2018/06/09

世界選手権開催地変更 Hosin

7月28日から開催される世界選手権の開催地が変更になりました。すでに開催2ヶ月前ですが、開催地との調整に課題が発生し、開催地がチェコ国内で変更になりました。新しい開催地は Hosin 飛行場になります。開催予定地だった Pribram 飛行場から南東に80km、首都プラハからは1時間40分ほどの距離です。


チェコ南部で最も大きな都市、チェスケー・ブデヨビツの町の隣になります。

丁度練習のためチェコ選手権でTaborの町に滞在している最中に変更が発表されました。競技フライトを終えて、着陸したら開催地変更のメールが入っていて仰天。オーガナイザーに状況を確認したところ申し訳ないがその通りだとのこと。すかさずレンタルハウスを探して予約を入れました。5分差でフランスチームよりも先にブッキングできたようです。

チェコ選手権の天気の悪いタスクキャンセルの日に早速下見に行ってきました。まだ、開催地変更が発表されて3日目、一番乗りだろうと思っていたらすでにドイツチームが3機合宿していました!



どのチームも動きが素早いです。私も着々と準備を進めていきます。
大会ページも Pribram のロゴから Hosin のロゴに置き換えられました。

2018/05/22

2018 LXnavigation Cup 振り返り、2018 チェコナショナル目標設定


2018年夏にチェコ共和国で開催されるグライダー世界選手権に向けた練習の一環として、5月連休は2018/4/29 – 5/5 の1週間でハンガリー Szatymaz(シャティマ)飛行場で開催された LX Navigation Cup 2018 に参加して練習してきました。

練習の背景
国内では板倉滑空場をホームとして練習しています。国内練習で出来る部分と、出来ない部分があるので、練習目標に応じて練習場所(国内、海外)を使い分けています。

国内練習で出来る部分
・上昇気流に対する操縦感覚醸成
・空の判断の感覚醸成(ここで上がるべき、まだ前に出ても大丈夫、そろそろ上がらないとやばい、帰りはじめるタイミングか、など)

国内練習で出来ない部分
・高速コンディションでのクルーズトレーニング(コース選択、雲選択、強いところでより強い部分を探す練習)
・他のパイロットとの比較
・自分のこと(フライト)だけに集中しての練習
・競技会同型機での練習

国内練習について
今年はLS8を復帰させて、国内で練習出来る部分(空中感覚、コンディション変化の判断に関する部分)は3-4月に10フライト、25時間ほど実施しました。今年の春はクロスカントリーコンディションにはそれほどではありませんでしたが、上記2点の感覚を回復するための条件としては十分でした。

ホームの滑空場だとチーフインストラクターとしての役割が有り、様々なクラブマネージメントのタスクが有り、といったことで、どうしても自分のフライトに集中できない要因があります。自分のことだけに集中できる環境に自分をおくことで、一日中自分自身に集中して考えることができます。お金はかかりますが、自分自身を向上させるための必要な投資です。


競技会を練習に利用するメリット
・他のパイロットとの比較、同一コンディションでの比較
・(とくに今回のようなシビアでない競技会の場合)他のパイロットとのフライト後の意見交換、相談したり、アドバイスをもらえたり、その中でトモダチを増やしたり、情報交換したり)

競技会を練習に利用するデメリット
・ガグルに引っ張られるだけのフライトだけをしてしまうと、自分の判断の練習にならない、ので、ガグルを利用するタイミングと、自己判断部分を分ける必要があります。

上記のメリット・デメリットを理解した上で、前日の課題を整理して、毎日何を課題に練習をするかを考えています。


LXCupでの練習の目的
1. クライムレートのさらなる改善、自分のフィーリングでのクライム(ガグルで他機を気にしすぎない)、あがりきる
2. 判断ポイントの明確化
3. 成功しても淡々と
4. ポジティブに判断
5. 失敗を恐れずに極力自分の判断を試してみる(ガグルに引っ張られる、ガグルを追いかけるだけのフライトにならないようにする)
6. 悪いときにはとにかくフィニッシュ
7. AATプラス15分を守る、自分の判断で AAT を回る
8. クルーズ速度 160k/h 以上をキープ(高速コンディションでの飛び方)
9. 競技特有のオペレーションのブラッシュアップ(フライトコンピューター、タスクフライトなど)


目標に対する結果

1. クライムレートのさらなる改善、自分のフィーリングでのクライム(ガグルで他機を気にしすぎない)、あがりきる

昨年より改善はされているが、まだ改善要の部分がある。

改善された点
・ばたつかなくなった
・上がりが遅れたときに焦らなくなった
・追いつけるときもある(ブローに上手くあわせられるとき)
・一人で積極的に良いコアをサーチ

他のパイロットから頂いたアドバイス
a. 重心位置を最適な位置にあわせる
b. 速度、満タンなら 105 – 110km/h くらい。抜きすぎない。フラップ +4 でセンタリング( +5 はホントに安定してから)
c. 翼を綺麗に保つ。毎サーマル旋回毎にバグワイパーをかける(私の場合、一日のフライトで2回くらい。ファイナルグライド前と、途中一回)。翼が汚れると上がりは悪くなる、フィーリングも悪くなる
最終日、水を全部抜いたコンディションではほぼ同じように飛べていたので、重いときにクライムレートをあわせられるように、少し抜いてみる、抜いてみる際にテールダンプレートを変更するためのバルブを利用する


2. 判断ポイントの明確化
ブルーの時は地面だけ見ているのでかなり明確に出来ている。
積雲AATで風向(クラウドストリート)とレグが重なっていないときに、雲ばかり見てしまうので、ストリートからストリートへの渡り(上空でストリートを見たときに地面とどう対応しているのかを立体的にイメージできてない)、要改善点

3. 成功しても淡々と
これは出来ている

4. ポジティブに判断
これも出来ている

5. 失敗を恐れずに極力自分の判断を試してみる(ガグルに引っ張られる、ガグルを追いかけるだけのフライトにならないようにする)

今回は極力ガグルに引っ張られるだけのフライトをしないように、自分の判断でスタートタイミングを決めていました。

6. 悪いときにはとにかくフィニッシュ

これも出来ている。(簡単にあきらめなくなった、低くなったときに落ち着いている(汗をかいたり、焦って見る範囲が狭くなったり)が減って、慎重に地面を観察して次のトリガーを探せている。低くなっても降りなくなった

7. AATプラス15分を守る、自分の判断で AAT を回る
弱いときは+10分でも ok(そのまま入れる)、強いとき(ストリート)は+15分


8. Mc 切替を前の空を見て適切に、Mc にあわせた速度選択(クルーズ速度 160km/hをキープ)(高速コンディションでの飛び方)

task2, task4で試したが不十分。次のチェコ選手権でもっとトライする

9. 競技特有のオペレーションのブラッシュアップ(フライトコンピューター、タスクフライトなど)

ここは大枠問題なし。


今回の気づき
・振り返りの実施スケジュール 
 フライトした後は夕食、帰宅、シャワー、充電、でフライト振り返りはせずにすぐに就寝する(疲れた頭で考えない、考えたまま寝る体勢に入らない)

 翌日朝 機体準備後、ブリーフィングまで(9:00-10:00)の時間で振り返りを実施
 朝のクリアな頭で、限られた時間の中で振り返りを実施、振り返った内容を当日のフライトに生かす

・スケジュール改善点:
 夜就寝前に瞑想を行う。昨年は朝起床後に瞑想を行っていたが、今年は機体準備の都合と、ストレスが少なく感じて居た(リラックスして参加できていた)ため、瞑想しなくても大丈夫と思い、瞑想していなかった。結果、task6の日に疲れを感じていた(当日は天候不良でタスクキャンセル、昼寝実施)、task7のフライトで上手く行ったことからアドレナリンでまくりで夜なかなか寝られなかった。瞑想を定期的に行うことでリラックス、回復を習慣づける



上記を踏まえた次(チェコナショナル選手権)の目標設定

フライトレビューシート チェコナショナル選手権

1. 弱い条件でのクライムレート(フラップ4)。自分のフィーリングを大切にする。あがりきる。広い範囲を見る(狭い範囲を見ていると気がついたら深呼吸して視野をチェンジ)

2. 判断ポイントを明確に、根拠明確に迷わず決める。とはいえ、決めた判断にとらわれすぎない。空はすぐに変わる。一つの案に固執せず更新し続ける

3. 成功したら、一度喜んで、その後は、たんたんと次へ(油断しない、気を大きく持たない)。判断にポジティブを保つ。失敗したとき、切り替える(失敗を引きずらない)。

4. 高いところを飛ぶ(下げずに飛ぶ)

5. 自分の判断を試してみる(失敗を恐れず判断してみる。失敗を恐れすぎると成長につながらない。リスクマネージしすぎるとどっちつかずになる。
悪条件時はリスクマネージ、だが、ガグルが明らかに間違えた判断をしたときにガグルをフォローしない判断をしてみる)

6. コンディションの悪いとき、悪くなるときはとにかくフィニッシュする。あきらめずにすべての方法を試す。早めのギアチェンジをする。今が良いからと先を安易に考えない。とはいえ、ギアを下げすぎる傾向があるので、ギアを上げるときはあげる

7. AATプラス15分を守る、自分の判断で AAT を回る

8. Mc 切替を前の空を見て適切に、Mc にあわせた速度選択(クルーズ速度 160km/h 以上キープ)

9. 強い条件でのさらなるクライムの探求。ハイスピード条件でのコースどり、ドルフィンの改善

10. バグワイパー 毎旋回翼を綺麗にする

本戦では結果を出すためには失敗しないようにコンサバティブに飛びますが、5月末からのチェコナショナル選手権も練習のための参加なので、結果にとらわれず、失敗を恐れずに、練習としてプラスになる様なチャレンジをする練習にしたいと思っています。

日々のフライト


4/29 Task1
天候不十分でタスクキャンセル。キャンセル後フリーフライト。
コンディション改善したのでタスクフライト実施。積雲コンディション
1st レグは ok ,
1st sector が鈍角になってしまったので、鋭角に
最終セクター ウエザーが下り坂だったのであきらめてしまったが滑走路に戻ってから湖の海陸風前線的なリフトで上昇。タスクコンプリートに向けてどんなときでもあきらめずにチャンスを最後まで探す

4/30 Task2
2:30 AAT 95.7km/h 74.4%
積雲コンディション ガグルを意識しないでソロでフライト
1st leg ok
2nd leg コンディションの弱い(ウエットな)エリアを一人で飛んでしまい、下げてしまいタイムロス
3rd レグで再度下げてしまいタイムロス

5/1 Task3
2hエリアタスク。73km/h 71.4%
ブルー 

この日もあえて単独スタート
結果的にはブルーで速度が出ないのでガグルと一緒になるがガグルに遅れる。
水バラストマネージメントが悪い こういったコンディションなら全部ダンプ(150km/h程度のクルーズ)

5/2 Task4
2:45 エリアタスク 98.55km/h 83.8% 
積雲一部ブルー
東へ行って北に行く初めてのエリア 地形を観察して、2ndレグで川がトリガーになると想定
この日もガグルは気にせずにスタートしたが結果的にはガグルと同じタイミングでスタート
2nd レグ、地面の川からトリガーされるラインを選択して飛ぶがタイミングがあわず、下げてしまうことでタイムロス
なんとか回復してフィニッシュ(下げてから必ずあげられるようにはなっているのだが、下げないように高いところのキープが出来てない)

5/3 task5
2:30 エリアタスク 89.79km/h 65.5%
前日と同じく北東側のタスク ブルーから次第にトップが下がっていくブルー
この日もスタートは単独を心がけたが結果的には大ガクル
2nd エリアまではガグルを利用して順調
3rdレグでガグルから遅れた際に、後続ガグルと合流するか、単独サーチかを考えて、チャレンジが課題なので単独を選択、見事に外して、300mから上げ直す羽目に。85%位は行くはずだったが、練習なので仕方ない。
本番ではブルーガグル弱い日はとにかくガグルでリスクマネージメントするが、練習過程ではトライ、トライ。
とにかく降りなくなったことは自信を持って良い(0.1m/sから上がり直せる)

5/4 task6
コンディションイマイチでキャンセル。体調も疲れてきている
忘れ物するようになった

5/5 task7
2:30 エリアタスク 81.5%
最終日、ブルー、弱い。この日も単独スタート、結果的にガグル。
途中ガグルの前に出てトライ。終盤はフィニッシュを心がけてガグルリーダーだけを利用するようにしてガグルの中での良いポジショニングをとるようにした。
降りなくなったし、クライムは同等


2018/04/23

2018年 TEAM MARU 世界選手権エントリー 今年のトレーニングプラン

2018年第35回世界選手権(チェコ共和国 プシーブラム)へのエントリーが完了しました。18m クラスに出場予定です

世界選手権ホームページ エントリーリスト
日本滑空協会 世界選手権エントリーのお知らせ

チェコでの世界選手権への日本からのエントリーは私一人になります。(市川さんはポーランドで開催される世界選手権スタンダードクラスに出場されます)。私にとっては4回目の世界選手権です。

大会スケジュール

7/21-24        非公式練習日
7/25-27        公式練習日
7/27             公式ブリーフィング
7/27             ウエルカムパーティ
7/28             エアショー、開会式
7/29 - 8/11   競技期間
8/11             フェアウエルパーティ
8/12              閉会式

機体はオランダのオーナーから ASG29E を借りられる予定です。

TEAM MARU は 7/21(土)日本発、ミュンヘンで一泊して、7/22(日)現地入り、機体オーナーに機体を運んでいただけるので現地で機体受け取って準備開始予定です。

クルーは練習期間中は慣れた福崎さん、競技期間中は前半をSoaristリーダーの吉岡さん、後半を最近関東平野をクラブクラスグライダーで飛び回る期待の若手パイロット市岡さんに来ていただける予定です。

福崎さん、2008年, 2012年,13年,14年 と私のヘルプにいつも来てくれる頼れる友


吉岡さん

飛びまくりの市岡さん https://www.onlinecontest.org/olc-2.0/gliding/flightbook.html?sp=2018&st=olcp&rt=olc&pi=55194
競技期間中に「飛んでる」二人から地上サポートをしていただけるのは大変助かります。滑走路を見下ろす丘の上のホテルの屋上に日本基地を設置予定で、ここからインターネットと無線を使って情報サポートをしていただく予定です。

リーダーも参加、チームシェフを担当くださるHaruyoさん、今年も参加戴けます。毎日の食事が充実して大変助かります。
リーダーとHaruyo


2018年トレーニングスケジュール

3月半ばからホームの板倉滑空場で自分のフライトを開始しました。今シーズンの日本のソアリングコンディションは例年に比べるとクロスカントリーの点ではイマイチでしたが、ソアリングコンディションとしてはまずまずになりましたので、計8フライト、25時間のフライトができました。4年振りにLS8を稼働させ、毎フライト100リッター前後の水バラスト搭載で、ハンドリングしづらい中でのソアリング感覚を思い出すのに良い練習ができました。(昨年は事前練習が不十分でフライト感覚を思い出すまで時間がかかったことへの対策です)

高速コンディションでかっ飛ばす練習は出来ませんでしたので、これは今後の練習で確かめたいと思います

4月下旬~6月は海外レースで2回練習します。(2回とも一人で参加)。自分の練習だけに集中できる環境、時間を確保できることは有意義なことです。

LX Cup Szatymaz 2018 (4/29-5/5)
 昨年も参加したハンガリーでのフレンドリーコンペです。まずはコンペの感覚、コンペの飛び方、ツールの使い方をブラッシュアップするのが目的です。
 機体はスロベニアのLXNAV社からASG29Eを借りる予定なので、陸送は 500km くらいで運べそうです。クルーは現地の方をアレンジしていただけました

Czech Nationals Championship 2018 (Plachtarske mistrovstvi Ceske republiky (5/27-6/9)
 世界選手権会場のPribram の南東60km くらいのところで開催されるチェコ国内選手権です。大会前の仕上げの練習を行おうと思います。機体は本戦で使う機体をオランダのオーナーに運んで戴けることになりました。
 チェコ選手権もこれで3度目になります。こちらもクルーは現地の方をアレンジしていただけました。


2018/02/20

パラレルジャーナル様の取材を受けました


パラレルジャーナル様の取材を受けました。私の場合は本業のお仕事(IT関係)と、グライダーレースへのチャレンジ、普段フライトしているグライダークラブのチーフインストラクターとクラブマネージメント、グライダースポーツ統括団体の理事としての活動と、4つのやりたいことをパラレルにこなしています。

記事のリンクはこちらから↓

やりたいことがあれば挑戦すべき!―世界大会出場のサラリーマン・グライダーパイロットが実践する仕事と夢の両立

グライダー以外の写真が無い!ということで、扉の写真はTEAM MARU 公式カメラマンの河村さんに急遽撮影していただきました。河村さん、いつもありがとうございます。

2018/02/18

滑空スポーツ講習会 札幌にてセミナーします 


3月10日午後に札幌で日本滑空協会主催の滑空スポーツ講習会のセミナー講師を担当します。
テーマは「ソアリングそしてクロスカントリー ステップアップを自ら考えるパイロットになるためには?」です
グライダーって正直上達が結構難しいスポーツだと思います。そんな中、どうやって楽しく自ら上達ことができるかを考えたいと思います。
当日は北海道航空協会の総会後にセミナーを行う予定になっています。

お申し込みはこちらからお願いします。

http://www.japan-soaring.or.jp/2017-3-10/

申込フォーム内で当日のセミナーのQAも募集しています。普段疑問に思っていること、悩んでいること、記載いただけましたらセミナーの内容に使わせていただきたいと思います。

北海道の皆さんとお話しできるの楽しみにしています!


2018/02/01

操縦教育のイノベーション その2

前回「操縦教育のイノベーション その1」からの続きです



2. イメージ 現在の自分が持っているイメージ 正しいイメージ ギャップは?

フライトを始めるにあたり「今までグライダーの操縦にどのようなイメージを持たれていましたか?」フライトが終わった後に「今のフライトでどのようにそのイメージが変わりましたか?」と問いかけをしました。「もっとすぱっと動くと思っていたが、思っていた以上にゆっくり(タイムラグがあって)動くことが分かりました」「また、思っていたより、小さな操作で動くことが分かりました(もっと大きな操作が必要だと思っていました)」とのこと。

とても良い点に気がついていると思います。人間は自分が持っているイメージで判断をします。イメージが間違えてインプットされていると、間違った判断をします。また、出来上がってしまったイメージの作り直しはとても工数がかかります。間違ったイメージが固定化(長期記憶化)する前に、イメージのギャップを言語化してもらうことで、練習生の思っていること、実際とのギャップを練習生に理解してもらい、イメージに誤りがあると思われるときは正しい方向にイメージを修正(再インストール)していきます。

武井壮さんも語っていましたが、スポーツを上達するためには自分の身体をイメージ通りに動かす練習が必要、と言っています。逆に言えば、多くの人がイメージ通りに体を動かせてない(イメージが間違えている)ということです。

・練習はブリーフィング→デモ→実践→デブリーフィングで行います。また、答えをすぐに与えずに、どう思ったかを問いかけます。問いかけをして、練習生の感じて居ること、考えていることを引き出します。

・理解を押しつけない。(分かった?みたいな聞き方)
 「分かった?」「はい」は、多くの場合分かっていません。
 
 「どう思った?」「どう理解した?説明してみて」「イメージとどうだった?思っていたことと違う部分あった?」と、理解度を説明(言語化)してもらうことで、練習生の理解度がわかります。


3. 十分な正しいデモ→実践→何に気がついたか?気づきを与える問いかけ

初期段階として、まずはピッチを変えた際の見え方の変化(「地平」ではなく「空と地面の大体の割合」)、それに伴う「風切り音の変化」を認識してもらい、最後に確認として「計器の変化」をみてもらいました。

「私の操縦に手を添えて、足を添えて、インストラクターがどのくらい動かしているかを感じてください」

「空と地面の割合はどれくらいですか?」
「このときの風切り音を覚えてください」
「これが 95km/h の時の見え方と風切り音です」

「ではピッチを下げてみますね。110km/h まで増速します」
「このときの空と地面の見え方の割合はどれくらいですか?どれくらい変化しましたか?風切り音はどう変わりましたか?」

「では次は 80km/h までピッチを上げます」
「このときの空と地面の見え方の割合はどれくらいですか?どれくらい変化しましたか?風切り音はどう変わりましたか?」

「では95kmh/ に戻します」
「左手でトリムを合わせてみましょう。右手をスティックから離して、、空と地面の景色の見え方の変化はどうなりましたか?風切り音はどう変わりましたか?」
「地面が増えて、風切り音が大きくなっていますね。ではもう一度私の方でピッチを95km/hに戻します。このピッチでもう一度トリム設定してみましょう」
「トリムが合いましたか?では右手を離してみて。。ピッチはどうですか?地面と空の見え方は一定になりましたか?安定して居ますか?風切り音はどうですか?」
「よいですね、これがトリムセットです」
「トリムが合っていれば、ピッチに困ったときに右手を脱力すれば95km/hのピッチに戻ります」
「ピッチが一定するまで少し時間がかかります。待つのがポイントです」

上記をデモで手添えで行い、問いかけをして練習生の認識したことを聴くことで景色の見え方の変化、音の変化、そのときの舵の使い方、ピッチが安定するまで待つこと、トリムの使い方の認識、を行います。デモ実施後は練習生に操縦してもらいます。

「何の変化で感じるのが早いですか?(景色の見え方が早く気がつけます)」
「音はどうですか?(音はその次の感じです)」など。

外を見ることを意識を向けてもらい、速度計は確認程度にします。後席からみて頭が下がっていないか、前方遠方にアイポイントが置かれているか、をチェックします。

今回はピッチコントロール、トリムセットを理解し実践できたところで、2回目のフライトは旋回練習を行いました。
インストラクターマニュアルに習い、以下のプロシージャーで実施します

・バンクはしっかりと30度つける(緩バンクはスピンへのリスクが高まる。)

・最初は持続旋回から行います。バンクが付いているためピッチダウンが起きます。ピッチダウンが起きることを明示的にすることで理解をしてもらい、ピッチを保持する(支える)操作をしてもらいます。この時操縦桿を握りしめてしまっていると「支える」意識が生まれません。握りしめていないと「支える」イメージを持つことが出来ます。

・リフトがある時はリフトにあおられて変化するバンク、ピッチを修正も練習します。バンクが深まるとさらにピッチダウンするので、これを維持させることも良い練習になります。
 「どうなってきた?バンク深くなったね。何が変わった?地面が大きく見える、いいね。音が変わったのに気がついた?気がついたのいいね。まずは直し方のデモをやろう。最初にピッチを支えて、次にバンクを戻してみて、手足一致で動かして、どうなった?」
「じゃあ自分でやってみよう!」

・バンクが深くなってくると、視野がどう変わっているかを問いかけて、狭くなっていることを認識したら、コントロールできるバンクに戻してもらいます。

・練習に集中しすぎると、練習生の上体が前屈みになっていく傾向があります。これは練習生の視野が狭くなっていることを示していますので、声かけをします。
  「リラックス、肩を開いて、背中をシートに着けて、遠くを見て、深呼吸」

・バンク変化に気がつけなくなってきたときも同様です。練習をそのまま続けることはせず、適時リラックスのタイミングを入れます。インストラクターがテイクオーバーして、正しい状態に戻してから練習する、一呼吸深呼吸を入れてみる、など。1フライト10分では練習として短かすぎますが、1時間以上は長すぎて集中力が持続できなくなるため、30分から1時間の間で同じ事の反復練習を行います。(集中力の持続と反復練習のバランスをとる) 

・悪い状態(オーバースピード、オーバーバンク)が継続すると良いイメージは残りません。大きくずれてしまうようであればすぐにインストラクターがテイクオーバーし、正しい状態に戻してから練習生にハンズオーバーした後に練習を再開しましょう。悪いイメージは脳に良くない影響を与えます。また、ネガティブなイメージほど脳に強く記憶されると言います。そのためにも練習生に良いイメージを残すことを心がけます。

・ 着陸後、インストラクターの舵の使い方がどうだったか、今まで自分が持っていたイメージはどうだったか、をデブリーフィングします。 練習生はおそらく、「大きなグライダーなのでもっと大きな舵を使うと思っていました」と答えるでしょう。
    「練習生の持っていたイメージ」と「正しい操縦時のイメージ」の違い認識してもらい「正しいイメージはなにか」を練習生にインストールすることが大事なポイントです。(この例だと舵はそんなに大きく使わない、とか、)

・持続旋回の維持が出来るようになったら停止操作を練習します。
 エルロンとラダーを調和させて停止することを意識してもらいます。またピッチを引っ張りっぱなしのままだと速度抜けになりますので、停止操作とあわせてピッチを戻す(引っ張っていた手を緩めてトリムされている位置にピッチを戻す)ようにします。
 この段階では停止方向はそれほど意識させず、スムーズな停止操作を意識してもらいます。(停止方向にこだわると無理矢理な停止操作となり、手足不一致になります。前を見て、手足一致でコーディネーションが取れた練習を心がけます)

・停止が出来るようになったら初動練習に入ります。(この順番もインストラクターマニュアルの通りです)

・初動練習の開始前に「旋回はエルロンでしますか?ラダーでしますか?」と質問し、練習生の理解を確認します。「ラダーから」と間違って認識している場合はイメージを訂正します。

・ターンはエルロンから入っていくとエルロン抵抗が発生します。そのためエルロン抵抗を打ち消すようにラダーを使うこと、をイメージしてもらいます。このやり方の場合、最初ノーズが旋回逆方向に一度動いてからノーズが回っていきます。そのため慣れてきたら、ノーズが旋回のバンク開始と同じレートで回っていくようにラダーを使っていく、イメージを持つ練習をしていきます。

・地上でブリーフィングした、「右ラダーを踏んだら、左ラダーを戻す」(左を踏みっぱなしにしてたらいくら右を踏んでもラダーが効かない)を認識してもらい、ラダーを操作の練習を行います。

・旋回のアウトサイドウオッチが気になりすぎると、前を見ずにターンして滑った旋回になってしまうので、機首方向を見るように注意を促して滑りの無い操作を心がけてもらいます。(将来的なスピン対策としても重要)

2回目のフライトでここまで出来るようになりました。3000ft離脱、弱い上昇気流があり持続旋回練習で高度が下がらずに練習できたため、2発とも30分づつの練習が出来ました。(板倉滑空場ではまとめての練習を推奨するため、練習生には3000ft以上での練習を推奨しています)

進捗のテンポがとても良かったので、3回目のフライトを誘ってみました。Wさんも手応えを感じていただいていたのか、3回目のフライトを行うことになりました。

3回目は曳航途中から操作を練習生にハンズオーバーしました。インストラクターマニュアルでは航空機曳航は最も最後に練習させる課目(上空課目が出来るようになってから)となっています。ちょっと早いかと思いましたが、上空の進捗が良かったので練習生に実践してもらうことにしました。
曳航機があると、どうしても視野が曳航機だけに集中しがちです。
「絵のようにみて」と声かけすると、練習生は視野が狭まっていったことを感じることが出来、狭まった視野→視野を広げる、の練習ができました(前屈みの体が後ろに戻ったことで視野が広がったことが確認出来ました)。上空操作ができてきたこともあり、視野が広がった後は曳航も安定していました。

 このことから、視野の変化で如何に操縦が出来なくなるかを理解してもらうことできました。

上空では180度切り返し課目を行いました。コーディネーションを高めるために切り返し課目を行い、旋回のコーディネーション力を高めました。また、コーディネーションが良くなってきたので、さらに停止方向も意識するようにしてもらいました。

2018/01/26

操縦教育のイノベーション その1


MARUの野望の一つは操縦教育にイノベーションを起こすことです。年間200人近い大学生がグライダースポーツを始めているのに、継続率は高くありません。傾向として、グライダースポーツを楽しむ、というよりは、団体生活を楽しむことに比重が置かれているので、グライダースポーツ自体を楽しんでいるわけでは無いことは理解しています。とはいえ、もうちょっと早い段階でグライダースポーツを楽しむ・楽しめるようになれれば、もっとグライダーフライト自体を続けてくれる若い人が増えてくれるのではと考えています。他のスポーツでも、楽しくなるまでに時間がかかると辞めてしまう割合が高いと言われ「楽しめるように早く上達させること」を課題に挙げているスポーツ(ゴルフ)もあります。

グライダーも同じタイプのスポーツだと考えており、より早く上達できることでグライダーをもっと楽しめるようになるための教え方を模索しています。これまでも試行錯誤を繰り返し、グライダーインストラクターマニュアルからインスパイアされた内容とコーチング、メンタルトレーニングの考え方の中でトライしたい教え方をあたためていたのですが、今回それを実践する機会に恵まれました。

対象となった練習生はWさん。最近クラブに入会された20代男性で、グライダーはまったくの未経験の方です。学生時代はずっとラグビーをされていたとのことなので、スポーツに対する考え方や捉え方はしっかりされています。気合いと根性だけでスポーツをやっていたわけでなく、自分なりの上達した経験や上達しなかったときの経験を持っています。



今回、以下のポイントを踏まえてWさんとのトレーニングを行ってみました。
  1. 初期教育の重要性(初頭性の法則)
  2. イメージ 現在の自分が持っているイメージ 正しいイメージ ギャップは? 
  3. 十分な正しいデモ→実践→何に気がついたか?気づきを与える問いかけ
  4. 言語化
  5. フェーズにあわせた適切な練習内容(できるまえにやらせてはいけないこと、早い段階からやるべきこと、)
  6. まとめての集中、反復トレーニング
  7. 褒める、自信を持たせる、小さな成功を繰り返す、問いかけて考えさせる、トライさせる
1. 初期教育の重要性

Wさんはまだクラブに入会して1ヶ月、3日目の参加で、飛行経験は航空機曳航で4回です。内1回は一時間ほどの同乗ソアリングをしています。
まだほとんど自分のやり方は無い状態ですので、真っ白なキャンパスに描くように教えることができます。ので、教えたことを素直にそのまま実施されます。自己流になっていない段階であるため、最初に基本を教えると忠実に実施してくれます。
インストラクターマニュアルにも初頭効果の話しが書かれています。最初に正しいことをインプットすること、間違ったイメージをインプットすると正しいイメージを再インストールするのに時間がかかる、と書かれています。

まずは以下の点を説明するプリブリーフィングを実施しました。

a. 視点の持ち方
 櫻井玲子さんの提唱されている「絵を見るようなイメージ」で全体を見ることをイメージしてもらいました。

「xxに注意する」という言い方になると、「xx」に注意がいってしまいます。結果、「点」で物をみるようになってしまうので、点でみるのでは無く、全体を絵で見るように心がけます。また、「xxするな」といった教え方、いわゆるネガティブワード(否定形)での指導は適切でないと言われます。目標設定においても同様で、「xxできるようにする」「xxをするようにする」といったポジティブワードで目標設定します。


櫻井さん資料より引用



ある一部分を指摘しすぎる(例えば速度)と、そこばかりみてしまうので、全体的に捉えさせること、
全体的に捉えているところから、狭いところに意識が集中してしまった場合の差を理解させる、意識させる、というところでしょうか。


b. スティックの持ち方
 「上の方を添えるようなイメージで握ること」を伝えました。
何も言わないと、多くの人がスティックを緊張状態から握りしめてしまいます。ラケットスポーツをしている人であれば、ラケットをどのように持っていたか、ゴルフクラブをどのように持っていたときに上手く打てたか、を伝えます。何故添える程度なのか(舵から伝わる気流の力を感じる為)、握りしめると何故ダメなのか(舵から伝わる気流が感じられなくなる、腕の筋肉の緊張状態から全身の筋肉の緊張状態となり、G変化が感じられなくなる)を理解してもらいいます。スポーツのバックグラウンドがある人だとこのあたりが伝わりやすくなると思います。

c. 舵の動かし方
 スティックの動かし方について、説明しないと右肘を中心の円運動をしてしまうので、結果的に右旋回時にエレベーターを下げる動きが伴いピッチダウン、左旋回時にエレベーターを上げる動きが伴い、ピッチアップします。右肩を中心に動かすイメージで、舵を左右にまっすぐ動かす運動であることを意識してもらいます。

 ラダーの動かし方について、足は手に比べると感覚が相当鈍いので、足を使うスポーツの方が手を動かすスポーツより難しいと言われます。初めて自動車教習所に行った頃に、クラッチ、アクセルが上手く動かせなかったことを思い出してもらいました。また、右を踏んだら、同じだけ左を戻す、股関節で動かすことをイメージしてもらいました。

d. リラックスすること
 最初のフライトで緊張状態になるな、というほうが難しいのですが、緊張状態になるとなにがおきるかを説明しました。
 ・視野が狭まる。緊張状態になると情報を遮断することで処理能力を高める人間の脳の自然な動きであることを理解する。逆に言えば、視野が狭まっている = 緊張状態
 ・筋肉がこわばる = G変化を感じられなくなる

スポーツの素養があると、緊張がグライダーにどのような影響があるか?の説明がしやすくなります。上手く行くとき、上手く行かないときの自分のパターンを知っているからです。
 例 問 ラグビーでゴールキックに失敗するときはどんなときでした?
 答 結果に追われて緊張していて。。 これを決めれば、と思いすぎて。。
 そうですね、人間は緊張状態に入ると、視野が狭くなります。視野が狭くなると、傾きの変化に気がつくのが遅れます。


 自分の経験と、結びつけさせて理解してもらいました。

 舵を握りしめない、とかも、スポーツをやっていると当たり前に受け取ってもらえます


e. 見張り
 アウトサイドウオッチは初期段階から教えています。
 お仕事柄、目の構造には「盲点」見えない場所がある、「中心視」せまい、「中心視野」、「周辺視野」動きを認識できる、は理解されていました。これらの知識を踏まえた上で、なぜスキャンニングが必要か?(盲点、周辺視野をつかって、動いている物体を認識、その後中心視野で認識)を理解してもらいます。スキャンニングを教えるにあたり、目の構造を理解することで、練習生にスキャンニングの重要性を正しく効果的に理解してもらえることと、練習初期から実施することで、「習慣化」させます。

2018/01/14

2017ナミビア合宿 まとめ


2017/11/4 - 10の7日間でナミビア Kiripotib 飛行場で開催された Flying with the champions のキャンプに参加し、世界チャンピオンレベルのコーチとのソアリングトレーニングを実施してきました。

キャンプ前に設定した目標、目標に対する結果
  • チャンピオンのコーチングによる飛行技術向上
    • クライム
      • 弱いコンディション中でのより良いクライム
      • 強いコンディション中での更に強いリフトコアの選択(強いところで安定して上がっているつもりが急にずれる、ブローのような吹き上げで突然姿勢が崩れる)
      • → コントロールがやはりとても丁寧。バンク深すぎても良くない。
    • コース選択
      • 一面の積雲時のコース選択。以前ほどは迷わなくなってきているが、細部を良くしたい
    • グライド
      • ドルフィン プッシュプルの最適化。苦手のハイスピードコンディションの克服
      • → speed commandをもっと活用する、とはいえ、追いかけすぎない。
  • チャンピオンの考え方の吸収
  • → とにかく全部試す。
コーチしていただいた Wolfgang さんとセルフィー

キャンプを通じての気づき

・左右上をよく見てFresh Cu を探している(やはり、私は一度決めるとその雲だけをみてしまっていて、近傍のFresh Cu に目が行かなくなる。常に Fresh Cu を意識する)
・210km/h ではやはり体が硬くなって、トリムだけで飛べるのに、右手に力が入っている。どんなときもトリムで飛んで、リラックスして感じる
・ブルーエリアのグライド時、より小さいな空の変化、傾きの変化に気を遣う。
・Speed commander を使って速度設定、とはいえ、速度を下げすぎない(maru の傾向として下げすぎる)。speed commander で飛ぶことになれていない(やっぱり頭の中が box speed になっている)ので、speed commander を追いかけすぎてしまう(speed command の音を大きめに設定して気がつかせる)。まだリフトに入る前に減速しすぎている。(通り過ぎないようにの意識が強すぎると思う)



・コース選択、迷ったら upwind 側の雲を使う
・deviation(オフトラック)するか、しないか。コンディションが弱ければdeviationする、強ければまっすぐ行く。とにかくいろいろ試してみる。


・雲を最後までサーチする(まだまだ足りない)

・かっ飛び、から前方が悪くなってきた、時に、ペース減速(今までだったらスキップしていたリフトで回るかどうか)。減速できなくて「次がある、次がある」で行ってしまう。ブルーエリアが接近してきたら減速
・Big Cu は良いところを探すのは難しい。small thin Cu の方が探すのが簡単なときがある

・減速をスムーズに(慌てている)。急激に速度を抜いてしまっている。
・プラスエリアに入ったらスピードダウン
・減速時はピッチ、フラップ、トリムの順で。ピッチを戻さずにフラップを先に戻してしまうのは抵抗になるだけ。
・グライドからリフティングしてきたら、もっと感じる、寄せる。「速度ダウンしなければ」、で頭が一杯になっている。速度セット、トリムセット、で右手を緩めて、体全身で感じるようにしよう
・グライドからターンへ、十分な減速をしてからターンしよう(「ターンしなきゃ」、で減速を忘れている)
・旋回時に呼吸が止まっている
・バンクが深すぎると言われました。もうちょっとバンクを緩めて、速度を抜いた方が良いとのこと。

・キャンプ週の後半は30分づつコーチと交代で、集中して自分のフライトをする時間と、コーチのフライトをみる時間、にしてみました。集中しすぎていて、かなり頭が疲れています。

・ファイナルグライドについて 
 最後の上昇率を Mc でセットして出る

  reqE    thE
    tskE   E
   
  reqE : Required glide ratio to target ターゲットへの必要L/D
  E      : The current glide ratio calculated over 3 minutes. Total altitude is taken into account and distance is calculated over one point. (直近3分の L/D)
  thE:  Theoretical glide ratio for given MacCready and head/tail wind. (当該Mc、風での論理的 L/D)
  tskE : tskE shows the required glide ratio to task finish.(タスクフィニッシュまでのL/D)

  この4つのEを見比べる

 参考までに更にもう一つ
  Th.E : The thermal to thermal glide ratio. Calculated from last thermal exit to current thermal entry altitude. Total altitude is taken into account and distance is calculated over one point. サーマル間のL/D

Mc 1.3 + 200m が多くの場合のルール

 グライド中に Netto の数字をみる(20秒平均で出る)
not only in fron of me, top of me, use all sense
feel the air
try to correct, little bit
see netto vario

・LX9000 の Flap Tape は結構便利


Ronald とのフライトでのアドバイス
 最終日はコーチの方が変わり、Ronald Termaat さんにお願いしました。
最終日コーチしていただいた Ronald さんとセルフィー

プリフライトブリーフィング
サーマル旋回半径 80 km/h と 120km/h で倍違う
速度が異なると、センターをずらしたつもりが逆になる

バリオはエネルギーを示す
E = 1/2 mv2 + mgh

速度が変わるとエネルギーは2乗で聞いてくる
高度変化はリニアに聞いてくる
速度一定でエネルギーが増えると言うことは高度が上がったと言うこと
速度は一定に飛ぶ。

フライト後ブリーフィング
リフトエンター時のピッチアップが過大すぎる
グライド中に速度を抜きすぎている(Ronald の場合、180km/h を切らない)
センタリングは出来ている
リフトが +5 → +3 に落ちてきてちゃんと離れられている

サーマルが来たときにリラックスする
fresh cu (メインの雲の手前の)を使う(メインCuを見過ぎていて手前の fresh Cu を見逃している)

Ronald の教え方
手は出さない、コメントのみ、やらせてくれる、褒める、自信つく
デブリーフィングを録音したのは良かった。(Wolfgang との話しも録音すれば良かった)
おかげでなんとなく、次に自分でもやれる気がしてきた。早く来年春のフライトでSCをもっと活用したグライドからのセンタリングを試してみたくなった。
(異なるコーチとみてもらうことの重要性も感じました。
通常はこのキャンプは週半ばでコーチを変更します)


その他
・細かいことをきっちりやるのが苦手な性格が出てしまう(例、速度セット、キャノピーカバーのゴムをかける、など)
・前後席独立の EDS を使っています。個人の好みに応じてフローを調整出来る。使っていて急に EDS の調子が悪くなることもある。(吸い込みでエラーが出て、交換)
・ロストバッケージしていた荷物が到着したことで、置き鍼を試してみた。体の硬くなっていたところが急速に和らいだ。置き鍼最高!!(羽生弓弦選手も使っているらしいです)

フライトログ
・11/4 初日 短めにショートタスク

・11/5 1000km day


・11/6 サンダーストームで フリーフライトで 1000km

・11/7 ショートタスク

・11/8 1000km 
不思議な地形

・11/9  500km 

・11/10 428km


ナミビア紹介

・南緯23度、東経17度のあたり。時差はヨーロッパと同じあたり。夏時間で日本とは -7時間。
・ドイツ、オランダから直行便あり。ヨーロッパの人には非常に来やすい場所になっています。日本からだとヨーロッパで乗り換えるか、中東で乗り換えるか、南アフリカで乗り換えるか。いずれにせよ35時間くらい係ります。
・オペレーションシーズンは11月はじめから1月中旬まで。最盛期は11月4週目からクリスマスくらいまでだそうです。
・日本より赤道に近いので、夏場でも日照時間は日本より短い、オーストラリアよりも短い。
 6時過ぎに日の出、19:15くらいに日没。1000km飛べる予報の日は10:30離陸、11:00スタート。19:00 過ぎにフィニッシュで8時間 平均速度 125km/h。日没後15分まで飛行可能。
大陸全体が heat low

・本当に良い日は平均150km/h で 1250kmタスク

・フライトエリアは東西 500km、南北 500km くらい。隣国ボツワナも良いときは行きます。空域は FL195 まで Glass-G 、一部 TMZ があります。
 
・気温はmax36度くらい。湿度は13%。18%とかの湿度でサンダーストームが増える
東風の日が熱いアフリカ大陸を風が渡ってきて乾燥してトップが高くなる
・シーズン中ナミビアで60機のグライダーが飛ぶ。ほとんど全部がSelf Launch 、ヨーロッパのシーズンオフにコンテナで運び込み、シーズンが終わると持って帰る。60機中40機が1000km飛ぶ位のコンディション
・標高が1400m くらいの台地。雲底は良いときはサーマル・コンバージェンスで5000 - 5500m。高いところを飛ぶので TAS が出る。その分 Vne は低下する。
・オーバースピードでの空中分解が多いようで、ベイルアウトの座学がある。SPOT(衛星位置発信器)を必ず体につけて飛べ(機体に入れていた人が居て、空中分解して機体は見つかったけどベイルアウトした本人が見つかったのは半日後だった)、飛び降りた後に地上で飲むための水を持って飛び降りろ(これを入れておくポケットも頂きました)など。
・アウトランディングは農業用のAir Strip、ドライレイク(乾燥湖、Pan と呼んでいる。窪地の意味。Bitterwaser は大きな Pan の中にある)。原野へは降りられません。
・グライダーオペレーションをしている飛行場は4カ所、最も大きい Bitterwasser は30機、60人くらいの大所帯になるらしいです。
・私が行った Kiripotib は小さめ、それでもArcusM x 9、HpH304 Shark x 2, Antares23E x 2で最大20人くらい。普通のツーリストも訪れる場所です。冬は天体観測とかでも旅行客が来るそうです。 
滑空場全景

・現地人(ドイツ系ナミビア人)がオペレーションしている飛行場付きコテージでオーストリア人がオペレーションしています。(第一次大戦前はドイツ領、その後、イギリス領、南アフリカの一部)。サファリリゾートで生活・食事は快適そのもの。着陸するとラインボーイが冷たい飲み物を持ってきます。
プール

・滑走路は 1800m で東西。平行して道路が走っていて、エンジン停止時のアウトランディングも安全。標高が高い、かつ最大離陸重量、高温、で上がるので離陸まで 1000m以上かかる。横風用に南北の滑走路も有り。
東西のメイン滑走路、平行して道路がエンジンフェイル時の不時着場(北から南に向かって撮影)
よほど強い背風で無い限りは基本東向きにランディング。太陽を背にして降りる。head sunshine だと見えないため。日没時に西に向かって降りる必要があるときは日没を待ってから降りる(日没後15分まで飛行可能)


・積雲が多いが、ブルーの時もあります。予報は topmeteo の予報で、かなり制度高く当たります(積雲・ブルーの分布、トップ予報、リフトの強さなど)。topmeteo の予報で 1000km day は10:30スタートです。
1000km予報の日 全面エリア赤色予報

seeyou に topmeteo と重ねる機能があります。良いエリアでタスクを組み、タスクシート上で想定平均速度、TP通過時間、フィニッシュ予想タイムも表示されるので、タスクシートを印刷して、シート上の時間とにらめっこしながら飛びます


・サンダーストーム予報の日は警戒してあまり長距離は飛びません。
全エリアサンダーストーム

・予報が弱い日(500-700km程度)はブレークスルーする時間が遅い、(14:00スタート)、終わりが覆われてしまって早い、などがあります。それでも平均速度は120km/h は出ます。
・空港まで迎えが来て、飛行場まで送迎付きなので、現地の生活、治安などはほとんど分からないまま(言質現金への換金不要)。生活は全部コテージの中で済みます。
・スケジュール
 6:30 起床、ストレッチと前日の反省。
 8:00 朝食
 9:00 全体ブリーフィング
 10:00  離陸準備(1000kmの日)
 10:30  離陸(1000kmの日)
 19:00 着陸
 19:30 夕食
 21:30 就寝
朝のブリーフィング。前日のレビュー、学べた点と目標設定を自ら発表します。コーチング的アプローチですね

・11:00 top 3000m でスタート(対地1600m)、12:00過ぎまでは top 3000m のまま、対地1000m - 1600m でクルーズ。12:00 過ぎれば大体ブレークスルーして、4000m, 5000m とトップがあがる。アウトランディングはそれほど想定していない(高いところを飛ぶ)。マクレディーのスピードコマンド通りにVne まで出してかっ飛ばす。17:30 を過ぎるとリフトが弱まり始めて、18:30を過ぎるとリフトが終わるので、18:30 前に final glide (18:00前に入れる感じ)

2017/12/31

2017プレグライダー世界選手権大会 パイロットレポート 全体を通じて


2017年のプレ大会(チェコ選手権)全体を纏めてみました。

チャレンジできた日を青、チャレンジできなかった日を赤、チャレンジしたけど結果的に上手く行かなかった日をオレンジにしてみました

6/25 day1 cancel

6/26 day2 Task2 2.5h AAT11位 106.4km/h 83% winner 118.2km/h 
自分の判断で飛べた

6/27 day3 rain

6/28 day4 Task4 cancel
離脱直後の悪いタイミングを根拠と自信を持って上手く乗り切れたので、自信が持てた。

6/29 day5 rain

6/30 day6 Task4 2h AAT 10位 101.6km/h 79% winner 115.9km/h 
スタートエリアがサンダーストームでサーマルの無い難しい日。スタートが難しく失敗したかと思ったが、1st leg でチャレンジして回復。2nd leg は超順調。3rd leg でチャレンジできず。チャンレンジの勇気がたりなかった

7/01 day7 Task5 2.5h AAT 6位 74.8km/h 81% winner 90.43km/h 
スタート成功するも、3rd leg で遅れたあとはチャレンジ。チャレンジが上手く行き、追いついてからも最終レグでガグルと分かれて自分の判断でチャレンジできた(この日はチャレンジシール利用)

7/02 day8 Task6 2.5h AAT 13位 54% winner 74.4km/h 
前半悪いコンディションでものすごくチャレンジ。チャレンジが上手く行くしかし、チャレンジしすぎでフル回転で頭を使ったところで疲れで気が緩んでしまい、最終レグではチャレンジできなかった(安易な道を選んで失敗)この日は「まず落ち着け」シールを利用)

7/03 day9 Task7 263km 15位 123.5km/h 71% winner 144.6km/h 
チャレンジしたがクライムしきれず。高度が低くてあがりきれず、速度が出ない結果的失敗日。苦手の高速レース

7/04 day10 cancel(上層雲がエリアをカバー)

7/05 day11 Task9 3.5h AAT 5位 119km/h 90% winner 125.5 km/h 
QZフォローチャレンジ上手く行った

7/06 day12 Task10 3h AAT 12位 98km/h 60% winner 126km/h 
エリア選択が結果的に悪かった。根拠もって判断したが外れの判断、仕方ない日(bad day)

7/07 day13 cancel(前線通過強風)

チャレンジして、チャレンジできず。再度心を入れ直してチャレンジして上手く行った。チャレンジしすぎて最後に疲労してしまいチャレンジできず。チャレンジしても苦手コンディションの日で上手く行かず。再度チャレンジ、上手く行った、最後の日は判断したけど仕方なかった、といった感じで、チャレンジと、未チャレンジ、チャレンジしたけどうまくいかず、を繰り返した日々でした。
とはいえ、チャレンジしたことで、良い傾向が見えてきました。大会前の目標設定でも、

行動目標5. 自分の判断を試してみる(悪条件時はリスクマネージ、だが、ガグルが明らかに間違えた判断をしたときにガグルをフォローしない判断をしてみる)

を設定していたので、リスクマネージの必要性が低い積雲コンディションの日は積極的にチャレンジを試すようにしました。今回、チャレンジしすぎると頭がオーバーフローしてしまい、正しい判断が出来なくなるときがあること(7/2)が分かりました。また、チャレンジするべきかガグルでリスクマネージするべきか、を一日の途中でも判断を切り替えることが出来るようになってきたと思います。

結果目標
・day得点率 82%、期間平均 85%

結果 
期間平均 79.7% 総合8位。もうちょっと頑張りたいところです。


行動目標1. クライムレートの改善。自分のフィーリングを大切にする。広い範囲を見る(狭い範囲を見ていると気がついたら深呼吸して視野をチェンジ)

結果
5月に課題だったクライムは、練習期間中に一人で一週間毎日飛べたことが功を奏し、感覚が戻ってきて、クライムでの問題は半分くらい解消されました。(クライムの途中で、気が抜けてしまうのか、突然遅れてしまうときの問題がまだ解決されていませんので、これについては11月にナミビア合宿を計画して対応する予定です)


行動目標2. 判断ポイントを明確に、根拠明確に迷わず決める。とはいえ、決めた判断にとらわれすぎない。空はすぐに変わる。一つの案に固執せず更新し続ける

結果
これは割と出来たと思います。


行動目標3. 成功しても、淡々と次へ(油断しない、気を大きく持たない)。

結果
成功した次の日は必ず失敗するのが私の常でした(調子に乗りすぎて、前のめりになりすぎる)。今回は「チャレンジ」シールと「まず落ち着け」シールを作成し、チャレンジして上手く行った日の次の日は「まず落ち着け」シールで落ち着いて行くことを心がけました。とはいえ、その結果チャレンジが足りず、なところが逆に出てきました。


行動目標4. 判断にポジティブを保つ。失敗したとき、切り替える(失敗を引きずらない)。

結果
これも出来たと思います。悪いときに悲観的にならないようになってきました。


行動目標5. 自分の判断を試してみる(悪条件時はリスクマネージ、だが、ガグルが明らかに間違えた判断をしたときにガグルをフォローしない判断をしてみる)

結果
チャレンジをテーマにトライしてみました。わき出てくる弱気に対してチャレンジを心がけることで結果が伸びることは分かりました。とはいえ、チャレンジしすぎると頭が疲れて麻痺してしまい、チャレンジ出来なくなる事も分かりました。頭が疲れているときにどのようにクリアに判断するか、来年は無線サポートを活用して、よりクリアな判断をトライしたいと思っています。


行動目標6. コンディションの悪いとき、悪くなるときはとにかくフィニッシュする。あきらめずにすべての方法を試す。早めのギアチェンジをする。今が良いからと先を安易に考えない。とはいえ、ギアを下げすぎる傾向があるので、ギアを上げるときはあげる

結果
これも出来たときと、出来なかったとき有り。疲れてしまうとあきらめて安易な選択をしてしまいますので、課題です。


行動目標7. AAT プラス15分でのラストエリアターン

結果
Oudie ではプラス15分、LX9000 ではプラス 18分を心がけるようにします


行動目標8. クルーズ速度 150km/h 以上 Mc (マクレディー値)切替を前の空を見て適切に、Mc にあわせた速度選択(トップ別想定平均上昇率からの想定 Mc一覧、高度レンジ別スピードチャートを作成して実践してみる)

結果
実践できました。選択肢を明確にすることで迷いが減ったと思います。



その他全体
・振り返りシートを使ったレビューをするとレビュー時間が短く出来、ダラダラとしたレビューにならないのが良かったです。漏れ抜け無いレビューが短時間で実施できます。

・最後の3日間(7/5, 6, 7) は眠りが浅くなってしまった。悪天キャンセルの日にパソコンしてしまったことで頭が疲れてしまったことと思われます。大会中はパソコンしない、しても時間を限る(1時間毎に休みを取る)、頭に置き針で頭の疲れを取る、などをすることにします。

・出来たこと、出来るようになったこと、まだ出来ていないことを整理して来年の行動目標設定に反映していきます。