2014/08/10

TEAM MARU 写真館 【世界選手権大会Day8】

大会11日目。競技Day8。
今日のタスクが発表されました。
http://www.wgc2014.hb.pl/wyniki/18m/487_18m_tsk.htm
今日もRT(レーシング・タスク)。
旋回点座標が半径500mの極小円に設定された、
ごく単純なスピードタスクです。
11時半に曳航開始。
丸山は2列目と早めの発航。
スタートゲートがオープンするのは13時くらいでしょうか。

前日Day7は気象条件がやや微妙で全般的にサーマルが弱い日であったことが逆に丸山の追い風になっていた、と言えます。

これが、条件バリバリになると、彼ら欧州勢は信じられないドルフィンで果てしなく真っ直ぐグライドしていくそうです。

グライダーで言うドルフィンとは、高速の巡航スピードで前のめりに突っ込みながら、上昇気流のあるところでは機首上げのモーメントをかけるような動きをいいます。イルカが海面上にジャンプしたり、潜ったりする様子に似ています。

運動エネルギーを位置エネルギーに変える操作を、上昇気流のある所で行うことでさらに効果的に高度を得ながら巡航するのです。

欧州の若手はこのドルフィンに天賦の才があるのでは? と思えるほど信じられないフライトをするそうです。300kmを一度も旋回しないで周回してきた、という話も聞きます。もう「旋回したら負け」という時代がすぐそこに来ています。

ではどう空を見て、どうルートを選び、どんな風にグライドすればいいのか。水をどれだけ積み、どう操縦したら彼らについていけるのか。それを今、丸山は大会に参加することで学んでいます。

今、日本で学べることだけが、グライダーの全てではないかもしれません。そして今、日本で常識と言われていることが常識とは限らないかもしれません。

丸山が今立っている場所は、知識と経験の宝庫です。
さあ今日は、どんな戦いになるでしょう?
行ってきます。

Day8 競技機が曳航されていきます。

丸山機も飛び立ちました。


佐々木クルーより画像転送。
15m、18m、オープンクラスの今日のタスクを重ねたものです。

いずれのクラスも3つの旋回点を結ぶ四角いタスクであることがわかります。これまでは天候上の理由で滑空場の西側エリアばかりで競技が行われていましたが、今日は滑空場の東側にも足を伸ばす設定です。

丸山のトラッキングデータ、みなさんみていますか?
http://bit.ly/1s11BFB
今日の丸山も順調です。
既に第2旋回点をクリアしています。

もうひとつ、大会側の公式トラッキングデータはコチラ↓
http://live.way.aero/wgc_leszno_2014/

当日、無作為に選ばれた15機がGPSを積んでいます。でも今日はオープンクラスの機体が選ばれているので、丸山達とはやや違うところを飛んでいます。

でもこの分で行くと、3クラスとも一気にゴールしてきそうです。



















学生クルーの大熊君。競技2日目に入り、いろんな場面で活躍しています。写真はテールに水バラストを注入しているところです。主翼にバラストを積むことで崩れてしまう重心位置を補正するのです。 





























水バラストは積んだまま着陸すると着陸速度が速くなって操作がシビアになる上に、慣性の問題で機体を壊しやすくなるので上空で放出して降りてきます。この日のように条件のいい時はゴール直前まで水バラストを放出せずに帰ってくるので、ゴール時は水バラストシャワーの嵐になります。なかなか気持ちのいいシャワーです。


オープンクラスの機体の水バラスト放出。片翼だけで5か所くらいから放出されていますね。



もちろん、テールの水バラストも一緒に放出します。こちらはDiana-2という機体です。15mクラスですね。







結果をお知らせします。グライダーの競技は平均速度で争われますが、丸山は324.6kmのタスクを飛んで平均速度120.3km/h。2時間41分ほどでゴールしました。
これに対しデイリートップの平均速度は137.9km/h。2時間21分ほどでゴールしています。
トップの741点に対し丸山は552点。トップが短い時間(3時間、ないしは250km以下のタスク)でゴールしたために、最大得点が1000点から減らされてしまいます。これは日毎のタスクの天候による公平性を保つためにルールで定められている仕様です。

丸山自身の得点率は74.5%。目標の80%には届きませんでした。これをクリアするにはあと4分ほどのタイム短縮が必要です。

http://www.wgc2014.hb.pl/wyniki/18m/487_18m.htm

どうやら第2旋回点から第3旋回点へと続く第三レグ116kmの平均速度が遅かったらしく、ここでオンコースの南側をまわった丸山は高度を落とし、北側を通ったグループに遅れをとりました。詳しくはまた別途お知らせしますが、一瞬の判断で結果が大きく変わってしまったようです。そして、サーマルが強い日の戦い方に課題が残った日でもありました。欧州勢にドルフィンで差をつけられないように飛ぶのは本当に難しいのだそうです。このあたり、今大会中にどんどん吸収して行けたらな、と思います。この感覚を掴んでいけば、日本でのクロスカントリー距離もまた伸びていくのでは、と思います。



チームメンバーの小倉さんと高木さんが合流したので夕ご飯はバーベキューとなりました。ポーランドの日没は遅く、8時でもまだこんな明るさです。
この日は赤石リーダーが腕によりを掛けて鳥の丸焼きをつくってくれました。これが、ほっぺたが落ちそうなほど美味しいです。でもこちらのお肉はとにかく安く、これで400円くらいです。
佐々木クルーはBBQの焼き焼き係。競技前半に参加していた川島チームマネージャーの助言を守り、全ての野菜を丸焼きにしています。これもめちゃめちゃ美味しいです。レンガでドーム状になったBBQグリルは熱のまわり方が優しく、あらゆる食材が焦げずに柔らかく焼き上がります。




































文・写真 河村











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