水バラストの注入を行うグランドクルーに日傘を差す丸山。暑いのはパイロットだけではないのです。
曳航開始。出発時の気象条件を見て機体を軽くしたくなったのでしょう。水バラストを放出しながら上昇していく機体がいました。
オープンクラスの離陸。翼のしなり方がすごいですね。
曳航機に曳かれながら続々と離陸していくグライダー達。
丸山機も離陸です。4日目のタスクはこちら
http://www.wgc2014.hb.pl/wyniki/18m/47U_18m_tsk.htm2時間と短めのAATです。
4日目もやはり、サンダーストームの予報でした。このように局地的に天候が悪化することが予想される場合はAATになることが多いです。アサインド・エリア・タスクであれば旋回点が半径20kmとか大きなエリアに設定されるので、天候が悪化したポイントをパイロットの判断で避けながら競技を続行していけるからです。旋回点が1点の座標に特定されるスピードタスクの場合、万一そのポイントが悪天候だった場合、無理に旋回点に近づくことで安全が確保されなかったり、だれも旋回点に到達できず、「競技不成立」になりかねないのです。
この日もランウェイ上空でガグル(蚊柱)が形成されました。沢山のグライダーが同じ雲、同じ上昇気流に集まって来ます。ガグル内では同じ方向に旋回するのが鉄則です。逆方向に回ったら衝突してしまうからです。
スタート前の空。美しい後光が差していました。
この日のようにタスク設定が短く、気象条件の厳しい日は「勝負に出る」パイロットはあまりいません。失敗するとひとり負けする可能性が高いからです。そしてこんな日はゴール・ラッシュになります。この写真の中に何機いるか、わかりますか? ちょっと画像加工してわかりやすくしたものも掲載しておきましょう。
このようにタスクの短い日はクラスの違う機体もほぼ同時に帰って来ます。手前は18mクラスの南アフリカ機、後ろはオープンクラスのリトアニア機です。
正面はフランスチームのニンバス4、コンテストナンバー72は Quintus M(クィンタス)。ともにオープンクラスでシュンプヒルト社の機体です。みんな、どんどんゴールして来ます。
そして、殺気を感じたのがこの機体。まっすぐコチラへ向かってきます。
すれ違いざまに丸山の機体だとわかりました。後で聞けば、上空で私を視認し、間近になるように飛んで来たそうです。丸山はこれまで安全のために機体の少ない滑走路反対側エンドへ降りていました。ところがこの日、私も意図的に反対側へ足を運んだのです。昨年の欧州選手権を含め、丸山機をこれだけ大きく捉えられたのは初めてです。曇り空でなければなおよかったのですが。
おかえり!
この日は得点率84.8%。みんな同じように飛んで来たので順位は混み合っていますが、トップの得点から15%の差しかつけられていません。本人は「可も無く〜」といった表情でしたが、こんな日はこれで御の字です。
この夜、雹(ヒョウ)が降る予報が出ていたので機体をバラしてハウストレーラーにしまいました。最後は皆手持ちぶさたで 2人で組みバラしできる機体を6人がかりでバラしたのですから、さぞや目立っていたことでしょう。まるで学生時代の訓練のようです。写真撮影でレシュノに訪れている名古屋大学OBの山 康博さまにも手伝っていただきました。ありがとうございました。
文・写真 河村
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