グッドモーニング・ハンガリー!
グッドイブニング・ジャパン!
グッドイブニング・ジャパン!
こちらは7月20日月曜の9時半。競技キャンセルとレストデイの2日間が開け、いよいよ競技再開です。
丸山は9時40分から行われるチーム・キャプテン・ブリーフィングにいそいそと出かけてきました。
選手全員が参加するブリーフィングは10時からです。
機体のグリッドは12時まで。
発航開始は12時30分の予定です(遅れなければ)。
選手全員が参加するブリーフィングは10時からです。
機体のグリッドは12時まで。
発航開始は12時30分の予定です(遅れなければ)。
今大会は2014年の世界選手権と違って、①18m、②20m、③オープンクラスという発航順が固定されています。その中で丸山のロメオ・インディア(RI)は18mクラスの6列目に指定されました。そして同クラスが全機発航してから20分後に、スタートゲートがオープンします。
スタートゲートとは、空の上に仮想で引かれたラインのことです。ただの線ではなく、幅10km、高さ無限の紙が空にベタッと貼り付けてあると考えてください。高度制限は一切ありません。その紙を好きな時間にくぐり抜けてスタートすればいいのです。
そろそろブリーフィングです。行ってきます!
今日のタスクが発表されました。
早速、佐々木式マップに転写します。
赤が丸山の参戦している18mクラスのタスクです。
今日は単純なレーシングタスク。旋回点は単なる点です(半径500メートル)。18mクラスは415.3kmのタスクです。
リンクは滑空場のあるウーチェニー周辺の気象データです。
7月20日12時現在、滑走路には北風が吹いているのがおわかりいただけますか?(データはリアルタイムで変わります)。グライダーは基本的に、風を前から受けるようにして離陸します。ですから、今日は滑走路の南側から北側に向かって発航します。
先ほどアップした機体のグリッド表の頭に RWY35 と書いてありましたね? あの数字はランウェイの方角を示しています。
詳しくはコチラをごらんください↓
「滑走路に書かれた数字は何?」
http://bit.ly/1JbeW6d
つまりRWY35はランウェイ350度を指しているわけで、ほぼ南北に走っている滑走路の「北に向かってグリッドするように!」
と伝えてくれているのです。
暑い時の過ごし方は、みんな一緒です。
翼の下が一番!
もちろん、コクピットが暑くならないよう、キャノピーにはカバーをかけておきます。このシルバーのカバーがとても流行っています。
一風の涼風が駆け抜けることもあります。
暑さを忘れますね!
灼熱の下働き続けるオフィシャルにも、一時の快楽が。
僕だって脱ぎたいんです。
出発は12時45分と確定しました。
丸山も30分以内に飛ぶでしょう
※写真は一昨日のもの。
※写真は一昨日のもの。
さあ、出撃です!
丸山RIの現在位置 / Takeshi's current position.
Spot:http://bit.ly/1LezAlX
Live glidernet:http://bit.ly/1fTUcES
Spot:http://bit.ly/1LezAlX
Live glidernet:http://bit.ly/1fTUcES
衛星写真 / Satellite photo
http://bit.ly/1MhKYiP
http://bit.ly/1MhKYiP
アメダス / Rainfall Data
http://bit.ly/1RGsAUl
http://bit.ly/1RGsAUl
丸山が第二旋回点直ぐ近くの滑空場に降りました。高度が低くなったのでしょう。機体背面のカバーを開け、プロペラを出すだけの電源が供給されなかったようです。機体も丸山も無事です。ご安心を。
衛星画像でも立派な滑空場に降りていることがわかります。ガボール(Gabor)曰く、ハンガリーでベストの滑空場だそうです。バーはいつでも開いており、プールとワイナリーがあるそうです。
地上班によるクルマ+ハウストレーラーによる回収、つまりリトリブ隊は出しません。ガボールが現地の滑空場に連絡し、備え付けの曳航機で十分な高度までトーイングしてもらうことになりました。丸山はそこから滑空して帰ってきます。
競技会場のウーチェニー滑空場からは100kmの距離。「こちらから曳航機を飛ばせば4倍の料金になる」とガボール。確かに。こんな時、現地のクルーがいると本当に助かります。
でもどうしてエンジンをスタートできなかったのか。丸山は地上班のハンドリングを考えてモーターグライダーを借りています。トラブルの原因は、しっかり解明しないといけませんね。
ウーチェニー滑空場から見た空です。
1枚目が丸山のいる東エリアです。
どこをみても雲がなく、ブルー一色。
結構難しいコンディションになっています。
実はまだ、一機もゴールしていません。
競技の行方はどうなるか、まだわかりません。
丸山機はトーイング開始しましたね。トラッキングデータが動き出しました。私もそろそろ出撃します。
丸山RIの現在位置 / Takeshi's current position.
Spot:http://bit.ly/1LezAlX
紺碧の空を西日が白く染め始めた頃、ロメオ・インディアはウーチェニーの滑空場へ帰って来ました。100km離れた滑空場にアウトランディングして、折良く見つかった地元の曳航機に引っ張られながら帰って来たのです。
「今日はやることなすこと全てが上手くいかなかったよ」
あれほど元気よかった丸山の声もトーンダウン。
「今日はビリだと思う」
実際、今日は厳しい成績になりました。
総合順位も大きく下げてしまっています。
丸山は第1レグまでは調子よかったものの、第2レグから高度が低くなり、500mを切るような状況からついぞ1000m以上に上がることができなかったといいます。
そのまま170kmの第2レグを飛んだのですから、苦しい苦しいフライトでした。
実はこの時、地上班も丸山機が先頭集団から遅れ始めていたことに気付いていました。が、2次元のトラッキングデータを見る限り、中盤で第2集団に追いついた!と勘違いしていたのです。実際は高度に大きく差があり、そこからどんどん差をつけられてしまったそうです。
今日は湿気が少なく、空に積雲がない日でした。こんな日はサーマルの目印が極端に少なく、単機で行動するよりガグル(同じ上昇気流の中で数機がサーマリングすること)を組んだライバル達と一緒に飛び、順次見つかる上昇気流を互いに利用しながら飛ぶほうが確実だといいます。
だからといって判断をひと任せにして飛べばいいわけではありません。時にはガグルを飛び出し、自分の判断に従って行動することも大切なはず。でも今日は、選んだガグルも自分の判断も、全ていい方向にいかなかったのでしょう。
その後、何度も高度を下げながら第2レグへ向かったものの旋回点の18km手前でターンしてきた先頭集団に遭遇。自分が36km遅れていると悟った瞬間に、今日の厳しい条件でゴールラインを跨ぐのは無理かもしれない、と覚悟したそうです。
そして第2旋回点にタッチし、Uターンした直後に高度が悪化、往路で目視していた滑空場を担保にしつつ、帰投のためにエンジンをスタートさせようとしました。
ところがこの時、大きな問題が発生。背中のカバーは開いたものの、プロペラを垂直に立てるだけの動力が確保できず、コクピット内にアラートが鳴り響きました。
「このまま、背中のカバーが閉まらなければ滑空場に届かないかも知れない」。イヤな予感が一瞬頭をよぎるもカバーは無事締まり、最良滑空比に近い速度でグライド。
前方に広がる森のおかげでランウェイが視認できない中、往路で頭に叩き込んだビジュアルを頼りに木々を越え、遂にはランウェイをインサイト。無事、着陸したのだそうです。
「危なかった。今日はフィールド・ランディングしなかっただけでもヨシとしなきゃいけないかもな」
そう呟きつつも、悔やまれるのは最後の判断。
「高度が悪化する前に捕まえていた 0.1m/s の上昇気流。あれを飛び出さずにガマンしていれば…。あれはガマンすべき状況だったんだ…」
「いや、それにしても今日はリカバリーが危ぶまれる高度域に何度も陥った。そこからよく耐えたじゃないか…」
悔しさのにじみ出る独り言を吐きながら丸山は真っ直ぐ家に帰り、いつも通りシャワーして自分のフライトを分析。明日のために眠りに就いていきました。
いいじゃない。こんな日もあるさ。
失敗は失敗。
でも、今までだって失敗が君を強くしてきた。
競技はまだ4日あるよ。
そして、日本のみんなが応援してくれているよ!
1枚目が丸山のいる東エリアです。
どこをみても雲がなく、ブルー一色。
結構難しいコンディションになっています。
実はまだ、一機もゴールしていません。
競技の行方はどうなるか、まだわかりません。
丸山機はトーイング開始しましたね。トラッキングデータが動き出しました。私もそろそろ出撃します。
丸山RIの現在位置 / Takeshi's current position.
Spot:http://bit.ly/1LezAlX
紺碧の空を西日が白く染め始めた頃、ロメオ・インディアはウーチェニーの滑空場へ帰って来ました。100km離れた滑空場にアウトランディングして、折良く見つかった地元の曳航機に引っ張られながら帰って来たのです。
「今日はやることなすこと全てが上手くいかなかったよ」
あれほど元気よかった丸山の声もトーンダウン。
「今日はビリだと思う」
実際、今日は厳しい成績になりました。
総合順位も大きく下げてしまっています。
丸山は第1レグまでは調子よかったものの、第2レグから高度が低くなり、500mを切るような状況からついぞ1000m以上に上がることができなかったといいます。
そのまま170kmの第2レグを飛んだのですから、苦しい苦しいフライトでした。
実はこの時、地上班も丸山機が先頭集団から遅れ始めていたことに気付いていました。が、2次元のトラッキングデータを見る限り、中盤で第2集団に追いついた!と勘違いしていたのです。実際は高度に大きく差があり、そこからどんどん差をつけられてしまったそうです。
今日は湿気が少なく、空に積雲がない日でした。こんな日はサーマルの目印が極端に少なく、単機で行動するよりガグル(同じ上昇気流の中で数機がサーマリングすること)を組んだライバル達と一緒に飛び、順次見つかる上昇気流を互いに利用しながら飛ぶほうが確実だといいます。
だからといって判断をひと任せにして飛べばいいわけではありません。時にはガグルを飛び出し、自分の判断に従って行動することも大切なはず。でも今日は、選んだガグルも自分の判断も、全ていい方向にいかなかったのでしょう。
その後、何度も高度を下げながら第2レグへ向かったものの旋回点の18km手前でターンしてきた先頭集団に遭遇。自分が36km遅れていると悟った瞬間に、今日の厳しい条件でゴールラインを跨ぐのは無理かもしれない、と覚悟したそうです。
そして第2旋回点にタッチし、Uターンした直後に高度が悪化、往路で目視していた滑空場を担保にしつつ、帰投のためにエンジンをスタートさせようとしました。
ところがこの時、大きな問題が発生。背中のカバーは開いたものの、プロペラを垂直に立てるだけの動力が確保できず、コクピット内にアラートが鳴り響きました。
「このまま、背中のカバーが閉まらなければ滑空場に届かないかも知れない」。イヤな予感が一瞬頭をよぎるもカバーは無事締まり、最良滑空比に近い速度でグライド。
前方に広がる森のおかげでランウェイが視認できない中、往路で頭に叩き込んだビジュアルを頼りに木々を越え、遂にはランウェイをインサイト。無事、着陸したのだそうです。
「危なかった。今日はフィールド・ランディングしなかっただけでもヨシとしなきゃいけないかもな」
そう呟きつつも、悔やまれるのは最後の判断。
「高度が悪化する前に捕まえていた 0.1m/s の上昇気流。あれを飛び出さずにガマンしていれば…。あれはガマンすべき状況だったんだ…」
「いや、それにしても今日はリカバリーが危ぶまれる高度域に何度も陥った。そこからよく耐えたじゃないか…」
悔しさのにじみ出る独り言を吐きながら丸山は真っ直ぐ家に帰り、いつも通りシャワーして自分のフライトを分析。明日のために眠りに就いていきました。
いいじゃない。こんな日もあるさ。
失敗は失敗。
でも、今までだって失敗が君を強くしてきた。
競技はまだ4日あるよ。
そして、日本のみんなが応援してくれているよ!
18mクラス Daily 32位相当/32機 Total 24位相当/32機
河村
Facebookアップ記事をブログにそのまま掲載しています。
https://www.facebook.com/TeamMaru
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