2014/01/26

2014/1/19 北西風コンバージェンス解説

1/19 は自宅で春と夏の借用機体の手配、陸送スケジューリングをしておりましたので、いただいた写真でウエザーの解説を。

板倉滑空場から北東側の空をみる 素晴らしいコンバージェンス(撮影 Nさん)


12:00 地上図 綺麗な冬型


1500 冬型が連続
こういった天気図の際はいわゆる宇都宮不連続線・小山コンバージェンスの形になります。12:00と15:00 の違いは低気圧の近さ、低気圧が抜けた直後ですと、低気圧が風を引っ張り込むようで、宇都宮の平野も北西強風になるケースがありますが、低気圧が遠ざかり、平野の風が落ち着くと、いわゆる「おろし」の風が利根川沿いを吹き抜け、日光山系の影になる宇都宮盆地は風が弱まります。12:00 と15:00 のアメダスを比較しても盆地の風が弱まっているのが分かります。

おろし空っ風の解説は吉野先生のコラムが参考になります。「小気候」にも宇都宮不連続線の解説はあります。山の陰で風が弱まる解説はこちら、4000mくらいまで影響があるようです。







板倉滑空場は残念ながらこれだけの風の強さになってしまうとガストが強く離陸が困難になります。館林のアメダスで10mになるとまず無理です。でもそんなときでもコンバージェンスの影になる小山滑空場はそよ風でフライト可能です。小山から離陸した方のトレース。上図の赤線のエリアを往復しており、3h の間ほぼ同じ場所を往復しているのがわかります。

筑波でハングで飛ばれている方のブログもとても勉強になります。

ではどのようにしてこの気象現象を捉えられる様になるか、一つ目は前提となる知識を持つこと(コンバージェンスの発生システム、発生時のサイン(ステップクラウド、ウイスプ、視程の変化))を知ること、二つ目は常に空を観察し続け、予測を立て、データ(天気図、アメダス風データ)と突き合わせてみて観察した結果とデータの裏付けを取ること、三つめは実際に飛んで見て試してみることです。このサイクルを繰り返すことで自分の血となり肉となってきます。漫然と飛んでいても気がつきませんし、楽天風に言うと「仮説、検証、実行」といったところでしょうか。

日本のそこかしこでコンバージェンスは見られます。板倉滑空場では上記ので上げた冬型北西風コンディションでは小山コンバージェンス、330度くらいの風ですと赤城山からの風下コンバージェンス、270度くらいの風では浅間山の後ろのコンバージェンス。高気圧中心で風が弱まると男体山から草木湖付近にかけての山岳コンバージェンス、東風での筑波風下コンバージェンス、南風では思川沿いの南北のコンバージェンス、、と日本のような海洋性の気候においてはそこかしこにコンバージェンスが発生します。あなたの滑空場のそばにもいくらでもあるはずです。まずは空を眺めて、アメダスデータと照らし合わせてみませんか。

2014/01/22

グライダーってどこで飛べるの?(日本編)/ Introduction of gliding center in Japan

「グライダーってどこで飛べるの」という質問をよくいただくのですが、 実は日本各地にグライダーで飛べるところはあります。
今回はPilot MARUにゆかりのあるクラブと滑空場をご紹介いたします!

日本グライダークラブ(板倉滑空場)/ JAPAN SOARING CLUB ( ITAKURA Gliding center)
丸山が所属するクラブ。現在はこちらでインストラクターも行っています。
主に土日祝に活動。ビジターフライトも受付しております。

〒323-1105 群馬県邑楽郡板倉町除川1286−1
 
板倉北側での山岳性コンバージェンス


滝川スカイスポーツ振興協会(SATA)(滝川スカイパーク) / SKYSPORTS ASOCIATION OF TAKIKAWA (TAKIKAWA SKY PARK)
学生時代に訪れ、丸山がグライダーの奥深さに衝撃を受けた場所。
この地でクロスカントリーに目覚め、現在も情報交換を行っています。ユース育成の場である「Soarist」のインストラクターとしても活動中。

そこかしこに形成されるコンバージェンス


翌々日、低気圧接近で一見曇天ですが南西風のwave, 低気圧接近時の南西風の場では近場のピンネシリの北側でwaveが高い確率で出ます。右下は小さいけどロータークラウド。ピンネシリまで直接曳航してwave in
ピンネシリwave で 9500ftまで上昇、つながりを探すために30km 先の暑寒別岳へ、ローターは見られないものの山の形がテーブルマウンテンのようになっていて南フランスのベルコールのあたりに似ているのでwaveがあるはず、とJanus に先行してサーチしてもらいwave in !



翌日は前線通過のため午前中は待機。前線通過後、地上はこんな感じでも奥のフェーンギャップに wave を確信してあがってみれば
やっぱりwave。低気圧の前後はwaveの狙い目です。
でもウエットなので追いかけすぎると痛い目をみることに。新十津川の谷をフルダイブでエスケープ。特にウエットな日はエスケープは確保しながら飛ぶのが鉄則


日本学生航空連盟 (妻沼滑空場)/  JAPAN STUDENTS AVIATION LEAGUE (MENUMA Gliding field)
早稲田大学航空部の一員として初めてグライダーで飛んだ場所。
(チームまるのメンバの多くはこの時に一緒に飛んでいた仲間です) 
ここでグライダー全日本学生選手権も開催され、学生時代に丸山は選手として出場。母校の団体優勝に貢献しました。初めて競技会を経験した場所でもあります。現在は母校のインストラクターも行っています。

平野の妻沼滑空場でもコンバージェンスはできます。写真は多々良沼上空のコンバージェンス。ゆっくりと東風で移動するコンバージェンス
こちら以外にも日本各地にはグライダークラブや滑空場がいくつもあります。
グライダーが見られるだけでなく、体験搭乗を受け付けているクラブも多数あります。
お近くの滑空場に出掛けてみませんか?
 滑空場の日本地図はこちら





2014/01/11

サングラスの新スポンサー れんず屋 様

Team MARU の新しいスポンサーとして「れんず屋」様からグライダー用サングラスの提供を受けられることになりました!ありがとうございます!

提供頂けるサングラスはサニーファン、サニーロードの2種類です。れんず屋様では元々 Zeiss 社の skylet を販売していたのですが、Zeiss 社サングラス部門の日本での販売終了に伴い、同等性能品を販売されています。Zeiss 社の skylet は日本国内では購入出来なくなりましたがれんず屋さんで同等品が購入可能です。

SKylet Fun 相当の サニーファン (写真手前)。オレンジ色の明るいレンズです。サングラスにしては明るすぎると思うかもしれませんが、日本の濁った空ですと少し明るいほうが空が見やすくなります。




Skylet Road 相当のサニーロード (写真奥) 。オーストラリアのような日射の強いエリアではこちらのほうがよいかもしれません。従来私はオレンジ系のレンズを使っていて、日本の空ですとオレンジ系が良いのですが、夏のヨーロッパで夕方西日のまぶしいときはオレンジ系だと明るすぎることが有り、今回はこの2パターンを試してみることにしました。


れんず屋様ではまったく広告していないのに毎月のようにこのレンズが売れていくことが不思議だったそうです。しかもなぜかW大学の航空部部員が毎年のように購入に訪れ、「このサングラスを持っていないと教えてくれないインストラクターがいるらしい」というところまでは学生から聞き出していたそうなのですが、この度その情報を流している本人(私)との初めての対面となりました。(実は私も10年以上にわたり、多数の人にお店の紹介だけしていて、店舗にお伺いするのは初めてでした)

店長の古屋さんは「日本で一番レンズに詳しい!」と自負されるとおり、非常にレンズについてお詳しい方で、さまざまなシーンにあわせたレンズを用意されています。今回私も測定頂き、アドバイス頂いたのが、通常使用の眼鏡レンズは一番見える状態から、2段階くらい落とした状態にしているそうです。この方が、近くを見るのには目が疲れないからとのこと。ですが、サングラスのような遠くを見るレンズの場合は遠くがはっきり見える状態にした方が良いとのこと。また、サングラスのレンズ分で暗くなり、暗くなることで見えにくくなるのもあるので、見えやすい度数の方が良いそうです。
私たちグライダーパイロットにとっては 10 - 50km 程度先の雲をしっかり見れることが必要になってきますので、今回はアドバイスに従い度数を現在の眼鏡よりも2段階強いものにしてみました。
幸いまだ近視だけで、遠視は入っていませんでした。(遠近両用も可能です)

フレームは長いこと「視野が広いから」という理由だけでティアドロップ型のフレームを使用してきたのですが、おっさんっぽくみえるのが欠点で妻からは長いこと不評でした。今回お勧めされたのはナイキのスポーツサングラスのフレームです。軽いし、少しレンズを大きめに作ることでティアドロップと比較しても十分な視野が確保できそうです。妻にも好評でした。価格はフレームだけで \8,000 とリーズナブルです。アームが大きくないのもヘッドセットをつける際にも助かります。
今回採用したナイキのフレーム


このサングラスの効能については「クロスカントリーパイロットへの推奨サングラス skylet (サニーファン)」の記事にも書きましたが、ずばり、「サーマルが見えるサングラス」です。まずは一度使ってみてくいただくと空の見やすさの違いが一目で分かると思います。我々グライダーパイロットに重要な「できはじめの雲」「空の色の違い = 空気の境目 = 上昇気流」の見やすさが格段に違います。あなたのソアリングの手助けになることは間違いありません。私のホームクラブの日本グライダークラブ板倉滑空場ではすでにクラブ員のクロスカントリーパイロットの13名がこのサングラスを使っています。

れんず屋様の店舗は都内ですと神保町、四ッ谷、曙橋に4店舗あります。是非足を運んでみてください!そして今なら Team Maru スポンサー記念として、2014/7月までにサニーファン、サニーロードをれんず屋様で購入されるお客様で「Team Maru ブログを見てきました!」という方には 10% off のキャンペーンをいただけることになりました。ソアリングを上手くなりたいあなた、今です!(キャンペーンは延長中です!)

2014/01/05

丸山 毅 講演のお知らせ

あけましておめでとうございます。
TEAM MARU パイロット 「丸山 毅」 の講演が2つ決まりましたのでお知らせいたします。

【その1】
日本滑空協会主催「第2回 滑空スポーツにおけるセミナー」(開催地:仙台)の講師として、
講演を行うこととなりました。

日時  2014年1月25日(土) 13:00〜17:00
場所 仙台市青葉区 TKP仙台西口ビジネスセンター 2A会議室
内容 ソアリングについて

ご興味あります方は日本滑空協会ホームページよりお申込みお願い致します。
「滑空スポーツに関するセミナー開催のお知らせ」
http://www.japan-soaring.org/index.htm

【その2】
Soaristが主催する「Soarist Cafe」(開催地:東京)の講師として、
若手パイロット向けに講演を行うこととなりました。

日時  2014年2月2日(日) 13:00〜17:30
場所 東京都渋谷区 東京体育館 第四会議室 
内容 ユース世代のグライダーライフ 海外編 
ご興味ありますユース世代の方はこちらよりお申込みお願い致します。

Soarist Web : http://www7b.biglobe.ne.jp/~soarist/

いよいよ本戦の年となりました。
本年もご声援よろしくお願い致します。

TEAM MARU チームリーダー 赤石