Day2、Day3、どちらも夕方にサンダーストームが来る予報でしたが・・・、結果は、Day2は予報通り17時頃からストーム、Day3は最後まで天候は崩れずでした。カナダチームのブログでは、ウェザーマンの言うことは外れたじゃないか、とぶつぶつ言っていました(笑)。今日は、GPSログ(飛行した軌跡)+飛行後のパイロットレビューでフライトを振り返ってみます。
まずはDay2。得点率75.9%、38位でした。
赤線がMARU、緑はデイリートップのPL(ポーランド)、青はスタートが早かったS8(オーストラリア、33位)です。滑空場周辺を飛び回っているスタート前から、各機の飛び方は異なります。スタートライン周辺で滞空を続ける機体もあれば、20km先まで様子を探りに行く機体もいます。遠くへ出かけるのは地元ポーランドやフランス、上級者が多いようです。MARUはどのガグル(=蚊柱。サーマルに円筒状に集まるグループ)と一緒に飛ぶか迷いがあったようで、スタートはイマイチだったとのこと、第2集団の後方からスタートしました。QX, SI, S8の3機が早々にスタートしています。この日は難しいコンディションで、特に前半に苦労したようです。
第1レグ:TP1のエリアに入るまでPLと一緒に飛びました。無線で呼びかけてもなんだか忙しそうな様子です。
TP1:高度600mを割り苦労しています。半径20kmの旋回点エリアに入ってすぐにターン。この日トップのPLはずいぶん奥まで伸ばしていました。
第2レグ:フライトログを比べてみると、結果的には東側を飛んだ機体のほうが速かったようです。TP1を奥へ伸ばしたパイロットはこの第2レグのラインも読んでいたのでしょうか?
第3、第4レグ:TP3の南側、サーマルエリアとなりやすい森を狙って南側へ伸ばしました。一方、北側をショートカットして、ファイナルに入る機体が多いです。フライトログを見ても北側を飛んだ機体のほうが速くなっています。第4レグは北の方に積雲(サーマルのサイン)が見えていたそうで、南側の森まで距離を伸ばすより速かったのかもしれません。
このように、AAT(Assigned Area Task)では、パイロットごとに戦略も異なり、その時々の状況を読みながら頭を使うレースになります。成績が出るまで誰が勝ったかわからず観戦するにはデメリットもありますが、駆け引きがおもしろいレースです。
着陸後、西側に見えている雨雲を見ながら急いで片付け、完了と同時にバケツをひっくり返したような雨が降りはじめ、雷も鳴りました。土砂降りの雨の中、着陸するグライダーもいました。
続いてDay3。得点率89.6%、18位でした!
赤線がMARU、緑はデイリートップのS8(オーストラリア)、水色と青はWM(ドイツ、14位)と抜きつ抜かれつ一緒に飛んだUJ(南アフリカ、11位)です。
スタート前:昨日の反省を踏まえて、あまり動き回らずスタートライン付近で滞空しています。青線のUJのように20km東まで様子を探りに行く機体もあります。全機離陸してスタートゲートが開いてもなかなか出発しません。地上から「30分経ったよー」「45分過ぎたよー」と無線で呼びかけてみますがなんだか忙しそうな返事でした。天候が悪化する予報のため「早く出発したい」と思いながら、周囲の機体がなかなか出発しないのでイライラ(?)滞空していたようです。結局スタートはゲートオープンから1時間10分後となりました。
第1レグ:南東の風(160°方向)、まずはストリート(上昇気流が帯状につながっているライン)に乗るため東へ進みます。距離にして20km。そこから南へ進行方向を変え、風と平行なストリートに乗りました。パイロットからは積雲の列として見えています。ここから先はドルフィンフライトです。サーマル(筒状の上昇気流)でらせん状に旋回するのではなく、上昇気流の中では速度を遅くし、下降気流の中では速度を速めて、それほど高度を落とさずにどんどん前へ進みます。旋回しない分平均速度は速くなるので第1旋回点(TP1)エリアに入ってからも距離を伸ばしています。ここからは、スタートから直接南東へ向かっていたS8やWMも同じコースです。
第2レグ:TP1を南端まで伸ばしてターン、クルーが待つベースキャンプに無線が入ります。「第2レグに入りました。第1の後半からブルー(雲がない)、前方に積乱雲が見えます。」地上クルーは衛星画像を確認して返信「第2レグ中央あたり、南北に雲が連なっていますが大丈夫そうです。」以下はこのとき見ていた衛星画像です。グライダー競技は情報戦でもあります。
北寄りを飛んで、中盤で平均上昇率1.9m/sのサーマルにヒットし、第1レグで抜かれたUJに追いつきました。ここから先は、積雲で上昇→雲のないエリアをクルーズ、という風と直交にベーシックなサーマルフライトで進みます。
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