2022/08/03

37thグライダー世界選手権大会(Hungary) Day8-10

 July.31(Sun)Competition Day8 Task6

Task:Polygon with 4 points 307.4kmのRT(レーシングタスク)

今日から後半戦スタートです。

  • 昨日寒冷前線が通過したため、朝から終日北西風が強く吹きました。気温も朝は20度台、風よけのウィンドブレーカーを着ての朝作業となりました。

朝作業から後半担当の高見クルーが参加。2008年、2014年の世界選手権でクルーを務めています。市岡クルーと入れ違いとなったため、MARUからグランドワークの説明を聞きつつ、朝の準備を進めました。応援クルーの万場さんも加わり、朝の作業は完了。後半戦を戦うメンバーが揃いました!




今日は、朝から雲量が多いため日射が少なく、前日の雨でウエットサーマルが発生しにくい状況でした。また、風が強いためサーマルがまとまりにくい状況でもありました。そのため、MARUの戦略は高度を下げずに飛ぶこと(とくに川を渡るタイミングで注意)、もう一つは風のラインに沿って発生すると考えられるサーマルを使って飛ぶこと、としていました。



友人のGaborが会場を訪れ、Maruに会いに来てくれました。2014年のポーランド選手権でクルーをしてもらって以来、いつもMaruを気にかけてくれる、ヨーロッパの大事な友人のひとりです。ハンガリー人であるGabor、今日の気象条件に即したロコならではの情報をまるにレクチャーしてくれました。シャツも2015年のJAPANを着用して登場、日本を応援してくれています。




12:30にMaruは出発しました。いってらっしゃい!




スタートから2時間がたつと、タスクコンプリートが出来ず飛行場に戻ってきてしまったグライダーも出てきました。(アウトランディングとなります)


クルーたちはオンライントラッキングでMARUや他機の様子を追跡。MARUの粘りを応援しながら、無事の帰還を待ちました。


★本日の結果★

Daily 15位

https://www.soaringspot.com/en_gb/37th-fai-world-gliding-championships-2022-szeged-2022/results/18m/task-6-on-2022-07-31/daily

Total 20位

https://www.soaringspot.com/en_gb/37th-fai-world-gliding-championships-2022-szeged-2022/results/18m/task-6-on-2022-07-31/total


<パイロットコメント>

本日はスタートで失敗がありました、パイロットイベントマークのスタートウインドウの8分間の間にスタートする必要があったのですが、スタート前に一周余分に旋回してしまったことで、スタートウインドウから6秒遅れてしまい、50点減点を受けてしまいました。再度5分待つわけにはいかなかったので、減点を了承してそのままスタートしました。

スタートラインまでの距離と移動時間は考えていたのですがとっさに計算できなかったのが失敗点です(120km/hで移動した場合、2km手前から移動したら1分かかる、旋回一周は25秒かかる。旋回中で4km手前からラインに移動したら2.5分かかる、といった簡単な計算)

フライトはガグルとスタートできました。本日のキーとなる場所はドナウ川を渡るタイミングで下げないことがポイントになりました。先頭ガグルからは少し遅れてしまいましたが、川を渡る前のサーマルで少し他より高く上げていたことで、川を渡る前になんとか高度を回復することが出来、無事ドナウ川を渡れました。川を渡った後は条件が良かったので、かっ飛ばして第2旋回点をクリア、再び川を渡って戻る前に一つ後ろのガグルにジョインできて、無事にフィニッシュ出来ました。


<おまけ写真>
エンジンに萌えるオジ様クルー達



Aug.1(Mon)Competition Day9 Task7
Assigned Area Task with 5 areas Time 3:30

本日は快晴、風もありません。

アサインドエリアタスクになりました。
発航開始予定は11:30。




今日は最前列からのスタートのため、手早く準備を進めています。飛行場上空は条件よく見えるのですが、第3エリアは雲に覆われています。今後状況がどう変わるかで、平均速度が140km/h台になるのか130km/hぐらいになるのか変わってくると思いますが、いずれにしてもトップの平均速度は130km/hは割らないと考えて、戦略を練りました。




2014年のポーランドで開催された世界選手権で一緒になったフランスチームクルーのDidierさんと再会した高見クルー。
駐機場が隣同士だったことからクルー同士で親しくなり、シャツ交換をした間柄。久しぶりの対面となりました!


2014世界選手権(ポーランド)にて

2018世界選手権(チェコ)にて



11:30に離陸しました。


スタートは13時過ぎ、全体の中ではアーリースタートを切りました。
順調そうに見えてみましたが、地上では気になることが。MARUが一緒に飛んでいたグループとともに、空域違反をしてしまったように見えていたのです。空域違反となった場合、その時点までの飛行履歴は採用されますが、その後のフライトは無効になります。(アウトランディング扱い)
さて、結果はいかに?



★本日の結果★
Daily  39位

Total  32位

<パイロットコメント>
本日はスタート前は滑走路から離れたところで上がれるコンディションになりました。15kmくらい離れたところで雲底まであげて、少しづつスタートラインに寄せて高度を上げて、ターゲットスタートタイムの13:00すぎにイギリスのペアの後ろでスタートして、良いスタートができました。
第一エリアは湿り気が多すぎて雲量が多く、予想よりコンディションが良くなく、第一エリアに入ってすぐの川の手前で早めにターン。第一エリアは奥まで行くのがセオリーなので、悪いからターンを早めるのは自分一人では難しい判断でした。ターン後に少し遅れてしまいましたがラッキーに強いリフトで回復できて、再度イギリスペアにキャッチアップ、第2エリアに向かいました。
イギリスの2機とノルウエー1機の計4機で飛んでいて、一緒にいた3機がまっすぐ空域を越えた先のストリートに向かっていきました。私はそこに空域があることは理解していたのですが、迷い無く進む3機をみると、「私が理解していない別のルールがあるの?」と自分が信じられなくなったこと、またガグルから離れて一人で飛ぶことは速度を落とすことになるので、疑問を感じながらもガグルをフォローし続けました。この選択の結果、空域違反となり大減点となりました。(先行の3機は空域を間違って理解していたことが着陸後判明)

この日は後半からコンディションが弱くなりました。後半の弱いコンディションで再びイギリスから遅れをとりました。が、ここでコンディション低下にあわせてキープハイに切り替えて対応することにより、自分でコンディションの変化を乗りきってフィニッシュできました。スコアは減点でかなり低くなってしまいましたが、過去の大会での「他の人はフィニッシュしているのに私だけアウトランディング(エンジンリスタート)してしまった」ような時と比べると、そこそこのタイムでフィニッシュすることがでたこともあり、心的ダメージはそこまで高くありませんでした。(競技にタラレバはありませんが80%程度の得点率だったと思います)。

自分自身私らしくないミスと思いました、自分を信じ切れなかったのとついて行くガグルが良くなかったのが反省点です。(イギリスチームも着陸後地上スタッフから説明を受けていたので間違えていたようでした)。


<デイリーの表彰>
毎朝のブリーフィングでは、前日の各クラス1〜3位の表彰が行われます。お祝いにワインがもらえます。インタビューもされます。
「このワイン、飲みたい!」と毎日リーダーは思ってます。さて、明日はワインに手が届くでしょうか?楽しみです。






Aug.2(Tue)Competition Day10 Task8
Task:Polygon with 7 points 756km


本日も快晴。そして出ましたロングタスク!
これまでに参加した大会の中では最長距離となる756キロ!!東京から北に向かうと北海道に届く距離だとか。
発航時間もいつもより早い11:00から。最高気温予想は32度といつもより低めですが、やや湿度があり積雲が発生しやすいコンディション。みんなワクワク!

毎日出発前にランチタイム。
勝負メシはおにぎり🍙
フライト中のおやつもおにぎり🍙
クルーランチもおにぎりなので、朝はおにぎりをたくさんつくります。お米はMARUこだわりの佐渡米コシヒカリ、海苔もこだわりの丸山海苔。日本から日数分持ち込んでいます。

おにぎり 小さめにして離陸前に3つ、離陸後14:00ごろから1時間毎に一つづつ計6つ食べます。一つで1時間エネルギーが持つ計算です。食べ過ぎると眠くなるので、分散して食べます。

おにぎりネタは味濃いめの固形物が好きです

そして予定通り11:00発航開始。
MARU も離陸しました。長旅の始まりです。
離陸前のコックピットから

スタートして約2時間経過。第4旋回点に向かってます。3つめの集団で飛んでいる模様。あまりサークリングせずにドルフィン(直線で飛行しながら高度を上げる飛び方)で飛んでいるようです。


スタートしてから3:30が経過。第五旋回点もクリア。
飛行場の近くは雲がもくもく。無線が通じない距離となり、下でオンライントラッキングをみながらクルーはワクワクドキドキ。





第6旋回点クリア。あと1時間くらいでしょうか。がんばれー!

その後、「ファイナルグライド」(もう、高度を獲得せずにまっすぐゴールに向かいます。ラストスパート)のコールが入りました。地上はお迎えの準備に入りました。



★本日の結果★
Daily  22位

Total  32位

<パイロットコメント>
本日は自分的に過去最長のタスクフライトになりました。平均速度130km/hで5.5時間の長丁場になります。スタートは遅くならないように、ガグルとスタートを心がけてフライトしました。今大会はスタート前が毎日うまくいっていて、早く、高い高度まで上がれています。本日も強いのを捕まえて、高い高度まであがり、2回目のスタートウインドウでスタートをしようとしましたが、スタートウインドウに1.5分早くスタートラインに到着してしまい、スタートライン上で無駄な旋回をして、80m低いスタートとなりました。(スタートライン到着時間を考えて、サーマル中で高度維持してからラインに到着するべき)。スタートタイミングも結果的に最終組一つ前のスタートになってしまい、危ないところでした。

第1レグは混戦していたので追いつくことが出来、遅れずに最後まで飛ぶことが出来ました。第4レグはコンディションが少し弱くなりましたがガグルがうまく飛んでくれて速度を落とさずに飛べ、コンディションが弱くなる前に18:03にフィニッシュ出来ました。
団子状態でしたので順位は22位でしたが、93%の得点率で得点できたのがよかったです。

明日も飛びます!

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