2015/11/23

勝手にジュニア世界選手権チームページ紹介 JWGC Team Facebook pages


来月 12/1 からオーストラリア・ナロマインでジュニア世界選手権大会が開催されます。ジュニア大会は25歳以下が対象の世界選手権です。クラスはスタンダードクラスと、クラブクラスの2クラスが行われます。ジュニアとは言いながら、経験の少ない選手は 300時間くらいから、3000時間の選手までいて、トップはシニアの世界選手権でも上位に入るレベルです。

日本の若手の皆さんへ、是非世界の同世代が何をやっているのかに目を向けてほしいと思い、勝手ながら各国のチームページの紹介を作ってみました。競技だけがグライダーのすべてではありませんが、グライダーの楽しみかたの一つで、グライダーの面白さを周りに伝えること出来る一つです。facebookページの写真を眺めているだけでも楽しさが伝わってきます。ブラウザーの翻訳機能を使えば英語以外のページもなんとなく分かります。妻沼全国大会のトラックレースではなく、もっと広い世界を、同世代がどう飛んでいるのか、是非見てみてください!


大会ホームページ
大会 Facebookページ


オーストラリア / Australia
ジュニアチームページ 選手紹介
facebook グループ
blog
  • 地元の強みを生かして、11月はLake keepit で行われた Standard Class, Club Class Nationals でチーム練習をしているようです。
  • スタンダードクラス Matthew Scutter 選手はランク1位、目標は優勝と言い切ってます。 

ポーランド / Poland
ジュニアチームページ
facebookページ
blog
  • 11/8 にポーランドを出発。9月にコンテナで機体を5機送ってます。コンテナの到着が少し遅れたようですが飛び始めています。友人の Jakub 選手頑張れ!
  • クラウドファンディングしていました。


チェコ / Czech Republic
facebookページ
  • こちらもコンテナで機体を送ってます。チェコチームは毎年のように冬はナロマインで合宿していますので慣れているようです。
  • スタンダードクラスの Radek 選手は出場選手のなかでのランキング2位、優勝候補の一人です
  • クラブクラスの Treslova 選手は女性ながらクラスランキング1位です。

ドイツ / Germany
ジュニアチームページ
facebookページ

  • 早い選手は10月中旬にはオーストラリア入りして一ヶ月で10,000km, 100h の練習をしているようです。


オランダ / Netherlands
ジュニアチームページ、blog
facebookページ

  • オランダチームはオランダ人が経営している Corowa (Narromine の南南西 450km)のグライディングセンターにコンテナで機体を送り、Corowa を拠点に11月初旬からトレーニングを続けているようです。


イギリス / Great Britain
ジュニアチームページ
facebookページ
  • こちらもコンテナで機体を送り、現在ナロマインへ向けてチームも移動したところです。こちらもコンテナの到着が遅れているようです。
  • monthly newsletter でチームの練習状況をレポートしていてます。(Sailplane & Gliding 今月号にもフランスでの合宿のレポートがありました)。広報がもっとも充実してます。


ニュージーランド / New Zealand
ジュニアチームページ
facebookページ
  • Alex McCaw 選手は18歳で 1000km を飛んだという、世界最年少 1000km パイロットです。グライダー一家に生まれ、NZ のラグビーチーム「 All Blacks 」2015ラグビー世界選手権優勝チームのキャプテン、先日引退を発表した Rich McCaw 選手はいとこになるそうです。(Rich さんも熱心なグライダーパイロットです)

スイス / Switzerland
ジュニアチームページ
facebookページ

フランス / France
facebookページ(チームページが見当たらないので選手のページ)

イタリア / Italy
facebookページ

アメリカ / U.S.A
チーム紹介
facebookページ

リトアニア / Lithuania
facebookページ

フィンランド / Finland
facebook ページ

ノルウエー / Norway
facebook ページ

デンマーク /Denmark
facebookページ

スエーデン / Sweden
facebookページ


自取り棒でチームのチームのセルフィー取るのがどのチームも流行のようです。
カナダ(Canada)、ハンガリー(Hungary) はチームページを発見できず。


残念ながら参加できなかったチーム

ベルギー  / Belgium
 6人のパイロットと機体を送るのに総予算65,000 euro でクラウドファンディングしていましたが、残念ながら思ったほど集まらなかったようです。(4週間、6機で機体を送るとこのくらいかかるということですね。)


前回参加していたオーストリア、スロバキア、スロベニア、ロシア、南アフリカ、アルゼンチンからは参加がありません。今回はヨーロッパから離れている南半球での大会なので、参加国、参加パイロットは少なめです。

皆さんも各チームのページをイイネして、観戦してみると世界の若手の楽しい情報が飛び込んできますよ!
Good Luck , all competitors !



2015/10/07

モンベルクラブ・フレンドフェア2015秋 横浜で講演しました

10/3(土)と4(日)「モンベルクラブ・フレンドフェア横浜」に出展させていただきました。

2013年よりTEAM MARUをサポートしてくださっているモンベルの山口さんと

モンベルクラブ・フレンドフェアは、モンベルクラブの会員向けに行われるイベントです。会員向けといっても、モンベルの会員は全国に59万人以上もいらっしゃるので、その規模は壮大です。今回訪れた パシフィコ横浜 の会場も私達の想像を絶する広さ。この2日間で1万人近いお客さんが訪れたそうです。



会場ではお買い得なアウトレット商品が販売されていたほか、大人も子供も楽しめる体験コーナーなども充実しており、お子さんを連れた若い家族からご年配の方まで、老若男女あらゆる層のお客さんで賑わっておりました。

とくに、巨大プールで行われていたカヤック体験や会場が一望できる「ツリーイング」体験、7m近い壁をよじ登るクライミング体験などが人気だったようです。

さて、そんな中、私たちに課された使命は「ブース出展」と「講演」です。会場の一角にブースを構え、スポーツとしての「グライダー」の認知促進活動を行うかたわら、土曜のお昼にはパイロット丸山による トークショー もさせていただくことができたのです。

このブログでも何度かお伝えして参りましたが、我々 TEAM MARU は 昨年ポーランドで行われた 世界選手権出場に際し、モンベル・チャレンジ支援 に応募。無事合格してウェア類一式などをご支援いただきました。

実はこのチャレンジ支援は モンベルクラブ・ファンド という モンベルクラブ会員様から集められる基金によって運営されています。つまり私達はこの会場の内外にいらしゃる全てのお客さんからのご支援を受けていたことになるのです。

というわけで、この モンベルファミリーフェアでは 会員様への御礼の意を込め、チャレンジ支援を受けた団体の活動報告が行われます。今回はその白羽の矢が私たち TEAM MARU に立ったのだとご理解くださいませ。

さあ、たいへんです! 何せ、ブース出展なんて世界選手権、欧州選手権のなか日に、酔っ払った選手達相手に日本酒をお勧めしたくらいしか経験がないのですから!

とはいえ、これは千載一遇のチャンスです。山・海・河を楽しむモンベルクラブ会員の皆様にお礼と報告をさせていただくと共に、「空」の遊び方を知っていただくことができるのですから!

というワケで、TEAM MARU のミッションのひとつである「グライダーの認知度アップ」の野望も持って会場入りすることとなりました。


さあ、まずはディズプレイにもひと工夫です。まずは、大会中 オリンパス様 よりご支援いただいたカメラで撮影した写真を選りすぐり、大伸ばしにしてバックの壁に展示。



また、山がすき!な方に興味を持っていただけるよう「中部地方の立体地図」を展示。その上に2014年の世界選手権で使用したASG29Eのグライダー模型や写真を配置してグライダーが山を飛んでいるイメージを演出してみました。


さらには(公財)日本グライダークラブ様より、グライダーが飛び立ち山岳滑翔をする様を記録した映像をお借りして、モニターで流しました。他にも日本学生航空連盟 2016年カレンダー、好評発売中のグライダーマンガ「ブルー・サーマル」も展示!万全の体制で臨みました。

ブースに足を止めてくださる方はいるかな???という事前の不安はどこへやら。「え、空飛べるんですか?」「実は知人がやっていまして、知ってました」「どこで飛ぶことができるんですか?」「どうやって飛ぶんですか?」などなど。興味をもって聞いてくださる方多数。TEAM MARUのスタッフはうれしい悲鳴です。

学連カレンダーを片手に説明するチームメンバーと、ブースに来てくださった岩澤さん


「かっこいい!」と目をキラキラさせる子供達多数。丸山が飛んでいるグライダーの写真を見せて「ここに乗ってる人、この人だよ」と丸山を指さすと「えーーーっ」と文字通りに目をまん丸くして驚いていました。新幹線の運転手さんになろうか、パイロットになろうか悩んでいる幼稚園生には「じゃあ、新幹線の運転手さんになって、週末はグライダーパイロットになろう!」と提案したり、「グライダーに乗ってみたい」という中学生が来てくれたり、とグライダーパイロット候補生の青田買い?も出来ました。

そして、TEAM MARUにとってのメインイベント「グライダー世界選手権出場チーム活動報告」のステージ!そうそうたる著名な方々に並んでの講演となり、「果たして座って聞いていただける方はいるのだろうか」と心配していたのですが、その心配は杞憂に終わりました。



丸山はパワーポイントの資料と2本の映像を使って話しました。特に、前半のグライダーとはなんぞや?というくだりで、多くの方に興味を持っていただくことができたようです。
そのおかげで後半までちゃんと聞いていただくことができました。

もともと、モンベルチャレンジ支援のご報告ということで、本来でしたら2014年の世界選手権のご報告がお題目だったと思いますが、彼は前半をグライダーの認知促進の時間に充てました。そして中盤でモンベルさんからの具体的な支援や、その基金がまさに会場にいらっしゃるような一般の会員の方から得られている旨を会場の皆さんに伝え、御礼申し上げ、そして自身の競技報告に入りました。

報告の終盤では、総合順位を報告しました。クラス44機中31位。「でも、1日だけ、デイリーで3位に入ることができました」とお伝えすると、なんと会場から拍手が沸き起こりました。さらに、講演の最後も拍手です。「このスポーツの魅力をより多くの人に伝えたい」「競技で詰んだ経験をもとに操縦教育にイノベーションを起こしたい」という彼の気持ちが、皆さんに伝わったのだと思いました。
(TEAM MARU Facebookページより)

今回の出展に際し、お世話になりましたモンベル広報部の皆様はじめ、講演に足を運んでくださった方、立ち寄って話に耳を傾けてくださった皆様、ブースに顔をだしてくださった友人・知人の皆様、本当にありがとうございました。

初日。左から河村、高木、久野、丸山

グライダーをもっと多くの人に知ってもらい楽しんでもらいたい
この野望に向かって、今後とも活動していく所存です。応援よろしくお願いいたします!

TEAM MARU 一同

2日目も無事終了。左から高木、パイロット丸山、チームリーダー赤石



P.S. 
なお、「モンベルフレンドフェア」について本文中では「会員限定」と記しましたが、正しくは会員及び同伴のご家族・友人であれば入場できるそうです。また、当日のご入会も可能とのことでした。次回、11月7日、8日日に大阪で行われるフレンドフェアに TEAM MARU は出展しませんが、アウトドア好きの方にはお勧めしたいイベントです。

2015/09/29

10/3(土)10/4(日) モンベルクラブ・フレンドフェア2015秋 横浜 に出展します


10/3(土)10/4(日) モンベルクラブ・フレンドフェア2015秋 横浜 にTEAM MARUが出展させていただくことになりました。

10/3(土) 12:30-13:00 そうそうたる著名人にならび、TEAM MARUの活動報告が行われます!
ブース出展は両日行っております。

詳細はこちら



展示ブースはこちらの15番のスペースです。カヌー・カヤック展示場の向かいです。

こちらのイベントはモンベルクラブ会員様向け、となっておりますが、会員様同伴であれば、ご家族やご友人の方も入場可能です。また、当日の入会も可能とのこと。 
*ご来場の際はモンベルクラブ・メンバーズカードをお忘れなく。

皆様のご来場、お待ちいたしております!
特に10/3(土)の活動報告へのご参加お待ちいたしております!!

TEAM MARU


2015/09/21

あの人気コミック「ブルーサーマル」の取材をうけました!


好評発売中のグライダーマンガ「ブルーサーマル」。みなさま、すでにお読みでしょうか?
なんとTEAM MARU がブルーサーマル作者の「小沢かな」さんから取材をうけました!

作者の小沢かなさんもグライダー経験者。
TEAM MARU の経験を通した世界のグライダー事情や大会の様子から日本の空の楽しみ方などなど、話は多岐に及びました。

「つるたま」ちゃんの成長にすこしでもTEAM MARUがお役にたてたのであれば、うれしいかぎり。
そして、ちゃっかりブルーサーマルコミックにサインをいただきました。


【なぜ「ブルーサーマル」に TEAM MARU は協力するのか?】





 このブログ、Facebook を読んでいただいている多くの方はグライダー経験者、なおかつ、このスポーツのすばらしさを信じている人だとおもいます。ですがご存じの通り、グライダーはマイナースポーツです。多くのマイナースポーツ関係者は、自分たちのスポーツのすばらしさを世の中に伝えたいと思っていますが、なかなかその面白さを伝えることに苦労しています。

 いま、我々には、「漫画(ブルーサーマル」という「媒体」を通じて、世の中にこのスポーツの面白さ、すばらしさを簡単に伝えることができる大きなチャンスが来ています!自分たちの楽しかった思い出を振り返るだけでは無く、このスポーツの面白さを周りに広めるためにも、是非、この「ブルーサーマル」を皆さんの周りのグライダーを知らない人へ配って、是非広めてください!
グライダーをしらなかった人や子供たちが「ブルーサーマル」を読むことで、新しいグライダーパイロットが生まれることにつながります!

みなさんも是非、お近くの書店で手にとってみてください。
下記販売協力店様リスト 以外の店舗でもお取り扱いがあるようですが、一部店舗はすでに品切れとのこと。
http://www.comicbunch.com/shoplist/
取り寄せも可能ですので、入手をあきらめずに是非ご一読ください!


書店での在庫状況です。(2015.9.21現在)オンラインで店舗在庫データを引っ張れるところをまとめました。

紀伊國屋書店 全国の店舗在庫が確認できます。都内でしたら新宿本店に在庫あります!

丸善ジュンク堂書店 都内はかなり減ってきています

有隣堂 神奈川方面ならこちら

ヨドバシカメラ 「在庫のある店舗」をクリック

TSUTAYA 店舗を指定しての在庫確認なのでちょっと使いづらいかも。在庫確認に対応してない店舗も多いみたいです

三省堂書店 ついに完売!(在庫無し) - 訂正 在庫あります!左のリンク先で店舗を選択して検索!

都内の書店の在庫(東京都書店商業組合青年部)   (画面が開いたら黄色字の「店頭在庫検索」をクリック! ) 黄色のバルーンが「在庫あり」です。山手線内だと下記に在庫あります(2015.9.21現在)オンラインでの在庫検索に対応していない書店はまだ多いみたいです。

・紀伊國屋書店 新宿本店 大手町ビル店
・ジュンク堂 池袋本店
・有隣堂 アトレ恵比寿店 ヨドバシAKIBA店
・有隣堂 目黒店
・丸善 日本橋店 丸の内本店 お茶の水店

首都圏以外の書店でも、もちろん販売されております。


店舗に行けない方にはオンライン書店にももちろんあります。

amazon
楽天 books

皆さんの購入がブルーサーマル2巻、3巻へとつながります。

(丸山)

2015/09/12

2015 ヨーロッパ選手権 Task9 (July.23)

07.23(THU)

おはようございます!
丸山はきのう、500kmオーバーのタスクを無事飛クリアし、笑顔で帰ってきました。
丸山はライバルに先駆けスイスの機体と一緒にアーリースタート。先行して、中盤で後ろからくるガグルに飲み込まれつつ、先行アドバンテージを活かしながら上位を狙う戦略でした。
それがズバリ当たりました。
彼は第2レグでドナウを渡ったところで後続と合流、その後もテンポよく前に出て、558.51 km を 5時間1分 かけて飛んできました。平均時速は111.32km。805点を獲得し、目標としていた得点率80%をクリア。32機中13位の成績となりました。総合順位も21位まで回復。本当に、素晴らしい1日となりました。
きのうは一昨日までの乾いた北風のコンディションからうってかわり、アドリア海からの湿った南風が吹き続けた一日でした。
この南風に対し、タスクは東西に細長い設定。クラウドストリート(雲が一直線に連なった状態)はできたとしてもタスク・コースに直交してしまう状態、つまりクラウドストリートの下を飛び続けられる日ではなかったワケです。
前回はグライド中の「ドルフィン」のお話をしましたが、ドルフィンは連続する雲の下を飛ぶ時のテクニック。昨日のように風が常に直交する日は、条件の良いところと悪いところがかわりばんこでやってきて、上昇気流で上ってはグライドし、グライドしては登る、ということを繰り返す日になるのだそうです。
さらに、第2レグ中盤以降は雲もなくなり、上昇気流を目で見ることができなくなりました。このような状況では、競技とはいえライバル機が見つけた上昇気流を互いに利用しながら飛ぶほうが確実な作戦となります。丸山はちょうどガグルの集団に巻き込まれ、いい感じの展開となったワケです。
いずれにせよ昨日も彼は、ヨーロッパ各国のトップ集団の中堅以上の成績を残せることを証明してくれました。スポーツにタラレバは無意味ですが、あの日がなければ、総合で15位あたりを狙える実力がついてきたように思います。これなら10位を目標に設定しても、バチはあたらなかもしれません。
ただ、レイトスタートなのに途中で丸山をブチ抜いていった Kawa選手…。彼は予想どおりビッグ・レースを勝ち抜いて総合トップに立ったワケですが、昨夜丸山は彼とのフライト・データを見比べながら、溜め息をつきっぱなしでした。
Kawa選手と比べると、改善されたと思われていたクライムにも課題が見えてきました。昨日、丸山が記録したサーマリング中の平均クライムレート1.8m/sec に対し、Kawa選手は2.1m/sec。同じ機体でありながら、0.3m/secの差があったのです。
丸山の分析では、上昇気流を見つけてからコアを掴むまでのスピードとサーマリング中の姿勢制御の差だといいます。
ちなみに上昇気流の最も強いところに機体を持って行くこと、あるいは、そのセンターを外さないで旋回し続けることを「センタリング」といいます。
上昇気流はセンターに入ったとしても、強いところと弱いところが必ずあります。コアが狭ければグライダーはバンクを強くして小さい半径で旋回しなければなりませんし、また、その状態で最大のリフトを得られるよう、速度を適正に抜いていく必要もあります。抜きすぎればスピンに入るので危険ですが。そしてまた、何よりも、荒れ狂う気流の中でセンターを外さぬよう、常に修正舵角を与えていかねばなりません。とっさの強い気流にも弾かれぬようにせねばなりません。
それらの操作のひとつひとつのレベルの差が、0.3m/secだと彼はいいます。
競技のいいところは、これらの比較が容赦なく、しかも正確にできることにあります。だからこそ、丸山はヨーロッパまで遠征するのです。
もっと上手くなりたい!
そして、自分が得たことを日本のみんなに伝えたい!
丸山のライフワークには、終わりがありませんね。



























今日のタスクです。
レーシングタスクが数日続きましたが「次はアサインド・エリア・タスクになる」という丸山の予想が当たりました。
第1レグは珍しく北へ向かうルートです。
下のリンクはウーチェニー滑走路周辺のものです。
風は現在南風。16時頃に東風に変わるようです。
http://bit.ly/1feBaZ1
いずれにせよ、コース上の風が直交する可能性が高く
最後は追い風になるかもしれません。



今日は、旋回点が25km半径の円になった「アサインド・エリア・タスク」です。先ほどアップしたマップのうち、赤いラインが丸山の18mクラスのライン、赤い円が旋回点です。
グライダーがこの円内に入ればOK。
この円を最短で結ぶと238.49km。一番奥まで突っ込むと512.17km、平均して369.18kmです。
ただし、タスクに書いてあるように、基本的には3時間以上飛んで帰ってくる必要があります。それより短い時間でゴールすると、どんなに平均速度が速くても1000点満点にはなりません。
したがって、最も条件のいい3時間をつかって、より速い平均速度で、タスクをこなしてきた者が勝者となります。
たとえば、平均時速130km/hで3時間飛び、390kmの距離をこなして帰ってくる、というパターンが理想的です。
というわけで、昨日の558kmのようにアーリースタートして後半条件が悪くなる前にかえってきちゃおう! というタクティクスより、「最も条件のいい3時間はいつか?」を見極める、待ちの展開がしばらく続くといえます。
18mクラス、恐らくまだ誰もスタートしていません。
丸山RIの現在位置 / Takeshi's current position.
Spot:http://bit.ly/1LezAlX
他の機体の現在位置
Live glidernet:http://bit.ly/1fTUcES


地上班も戦っています。



美しき青きドナウ。
丸山はもう、この大河を越えました。
13時55分頃スタートしたのです。
ここから3時間〜3時間半が勝負です。
ハンガリーは、このドナウ川が国土のど真ん中を縦に貫流している唯一の国だそうです。大平原をゆったり、ゆるやかに流れているのだそうです。そんなこともあって、丸山は毎日のようにドナウを渡っています。
ドナウの上を飛ぶって、いったいどんな感じなんでしょう?
帰るまでに一度、見て見たいですネ!

丸山RIの現在位置 / Takeshi's current position.
Spot:http://bit.ly/1LezAlX
他の機体の現在位置
Live glidernet:http://bit.ly/1fTUcES


丸山は第1旋回点の25kmの円の一番奥まで突っ込みましたね。
第2、第3旋回点では奥まで行かないかも知れません。
何か作戦があるのでしょう。


第2旋回点はちょこっとタッチした感じですね。
出発は13時55分ですから、1時間半経ちました。
残りは22kmほどありますが、
これは第3旋回点の25km円の中心まで行った場合。
最外縁部にタッチして戻ればマイナス50km
つまり残り170kmです。
これを残りの1.5時間で飛ぶ、と考えれば平均時速113km
いい感じで戻ってくるのでは、と思います。


第3旋回点もあまり深入りしませんでしたね。
さあ、ゴール南5kmくらいに設定された第4旋回点まであと100kmくらいです。丸山は条件がよければあと50分後くらいにゴールしてくるでしょう。出発が13時55分ですから、3時間10分〜3時間15分くらいのフライトになるでしょうか。
いい感じだと思います。


ハンガリー国内、結構雨が降り出しています。
でも、丸山が帰投するエリアは問題なさそうです。
今日、序盤は「待ち」でしたが、
彼はやはり、早めにスタートを切りました。
これが吉とでればいいですね!



18mクラス Daily 14位相当/32機 Total 21位相当/32機


河村
Facebookアップ記事をブログにそのまま掲載しています。
https://www.facebook.com/TeamMaru




2015/08/02

2015/7/11 公式練習3日目

公式練習3日目(最終日)

タスク
3h AAT。東へ行って、帰ってきて南西に少し行き、北に行って帰ってくるタスク。


ウエザー
昨日の高気圧前面から高気圧中心に、ブルー度が高まる、上空も暖まる。


フライト

スタート

離陸前は積雲が出始めていたものの、曳航開始後は積雲が減り、弱いコンディション。
3h AAT なので、スタートスロット 14:00 予定。12:15 から曳航が始まり、なんとか 1800m まであげて、
ガグルで1.5hほどスタートスタンバイ。

ガグルの中でもアクティブにリフトを探しに行くパイロットを探し、そのパイロットの動きを参考にしながらサーチ。
スタートラインの北と南に二つのガグルができるが、どちらも上がりは良くない。
スタートラインの 5km ほど南によい積雲ができ、その下に滑り込む。上のガグルほどよい上がりは出来なく、1分遅れ、100m低くスタート。
E1 1881m 
RI 1771m


1st leg

1st leg は大成功で Avg 144km/h。スタート後は 49km リフト無くドルフィン。今日は テール4.5リッター cg 313mm に
変更してみた。カタログ上は後ろ過ぎるはずなのだが、むしろ今日の方がセッティングが良い
グライドは伸びるし、上がりもついて行ける。
気がついたら PL, E1 もいるチャンピオンガグル。

1st leg が 140km/ 以上出ているので、テールウインド考慮しても task avg 120km/h 以上は出ると思われるので、ガグルについて1st sector はほぼ奥まで。


2nd leg

1st area を PL, EI とターン。すぐ後ろに AI。E1, 80, JS はさらに奥まで。
ここで気がついたら10機以上のガグル(あとからかぞえるとトータル 18機のガグル)が4機に。
3機(E1, 80, JS) は先に延ばしていたので、残りは手前でターン(2Y, LU, GT, AY, F2, QX,QZ, LK)
あとから分かったのは先にターンして2nd area に向かった方が速かった(2nd 3rd area が思っていた以上に悪かった)

川渡りの手前で1.5m で高度をとり1500mから川渡り。少し南のコースをとった方が 1800m 近くまで上げて、高く川を渡れている。
川渡りはとにかく注意。川東側 15-20km, 西側 20km(丘まで)はリフトが少ない。35-40km のグライドをするつもりで居る必要がある。
川を渡って、 1000m を切らないことを気にしすぎて、弱いのであげてしまう。村の奥の 2m にもっと早く行く

2nd area 周辺はとても悪く、山を伝ってグライドを伸ばした、これは正解だったと思う
2nd area であきらめようかと思ったが練習と思い木を入れ直して再フライト


3rd leg

3rd leg、2nd area から直行した人は苦労している。(地形のコントラストが少ないのか、リフトの発生が弱い)

タスクコンプリートするか迷って、結果東へ寄せてから行ったのが正解。丘の東の終わりの用水路沿いに西風でリフトがトリガーされているので定期的にリフトがある、沈みの少ないライン。(最終日にこの経験を生かせた)
トリガーポイント、パフを意識してとにかく前進。
弱いのでオープン、20m の機体と混在のガグルを形成。イタリアのEVOが先行, Arcusが2機, デンマークのAB、あと数機のガグルに追いつかれそうになりながら前進。

3rd leg は用水路と東の湿地帯の間が丘になっている
1600 以降の熱がたまっている時間はたまっている熱が放射されてリフトになるので、高い高度をキープしながら行く



4th leg


この日はなるべく低い高度のままフィニッシュすることを目標に(上げすぎて無駄な高度を獲得せずに自信を持ってフィニッシュする練習)用水路をトレースして前半はうまく進める。が、後半、用水路をトレースし続けるだけの高度の自信が無く、悪い方に寄せてしまい、結局0.5m/s を使う羽目になり7分損した
7分速ければ101km/h くらい Andy 80 と同じタイミングでフィニッシュできた
(上がり始めたときに 10km call だった)

北から帰ってくる場合、用水路が南北にあり、西風なので用水路沿いにトリガーされている、用水路をトレースする。
用水路は 20km 手前で西へ離れるように見えるが、西へ行って、東にもどってくる。
ので最終ポイントから一度離れるように見えるが、結果的には最終ポイントに近くなる。地形をちゃんと見ていれば、用水路の曲がりに惑わされること無く、うまく用水路のトリガーを使って、高度を無駄に取らずにフィニッシュできたはず。この失敗を次に生かす。





用水路と東のドナウ川の間もちょっと土地が高くなっているはず、数機はそちらから帰っていた
865点、0.5m の5分が無くなれば 910点(最後の2つの 1m/s 以下のクライム)、贅沢な悩みになってきている?



CG ポジションテスト

毎日変更してみてハンドリングをテスト

tail water kg     CG mm
3.0           303
3.5           306
4.0          309
4.5           313

カタログ値よりも後ろだけど 4.5kg の時が最も良かった



チームフライングの傾向
  公式練習最終日の飛び方から実施状況を確認

BEL 2Y, F2
CZE QX, QZ
DEN してない
FIN してない
FRA してない
GBR 80, E1
GER MD, SP
HUN IGC, HX
ITA AY, GT
POL PL, EI, LU
SVK しなさそう



LX8000 のタスク設定値が cup ファイルと異なることの対応
 settings -> observation zone で設定された値が cup ファイルを上書きしてしまう。
 observeration zone の初期値を大会に合わせた値に修正する

2015 ハンガリー ヨーロッパ選手権 前半パイロットレポート

JSA インフォメーション 308号からの抜粋記事)


チーム構成

今回は現地のクルーオペレーションはハンガリー人の友人Gaborがすべてお任せでサポートしてくれるプロクルーをしてくれましたので、グランドオペレーションクルーは日本からは参加無しでした。チームリーダー(嫁)は今年は社会人大学院生していて不参加となり、広報クルーの河村さんが競技期間中の2週間、応援クルーの高木さんが最後の2日間に来てくれて、サポート頂きました。話し相手がいることで、その日のフライトをディスカッションすると、失敗したときはストレスが解消され、上手く行ったときは自信が深まります。自分の考えがまとまり、成功・失敗の根拠が整理でき、言語化することで成功の再現性を高め、次にやるべき事が整理できます。


いざ、ハンガリーへ

ハンガリーの天気は6月下旬以降から高気圧が居座る気圧配置が続くようになり、好天が続く予報になりました、ハンガリーらしい、暑い、ヨーロッパにしては湿度の高い天気が予想され、浮き浮きとした気持ちで出発を迎えました。

大会開始一週間前にハンガリー入りしました。慣れないハンガリーへの深夜到着を避けるため、土曜出発で慣れたフランクフルトのホテルで一泊して体を休め、日曜午前便でハンガリー入りしました。万全を期して準備を進めたつもりでしたが、出発直前はさすがに仕事が忙しく、ストレスだったのか、出発3日前ほどからひどい左の肩胛骨のコリに悩まされたままの出発となってしまいました。日本にいるときにコリがでたときはいつも鍼治療でほぐしてもらうのですが、ハンガリーではそうもいかず。。昨年メンタルコーチに教えて頂いた呼吸法を思い出し試してみたところ、これが驚くほど効きました。

人間の体は自律神経でコントロールされており、興奮状態や、ストレスがかかった状態になると交感神経が働き、休息、リラックスしていると副交感神経が働きます。ストレスが過多な状態になると交感神経が高まり、筋肉の緊張、胃酸過多な状態になり、空気を感じながらのフライトにはまったく適さない状態になってしまいます。自律神経は人の意思ではコントロールできず、唯一コントロールできるのは腹式呼吸での深呼吸と言われています。多くのスポーツ選手の本でも呼吸法による緊張状態からのリラックスへの有効性に言及しています。昨年自分でも試してみたはものの、有効性が理解できずにいたのですが、このとき初めて自分の中で腹落ちできました。
グライダースポーツはフィジカルをそれほど使わないスポーツに見えますので、回復という観点はあまり重視されてなかったと思います。実際はストレスで自律神経に負荷をかけています。緊張状態においては操縦桿を握りしめてしまって腕が疲れるだけでなく、全身が緊張状態になってしまい、全身が疲労するのも同じ原因です。今回は毎日の就寝前と起床後、フライト前のランチ後に定期的に呼吸法を実践することで大会を疲れを感じずに過ごせました。ストレスで体の調子がイマイチな方、是非試してみると良いと思います。(プロテニスプレーヤーの杉山愛さんの本では塩谷信男先生の呼吸法を勧められていました。呼吸法に関する本を読んでみると書いてあることは似ています。最初は呼吸法のテンポをつかむのがよく分からなかったので、私はメンタルコーチにお勧めされた七田真先生のCDを聞きながら指示に従って呼吸を繰り返すのが腹落ちしました)

今回は機体陸送もクルーがすべて行ってくれたため、大会前一週間の月曜から土曜まで6日間の練習期間をとれました。予報通り天候は毎日好天が続き、前線通過で一日レストの日をはさんで5日間の練習フライトができました。

練習フライトでは下記を行いました
・機体準備(フライトコンピューター設定、テスト)
コンピューターの設定の間違いはどうしても出てくるので、実際のフライトの中で設定ミスをつぶしていきます。
バックアップのナビゲーションPDAは慣れたOudieに交換しました。今回は後継版の Oudie2 を使ってみましたが、バックライトが非常に明るく見やすくてオススメです。ナビゲーション画面は二つ使うことで異なる設定を一度に見ることができます。また、設定の間違いも見つけやすくなります。

・フルバラストでの最適重心位置の探求
テール3リッター重心位置303mm 設定からフィーリングの調整を開始しました。毎日500ml づつテールバラストを増加して重心位置を 3mm づつ後ろにずらしてみて上昇時のハンドリングを調査してみたところ、テールバラスト4.5リッター 313mm が自分にとっては最もハンドリングが良いことが分かりました。大会中は基本毎日このセッティングでフライトしました。

・事前調査で予想したエリアごとリフト分布の実地調査
 ドナウ川がサーマルを食い尽くす沈下エリアになることが事前調査から想定できましたが、沈下エリアがどの程度広がっているのかが疑問点でした。川は南北に流れており、西寄りの風になると風下になる川の東30kmほどリフトが弱いエリアが広がることが分かりました。逆に、東寄りの風であれば風上になる東側のエリアについては悪いエリアは川から10kmほどの範囲に狭まり、東へ10kmを過ぎればリフトエリアになることが分かりました。(逆に西側の滑空場周辺が悪くなります)。また、もう一本のティサ川はドナウ川ほど悪いエリアは広がっていないことが分かりました。タスクは、ドナウ川のエリアを2-4回渡るようにセットされ、川の近くに旋回点がセットされることもあるため、川を渡る際は悪いエリアを飛び越える必要があり、40km 近いグライドができるように高度を上げることが必要になります。風下から川のそばの旋回点にアプローチしてターンするときはさらにグライド距離が伸びるのでより慎重に行く必要があることが分かりました。

・リフトエントリー時のフラップ・トリム・クライムマキシマイザー操作
5月の合宿時点では一連の操作手順がスムーズでありませんでしたが、帰国後の机上イメトレで頭と体の回路がつながった感じになり、スムーズに一連の操作ができるようになりました。結果クライムは改善されました。フラップの無いDuoDiscusでは出来ていたことを、フラップが付いたことで、フラップ操作に左手が煩わされてしまい、「トリムを合わせて操縦桿に力をかけない状態にすることで操縦桿からの空気を感じやすくする」、という大事なことを忘れていました。

・一人で飛ぶ、自分の判断の練習
先生との合宿の最後のフライトで自分の判断力が弱いことを指摘されました。競技会で人のフライトから技を盗んで練習する、ということをこの数年続けていたので、一人で平野を早く飛ぶための判断が弱く、とくに一人になると安全志向でキープハイしてしまうためです。今回は5日間の練習フライトのうち、2日間は一人で、3日間はガグルで飛ぶ時間と、ガグルから離れて飛ぶ時間をミックスして練習してみました。
一人で飛んでいるときに今まで学んだことを思い返しながらコースを選択してみると、以前のような「コース選択への迷い」が無くなっていることを実感できました。フライト後に他選手と選択したコースを重ねてみても大きな間違いはしていないことからも自分の判断に自信を持てました。また、高度別のマクレディーに応じた速度選択への対応もできるようになりました。
逆に周りに機体が居ることで、盲目的について行ってしまったり、ガグルの判断に疑問を持ちながらもガグルから遅れたくない気持ちでガグルと供に行動し、結果悪い選択をしてしまうことを実感しました。少しガグルと距離を持ちながらガグルの動きを参考にする程度が良いようです。
副次的な効果として低いときのリフト発生し始めの空気の動き、次のバブルの上がってくるのを待つべきかどうかが、より明確に分かるようになってきたことで、一人で低くなってしまったときの心理的な耐性が高まりました。

L/Dを伸ばしたフィニッシュ
タスクのラストクライム目前まで来ている状態で、最後にガグルから遅れてしまい、一人になったときには無駄に弱いところで高度を稼いでしまい、3-5分遅れてしまうことがよくありました。18mクラスのグライドを信じて、無駄に上げずにグライドを伸ばすフィニッシュの練習を後半の3日間は行いました。(これも低くなっても上がり直せる自信ができたことで、低くなっても上がらずに伸ばす練習ができるようになりました)


開会式

開会式は飛行場で行われ、その後エアショーイベントが行われました。ちょうど一週間前にブダペストでレッドブルエアレースが行われており、地元ハンガリーの英雄、レッドブルエアレーサーのピーター・ベゼネイ氏のアクロバット飛行もありました。河村カメラマンは写真撮影にいそしむ中、私はアクロバット飛行を横目に眺めながら、前日までの練習期間中のフライトを見直してのエリア研究にいそしみ、本番への丁度良い準備休養日となりました。


Task1 7/14
2+30 エリアタスク
サーマル予報1800mに対して1300-1500mの不安定なリフトコンディション。
スタート前に上がりきれず、ガグルに誘われて低い高度でのアーリースタートになり、スタートは失敗。上がりづらいコンディションに加えて初日の堅さが出て、第一レグはどっちつかずのフライトになってしまいました。クラウドストリートがレグと交差していてリフトラインを上手く使いこなせなく、速度が出ません。
94.6km/h得点率 73% 18位相当。80% を目指しているのですが、第二レグはタスクがかぶった 20mクラスのセントカ先生とほぼ一緒に飛べていたので自分の操縦、判断は悪くないはずです。スタートに失敗した割には全体では大きな失敗では無いのでよしとしました。

Task2 7/15
400km レーシングタスク。苦手のハイスピードコンディション。
今日も早めのスタートを心がけます。スタートポイントで上手く待機できて第2集団でスタート。
1レグはガグルで上手く飛べていたのですがTP手前でガグルに誘われてオフトラックしすぎてちょっと失敗。
2レグ前半は後ろから来たKawa様ガグルに追いつかれました。後半は積雲が減り、向かい風で、さすがのKawa様も速度が出ません。一緒に飛べていたのですが、最後に上がりで遅れました。(Kawa 様はリフトが弱くなってからの上がりが抜群に違います)
3レグは風向とレグがアラインしていてストリートを上手く使えました。ガグルからは遅れましたが、良い感じで一つ後ろのガグルと合流してドルフィンフライト。
4レグは地元選手をフォロー、ストリートを上手く使って前のガグルを一つ飛び越えて前へ!が、ラストクライムで綺麗に上げきれず、フィニッシュ。速度的にはもうちょっと伸ばせたはずですが、最後が伸びません。
113.9km/h得点率 79.5% あと一歩で 80% です。この数字を毎日超えていきたいところです。14位相当。

Task3 7/16
520km レーシングタスク。
朝起きてみると予報よりは弱そうな空ですが、前日の予報が良かったためオーガナイザーは強気のロングタスクをセット。ウエザーは予報より悪く11:00予定の曳航開始は遅れに遅れ、12:30曳航開始。しかも後から曳航の20m, Openクラスは Task B が発表され、短いタスクに変更。18m クラスのみロングタスク。とはいえ、与えられたタスクでベストを尽くすのが競技会です。以前ならコンディションの悪いなかでのロングタスクに不安・不満を感じていたところですが、むしろ楽しく感じるようになってきました。
曳航が遅れたのでスタートスロットの選択肢はほとんど無く、ゲートオープン後すぐにスタートすることをプラン。第一集団がスタートした1分後(2旋回分の遅れ)に、多くの選手が回っていたメインのガグルに先んじてスタートを切りました(今日はスタートスロットが少なく、ブルー気味のため、巨大なガグルになると予測しました。ガグル内のポジショニングをしやすくするため、早めのスタートを選択しました。)
第一レグはこの作戦が成功でガグルの中の良いポジションをキープできました。
第二レグは遅れて後ろのガグルに飲み込まれますが、私の今の技量では多少遅れることは織り込み済みです。「慌てず、焦らず、あきらめず」。淡々と253km先の第二旋回点へ。レグが長いのでガグルもばらけて途中は一人旅になりました。
旋回点が近くなると、分散したガグルも再度集まり始めます。ガグルから大幅に遅れてしまったかと思ったのですが、結果は思ったより遅れている訳では無く、自分のペースが悪くないことを認識して自信を持つことができました。
第三レグに入り、16:30 で残り 200km ここまで平均速度 100km/hペース。このペースだとフィニッシュタイム予測は 18:30です。明らかにフィニッシュタイムが遅く、通常であればサーマルが終わってしまう時間になり、オーバータスクなのですが、前方の積雲の状況を見るにフィニッシュできる気がするのでインスピレーションに従います(先生のトレーニングでの「直感に聞け、直感を育てろ」です)。4分先の先行集団を遠くに見ながら、自機の近くでは次第に遅れた機体が第2集団を形成し始めました。残り80kmで今日一番のBig cumulus 出現! 雲底は2000m近くに見えます。「絶対フィニッシュするぞ!」と気合いを入れて再度深呼吸してからガグルへエントリー。ラストクライムにちょっと失敗してしまい、第2集団から7分遅れで上がりきり、78km, 2000m L/D 42 のファイナルグライドに入ります。コンピューターは届くと言っていますが、本当に届くのか、この時点ではまだ自信が持てませんでした。2014年のポーランド選手権day3での同じ状況でフィニッシュできなかった失敗の反省がここで生きました。前半は慎重に best L/D でグライドさせると、静穏大気中を L/D 47 で飛ぶことができました。「ASG29のグライドはすごい!」18:41 に無事にフィニッシュ!
101.0km/h得点率 85% 15位相当。最後のクライムで遅れなければ 7分早くフィニッシュ出来、88%が出せたのがちょっと残念でしたが、アーリースタート作戦が成功しました。

Task4 7/17
2+30 エリアタスク。
前日にウエザーの予報に対してオーバータスクを出してしまった反省からか、オーガナイザーもタスクを見直し、今日はショートタスクになりました。高気圧がさらに勢力を増し、上空まで空気が暖まりきってしまっていて、サーマルのスタートするトリガーテンプは34度。地上気温がトリガーテンプにあがるまでは今日も曳航待ち。結局前日と同じく12:30曳航開始。
14:30 をターゲットスタートタイムにプランして、第一集団のガグルがスタートしたところで、第二集団のガグルを構成していた機体と一緒にスタート。
第一レグ は高速コンディションなのでガグルを使いながらフライト。今日は昨日ほどフライトの調子が上がりません。機体の姿勢がイマイチなのか上がりが悪く、次々に後続のガグルへ追いつかれます、ので、無理に一人で飛ばず、遅れても良いので確実なフィニッシュ狙いの作戦に。
ここでガグルの相手機を見過ぎていることに気がつき、再度視野を広く、全体の中に相手機を捉える形で視点の置き方を見なおしてみたら姿勢維持が回復(泣)!調子が復活したところで自分の判断を試したくなり、試してみてちょっと失敗。
116.98km/h 得点率84.5%18位相当。当初プラン通りガグルとフィニッシュしていればあと3分早くフィニッシュ出来、3% up できました。でも調子がイマイチと感じながらのフライトで得点率84%は今まで無かったことなのでこれは良い傾向です。


Task5 7/18 キャンセル
2+30 エリアタスク
前日よりさらに高気圧に覆われ、さらに温度が上がらないとサーマルがトリガーしないコンディションになりました。すでに相当暑いのですが、トリガーテンプまではなかなか温度が上がりません。前日は機体のところで曳航待ちして暑い思いをしたので、今日はキャンプサイトの涼しいところで待機。やっとトリガーテンプまで上がって、曳航開始がアナウンスされたら西から巨大サンダーストームが接近。曳航順が最初の組はストームのガストフロントで上昇できましたが、最終列の私の時は上空がすべて雲に覆われてしまい、まったく大気の動き無し。同じ列の機体は曳航キャンセルする有様です。なすすべなく着陸したところで競技キャンセルがアナウンスされました。ストームを警戒してトレーラーに片付けたところで丁度ストームが襲来しました。


4日間競技が成立したところで翌日 7/19 はレストデーとなりました。

ここまででトータル 得点率 83.9% 総合13位相当
デイリーでは 14位が最高成績なので、たまたま失点が少なかった私が13位になっているだけです。実際 12- 18位は差が詰まっていてほとんど得点差がありません。順位は素直にうれしいですがあくまで得点率をあげていくことにフォーカスする目標設定を再確認しました。レストデーに前半のレビューをして後半に備えました。

前半の改善点
・離脱後のクライム(リフトが弱いときのクライム)が遅い。スタートゲートオープンには間に合っているが、サーマルが弱い中でも、他のパイロットは皆さんクライムが早く、スタートポジションに入ります(18mクラスは毎日曳航順が一番目なのでリフトの弱いうちに曳航を開始されます)。スタートポジションに早く入れれば、戦術の選択肢が増えます。
・ガグルで相手が気になりすぎて視野が狭くなり、挙動が不安定になってしまいました。もっと全体を見る(普段練習生に対して言っていることです、ストレスがかかるとインストラクターレベルでもこんなものです)
・エントリー1周目のセンタリングが遅い

上手く行っている点
・低くなっても落ち着けている
・状況が悪くても悲観的にならず、状況を常にポジティブに、淡々ととらえられている。(サッカーで言うところのゴールが入らないときに、柿谷選手のように一喜一憂して悔しがるのでは無く、メッシのように淡々ととらえる。)
・体のリカバリーが呼吸法で上手く行っている
・ガグルから少し遅れたときの方が自分のペースを上手く保てている
・選ぶべきルートが見えるようになった。ので、ガグルから遅れてもあわてないですむ(セントカ先生との特訓成果。)
・タスクフライト中のクライムは他の人と同レートになってきた、でもまだグライドは追いつけてない

・トリムをサーマルエンターの際に使えてきて、とても良くなっている、ただ、引きすぎて速度を抜きすぎないように。