そしてサンダーストームなど天気の影響でAATばかり設定されてきた前・中盤戦が終わり、競技もあと3日を残すのみとなりました。
そんな中、日本の皆さんに嬉しいお知らせがあります。丸山が3度の世界選手権出場で自己最高8位だったデイリー順位を更新しました。まずはその報告からいたしましょう。
ところが、昨日お伝えしたようにこのタスクはすぐに撤回され、ブリーフィング時でも発表されませんでした。そして出航30分前。ランウェイでようやく発表されます。どのチームも滑走路上で慌ただしく作戦会議になります。写真中央はポーランド・ナショナルチームコーチのヤチェックさん。昨年、丸山がインタビューした方ですね。ぜひ、リンクの記事をご一読ください。とっても真摯な方です。ちなみに、右隣は丸山のポーランド事前特訓遠征時の師匠、セントカ選手です。http://bit.ly/1qXL0TF
でも、丸山は落ち着いていました。一昨日の結果に、自分なりの答えがでていたのでしょう。焦らず、マイペースに競技開始を待っています。その姿にクルーも安堵感を覚えていました。
この日、初の TwoFour 出航。240度、つまり西側へ向かって飛び立つよう指定されたのですが、グリッドした東側エンドの滑走路には花が咲き乱れていました。
黄緑の滑走路が桃色と黄色の花で染まりました。黄色は菊です。ピンクは何の花でしょう?
丸山機の発航順が迫ってきました。
直前機が離陸していきます。
丸山機、出発です!
全機出撃するのに1時間ほどかかります。この日、丸山機のグリッドは North Grid の5番目。
http://www.wgc2014.hb.pl/images/grids/grid_6.08.pdf
中ほどの発航ですが、スタートゲートがオープンするのは全機が飛び立ってから20分後です。
http://www.wgc2014.hb.pl/images/grids/grid_6.08.pdf
中ほどの発航ですが、スタートゲートがオープンするのは全機が飛び立ってから20分後です。
スタートゲートがオープンしました。この後、パイロットは自由な時間にスタートを切ります。ランウエイ上空には誰が先頭を切って出ていくか睨み合いながら巨大なガグル(蚊柱)が形成されていきます。
そのガグルが南北に散開した瞬間です。写真は北側へ向かう機体を捉えています。この日、18mクラスのスタートゲートはランウェイ南側に、15mのスタートゲートはランウェイ北側にありました。なんと、先ほどのガグルは18mクラスと15mクラスが混じっていたのです。
その直後、丸山から無線でスタートのコール。我々クルーはチームのキャビンでふたつのGPSトラッキングデータを見比べながら応援します。丸山は毎日、個人的に自機からトラッキングデータを発信しており、それは世界中誰でも見られます。もうひとつは大会がオフィシャルに流しているトラッキングデータで、こちらは毎日無作為に抽出された15機が発信します。大会側が発信するデータは各々のチームの作戦がバレないよう15分遅れで配信されますが、丸山の15分前のデータと照らし合わせるとどのグループにいるかだいたいわかります。15分遅れでいいので、これがもっと組織的に、グラフィカルに、機内の映像とともに配信されるようになれば、TV配信不可能と言われてきたグライダー競技の楽しみ方も変わるかもしれません。
この日、公式トラッキングデータが18mクラスの15機だったこともあり、グランドクルーは丸山の動きをかなり正確に把握することができました。そして第1旋回点通過後に、丸山がトップグループを飛んでいることも把握していました。トップグループといってもふたてに別れたり、また別の機体が合流したり、さらにまた別れたりと、まるで人生の岐路のようにさまざまに分岐して行きます。丸山のグループが分岐する度に、キャビンでは「また別れた! いいぞ。そっちのほうが速い」とか「こっちのグループは高度が下がっちゃったねー」「あ、引き返してくる機体もある」など、一喜一憂しながら応援していました。もちろん、無線が届くようなエリアではいろんな情報を交換します。そんな中、丸山の機体がいろんな選択肢を渡り歩きながらトップグループに入ったままゴールしてくることがわかりました。
写真はフライト後のログを佐々木クルーがまとめたものです。詳しくは最新のブログをぜひ。
http://maru-wgc.blogspot.jp/2014/08/day73.html
写真はフライト後のログを佐々木クルーがまとめたものです。詳しくは最新のブログをぜひ。
http://maru-wgc.blogspot.jp/2014/08/day73.html
滑走路脇にいると佐々木クルーから連絡が入りました。「丸山さん、あと50km。ゴールは20分後です」この時、先にスタートゲートがオープンした15mクラスの機体が数機帰って来ているだけでした。その後も、ポツリポツリとしかゴールしてきません。
そして、18mクラスの機体が1機、2機、3機…、気をつけてみていると滑走路北側に向かって真っ直ぐ降りてくる機体を発見しました。丸山はいつも安全のために、機体が多く着陸する南側滑走路を避けているのです。
やはり丸山機でした。18mクラスの中で明らかに到着が早いです。もちろんスタート時間が自由である以上、「帰投時間が早い = 成績がいい」わけではありません。でもこの日のようにコンディションが弱い場合、遅くなれば遅くなるほど弱い上昇気流で飛ばざるを得ません。この時、僕らは丸山の上位を確信しました。得点率90%は確実。10位以内も夢じゃないかも知れない、と。
結果は3位でした。
丸山は3度の世界選手権参戦で最高位が8位。世界の強豪相手にデイリーで46機中3位。僕らクルーにしてみれば夢のような数字です。
http://www.wgc2014.hb.pl/wyniki/18m/486_18m.htm
この順位表からも読み取れますが、丸山は最も遅い時間帯にスタートし、そこから挽回して早く戻ってきたのでした。
詳しくは最新のブログをどうぞ。
http://maru-wgc.blogspot.jp/2014/08/day73.html
「今日は全ての選択肢がうまくいった」
丸山も久々に納得のフライトでした。
さあ、ここで兜の緒を締めて、
あと3日間を戦っていきたいと思います
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