い選手は下げずに 900m - 1200m でいくが、私は下げてしまって600m - 900m でだましだまし、一昨日から上がりで遅れなくなったのが、遅れ始める。上がりが弱い、ブルー逆転層の下に入ってしまったんだろう。ちょっとだけ風に対してセンターが風下にずれていることが多いと思う。



    2nd legはオントラック、kawa はかなり南の積雲にオフトラックしたがこれはやり過ぎ

    Kalisz の街の手前の丘からようやく上がり始める
    パフラインが出来ているので進む
    Kalisz を過ぎてようやく積雲エリア
    このあたりで 8分後スタートの 2nd ガグルに飲み込まれるのでこのガグルと一緒に行くことにする。
    ここからは順調

    Leszno まで来たところで600m以下に下げてしまい、迷って1m/s で回ってしまう。
    S1 のルート か、他の機体かを迷って多い方を選んだが、上がりあぐねた。疲れか?
    同じ高度の AU が上がっていくのに上がらない。
    積雲の下だがインバージョンが強い。1100m 1500m に逆転層でひっかかってあがらない。
    仕方が無く 1m/s の弱いので 1100m まで上げて、次の雲に 700 m で届く高度になったら出て試すが、上手くいかず上の層にあがれない、これの繰り返し。

    2nd leg 最後は他の機体の下で上がらない、仕方なく 90 度オフトラックでやっと 1.6m/s これも 1500m で引っかかってしまう。
    迷ったらオントラック
    このあとは一人旅


    3rd leg
    雲底は 1700m くらいなのだが 1500m までしかあがらない、ので、グライドでドルフィンが全く伸びない。(上の良い空気で無いとドルフィンが伸びない)。上がって、前に出て、あがって、700mまで下げてしまったときは弱いのであげなおし。この日は7回 600m まで下げた内の6回目の 600m 。不思議と降りる気はしないのだが、強いのが引っかけられないので、とにかく根気よく、今に集中して、フィニッシュできないかもとか考えずに、とにかく目の前のリフトに集中。
    一人旅になったことと、リフトの間隔が開いたことで逆に集中できた気がする。
    3rd leg の後半になってようやく 1700m の雲底まであがり、少し余裕ができる。20m クラスの機体と合流、こいつらもフィニッシュできるのか、と思いながら 20m クラスの機体のコースを使いながら3rd TP へ

    210km の長いレグ。

    4th leg

    17:30 でようやくクリア。あと 90km
    最終レグなので、1hでフィニッシュできるだろうからなんとか間に合うかと思ったが、そうもいかず、1m/s 以下を2つ拾うことに。次の雲まで届くか、祈りながらのグライド。でもあとから見直すと、もっとクルーズスピードを上げるべきだろう(135kph くらいなので、150kph にはするべき、head wind 考えて 170 kph 程度)


    46km 1560m で上がらなくなりファイナルグライド。



    反省

    昨日までは調子よかったガグルの上がりがイマイチに。。もっと風を意識、低いところに入ったときは真下では無く風上に入ろう。

    一人になってもスピードダウンせず、プッシュ、プッシュ!

    あきらめない気持ちは良かった

    スコアは良くなかったものの、気持ちは充実、とはいえ、疲れていたんだと思う。さらにこの日の夜、帰宅後にSMSで呼び出されて突然のチームキャプテンミーティングもあり、夕食も落ち着いて食べられず、レビューもろくに出来ないうちに寝ることに、翌日に響いたと思う。気持ちの切り替え、疲れを早くとる方法の開発が必要。

    2013ヨーロッパ選手権フライト日記 day7 (7/17)

    Task 275/472  km  3h AAT 前日よりタスクタイムが若干短めに
    Results 21 位  109.9km/h  381.4km 726 Point
    Meteo  昨日よりは積雲になる予報

    Grid

    Wx Briefing



      昨日同様1500m 程度に逆転層

      昨日よりは少しトップが高くなる予報、風はかわらず 300度 20 -25kt

    天気図にも大きな変化無し

    flight


    before start

    コンディションは昨日よりは良くなっているが、タスクタイムは昨日より短い、スタートまで時間が出来るので、スタートタイミングが重要


    start


    A1 と一緒にスタートして失敗、
    せっかくスタート直前に5機くらいのガグルが形成され、goodタイミングとなったところで雲底になり、A1 のスタートであわてておいかけてしまった。残りの機体はスタートラインすぐ先のガグルに再度合流して7分遅れてスタートしている。積雲下ガグルでであわてると良いことが無いので、上がりきらずに、少しずらして上がらないようにして動きを観察する必要がある(day1 と同じ。従来は上がりすぎないように、速度を出して、大きな旋回にしてスタンバイする方式だったが、積雲が強いと吸い込まれる方が強いのでこれでは不十分。ダイブを開く(下方後方のグライダーに注意)、一度サーマルアウトするなど対処が必要。

    その後、 1st leg の途中にいたEC にルアーされて90 deg オフトラック
    A1 は fake start, EC はまだスタート前のことに気づき、ショックを受けるが、リスタートまでは時間が無いと思ってしまい、そのまま単独スタートすることに。

    1st leg

    day3 と同様に先行スタートのクラブクラスの機体をリフトのマーカーに使ってフライト
    途中から7分後スタートの EI, ET に飲み込まれてガグル



    2nd leg

    後半は 21, G, ALB のガグルとフライト
    ガグルに遅れなくなってきた。

    3rd leg

    良い感じ

    4th leg




    大体良い感じ
    追っかけ技術はokになった、積雲下のドルフィン部分と、積雲下での 1st turn でのクライム
    (クライムのポイントはセンタリングの完成する最初の2周くらいまでの間に遅れないこと、
    相手の上がりに併せてのピッチアップ、センターの寄せ
    LS8 で出来ていたことができるようになってきた
    これは day10 に Radek に併せたときも思った

    finish

    25km 地点から L/D 25 なら、200kph まで持って行く
    Gは 200km, ALB は 240km くらいまで出している。
    maru は 160kph で飛んでいるのでALB に 1分40秒 G に 1分遅れてしまう。(700m 間隔だったのが 2.4km くらい遅れている)
    L/D finish を Navbox で表示して、 L/D finish にあわせよう
    (速度出していれば、マージンは速度を抜けば十分になる、この見え方に
    あわせることが必要)
    last climb ALB には60mの遅れ、Gとはほぼ同じ

    ECC,G もサーマルアウト

    途中までは大きな差はない 20km 地点から ALB, G は加速し始める、maru は加速してない

    10km G と顕著に差がつき始める

    30km/h G がはやい、2km 差がついてしまって1分差、要改善



    課題
    スタートでマークする機体が決めきれない。
    周りの機体が見えず、焦って、下から同じガグルで何機か上がってきているのでスタートするだろうとA1 とスタート、しかし、A1 はリスタート。
    コンディションの良い(1400m) 、積雲コンディションなので、スタート前はばらける。みな積極的にスタートラインの先の 1st leg のエリアを探索にいっている。




    スタートポイントを離れることにストレスがある。
    離脱後にベルギー( 21)を見つけたので、昨日同様21 を追いかけることにしたのだが、スタートラインから 20km 先までサーチに行ったことを追いかけていて途中で躊躇してしまい、自分から帰ってしまった。21 も少し先でターンして戻っていった。20km くらいはサーチするので、怖がらずに追いかけること。目的が達成できれば良いのだから追いかけ続ける

    離脱後のクライムが遅い
    良いリフトを選んでない、追いかけすぎている
    2008年よりは良くなったと思う、
    今回もクライムが遅いタイミングで焦らずスタートを待てた
    (低いまま無理してスタートするようなことは無くなった)
    離れたポイントでしか上がらなければそこに向かうことができる

    スタートが遅れる事への怖さ
    11:40 離陸、1h 経ってしまって、もうスタートしないと、といった恐怖心に自分で
    追い込んでしまった 12:45 にA1とスタートしてしまった。
    プラン段階では 3h のタスクなので、13:00までは待てる。あと15分、13:30 までスタートを遅らせても良い


    リスタートを見分けるには?
    ライン通過後の速度が 180 kph ではない

    リスタートまでの時間は?
    リスタートまでの時間の自信を持とう!
    (21 も一度スタートして、戻って、再スタート)
    A1 のスタート体勢に入った時間、EC のスタート時間をチェックしてみる


    12:45  ECCスタート  1500m
    12:50   10km 地点 1200m avg 120kph

    12:55   戻るのに5分 900m
         1m/s でクライム 600m 600 sec = 10分
     2m/s でクライム 600m 300 sec = 5 分

    なので、スタート後、 10km 地点まで行くとして、5 + 5 + (5 ~ 10) = 15 - 20分リスタートまでかかる
    今回のケースなら、12:45 の一回目のスタートの後、13:00 - 13:05 にはリスタートできたので、
    ベルギーのスタート時間には間に合ったはず
    実際 13:02 には A1 はリスタート体勢に入った

      2014/03/03

      フライト中の気象情報伝達プラン

      大会中に地上クルーチームからのサポート情報伝達プランを考えています。特に天候が悪化してくる、好転していくような天気変化が予想されている際は地上クルーからのサポート情報が役立ちます。


      • ロングアンテナポール
        • ポール自体は現地で購入、ディスコーンアンテナとアンテナケーブルはチームマネージャーの川島さんが日本から持ち込みます。1985年の Rieti 大会では山岳地だったのでクルーの方々は近隣の山に登って無線中継をしたそうですが、Leszno は平野なので 10m ほどのロングポールを立てます

      • 専用地上局
        • 2008年は地上局はハンディ無線機で、この出力だと 70km 程度が限界です。今回は専用の地上局を中古で購入(新品ですと 2500 euro 位しますが、中古だったのでたったの 645 Euro で入手) して望みます。フライトサービスで用いてるベースパック(Dittel FSG71M ) です。これで 120km くらいは届くようになります。ベースパックは大会終了後に売り払ってくる予定です。
      • 気象情報
        • 衛星写真
          • ポーランドの衛星写真で一番見やすいのもの。直近2時間をアニメーション再生可能。15分位内に最新の衛星写真がアップロードされています。
          • 右下の Setup mylocation で Leszno の場所をマークすることが可能です。
        • Google map に task を書き込んだもの(例)
          • Google maps Engine で簡単に地図上にポリゴン(多角形)が書き込めるので、これを上記の衛星写真と重ねてみます。上記の衛星写真のポーランドの大きさと同じスケールに拡大して、目視で重ねて見て、上層雲の接近状況、ストームの発生状況がタスクエリアに対してどのように、どちらから、どの程度の速度で接近してきているかをレポートするようにしてもらう予定です。
          • できれば画面上でgoogle map と task と気象衛星写真を重ねられると良いのだけどまだソリューション見つからず、、、どなたかソリューションをお持ちの方、いらっしゃいましたら教えてください!