2022/08/03

37thグライダー世界選手権大会(Hungary) Day4-6

 July.27(Wed)Competition Day4 Task3

本日もよく晴れています。

昨夜から明け方にかけて、久しぶりに涼しい空気を感じました。が、日の出とともに気温は上昇し最高気温は32度でした。


そして朝、事件がおきました。暑い日が続くせいか、いろんなことが起きます。今朝、グライダーを発航点に運ぶ際にTow bar(グライダーをクルマで牽引するための道具)の車軸の溶接が割れました… 2019年に借りたときも同じ溶接部が壊れたので、弱いところです

Tow barの車軸の溶接が割れました。グリッド前の計測地点で一時停止したときに、市岡さんがグライダーが少し傾いているのに気がつきました。さすが!


これがないとグライダーの移動ができません。大ピンチ!

スタッフに「溶接ができないか?」と相談したところ、「整備担当に相談してみて」とのこと。

ハンガーで整備担当に相談したところ「溶接機械はある。いま忙しいから君たちで修理できるか?」とのこと。

「できます!」と何でもできちゃう市岡クルーが溶接修理。そして無事になおりました!!

修理する市岡クルー

借りた機材

完成!すばらしい!!

クルーの観察力とスキルの高さに救われました。感謝!

(パイロットコメント:これ、自分だったら直せませんでした。。溶接は大学卒業後したことないし、ストッパーのボルトを止めるためのナットをメガネレンチにテープでとめて締めるなんて思いつきませんでした。。)

これからは毎朝始業前点検でトーバーの溶接をチェックするようにしました。


今日のタスクはTask:Polygon with 4 points 410.5km やや長めのタスクです。(ゴルフのPar4ぐらいのイメージ)


12時から発航開始、MARUもブルーサーマルのコンディションの中、出発しました。


そして本日、河村広報リーダーとその家族with父の代わりにやってきたemikoさんが帰国の途につきました。


みなさんご存知のとおり、河村カメラマンとして今回もステキな写真をいっぱい撮ってくれました。「日本チームは何人いるんだ?」と聞かれるくらいのビッグチームでした。他国のチームは家族、友人やその家族たちと来ていることが多くうらやましく思っていましたが、TEAM MARUでも実現することができました。


この日、MARUは無事に帰還しました!

★本日の結果★

Daily 25位

https://www.soaringspot.com/en_gb/37th-fai-world-gliding-championships-2022-szeged-2022/results/18m/task-3-on-2022-07-27/daily

Total 30位

https://www.soaringspot.com/en_gb/37th-fai-world-gliding-championships-2022-szeged-2022/results/18m/task-3-on-2022-07-27/total


パイロットコメント

昨日のうまくいかなかった点(他の人と比べてクライムで遅れてしまうこと)への対策として以下2点を行いました

①重心位置を変更(テールバラストを0.5L削減)

②スタートを早めに(他の人から遅れても、次のガグルにジョインして、一人旅にならないようにする)

結果としては②でスタートを早くしたことでスコアとしてはそこまでではありませんが、15分遅れでスタートしたイタリアのペアに80km先で捕捉されたあとはイタリアペアと同ペースでフィニッシュまで飛ぶことが出来、①の効果を実感できました。ゴールデンウイークの練習から他の人と同ペースで飛ぶことは出来るようになっていて、今回も練習期間中はうまく出来ていたのですが、昨日急にうまくいかなくなり、思い返してみると初日は結果はよかったものの、遅れるシーンはあったことへの振り返りが足りなかったかもしれません。(もしかしたら痩せて体重が落ちたことで重心位置がずれていたのかも?)

いずれにせよ対策が出来たので、明日からは他のパイロットと同じスタートを目指して結果につなげられればと思います。



夕飯はチームメンバー全員でとります。その日の情報共有や雑談をしながら過ごしています。レースのある日は家ごはん。今日は7→3人になってしまい、なんだか静かでした。

やっとテラスで食べられる気温になり、ツマミを食べながら夕飯スタート。リーダーは切る係、クルーは焼く係。市岡クルーの焼いたステーキは絶品!

まずはつまみ食べ

スーパーで買った牛肉をステーキで。安くておいしい!

私達が過ごしやすい=蚊も過ごしやすいようで、日本から持ってきた蚊取り線香を焚きながら過ごしました。

今日のメインは素麺!1998年バイロイトでのプレ世界選手権参加の際、丸伊さんから教えをうけた「麺パー」は毎回必ず実施してます。夏の暑い日は麺ですね。茹で担当はパイロットの丸山です。茹でにはこだわりがあります。美味しく完食です!

麺パーティ

明日も飛びます!


 July.28(Thu)Competition Day5 Task4

今朝は初めての曇り空、気温26度で地上はかなり快適です。

ただし、グライダーレースの条件としてはいまひとつ。最初は12:00発航開始予定でしたが、上空にある雲が抜けないと空気が暖まらないため、発航時間はどんどんと遅くなりました。



この日の朝、待望のフック付きのクルマが修理から戻ってきました!


修理中にお借りしていたフック付きのクルマのお掃除にガソリンスタンドへ行き3名でお掃除。感謝を込めてお掃除しました。

洗車前の予洗いは大事、と掃除する市岡クルー

足下や座席の枯れ草やほこりをきれいにお掃除

仕上げは洗車機で

その際居合わせたオジさまに「君たちチームは全員で掃除している。えらい!」と褒められました!

このクルマのおかげでここまで大会に参加できました。日本チームの市川選手にも感謝です。ありがとうございました!


洗車して戻ってきて、発航場所で待機。

13:15にアナウンスがあり、MARUが参加している18mクラスは13:30から曳航開始。急いで準備して、出発しました。


が、上昇気流のトップが1000mより上がらず、「本当にこれ、レースをするの?」と思うような状況だったそうです。

下から見ていたクルーも低空で苦戦しているグライダーがたくさん見えていて、オンライントラッキングのデータをみても高度が上がらない様子をみて「これはレースキャンセルでは?」とスタンバイしていました。


スマホでも写真が撮れるぐらいの低い高度でのガグル

低いです


結果、スタートゲートオープンの直前に本日のレースキャンセルが発表され、今日はこれで終了。

MARUはさっさと着陸して、撤収しました。その後は家でゆっくりすることにしました。

グライダーのレースはこういうこともよくあります。まだまだ試合は続きます。

撤収中

<パイロットコメント>

本日は上空が雲で覆われてしまってイマイチな天候でしたが、予報としては上層雲が消えて改善する方向の予報で、滑空場上空に日射が出始めたところで離陸するというので離陸しました。離陸してみると滑走路の半径2km範囲しか日射がなく、曳航中の曳航経路上は静かな空気。離脱後はとりあえず日射のあるところで、高度維持も難しい状態なので、20秒水バラストを抜いて様子見、まだ上がらないのでさらに20秒水を抜いてようやく対地300mからようやく上がり始めました。ゲートオープン30分前、20分前、10分前とアナウンスはありますが、条件の改善は見られず、これはタスクフライトは無理だろうと思っていたところで、ゲートオープンとなり、5分前でタスクキャンセルとなりました。

夕飯はカレーです。木曜日はカレーの日、なのです。

おつカレーライス!

明日の天気が良いことを期待して!


 July.29(Fri)Competition Day6 Task5

TaskA:Polygon with 4 points 364.5kmのRT(レーシングタスク)

今朝は上空に雲はあるものの日差しがある晴れに近い天気、気温29度、いつもより湿度がありました。昼過ぎにシャワーの予報が出ているものの、12:00発航開始予定となり、準備を進めました。




11:40頃、タスク変更のアナウンスがあり、

TaskB:Polygon with 4 points 2時間30分 250kmのAAT(アサインド・エリア・タスク)になりました。アサインド・エリア・タスク(AAT)は指定された時間で250km以上の距離を飛ぶこと、が要件となっており、各選手が飛んだ距離を時間で割って、その平均速度を競います。

タスクB 旋回点は同じで各旋回点にエリアが設定

タスク変更のため、フライトコンピューターの設定をなおします


12:00から曳航開始。MARUも出発「今日は早めのスタートを心がける」戦略で飛び立ちました。

出発します

戻ってくる曳航機。次々とグライダーを曳航します。

その戦略どおり、スタートゲートオープン直後にすかさずスタート。先頭を切って飛んでいて、「今日はいいのかな?」と下から見ていました。ただこのレース、先に帰った方が勝ち!ではないところが判断しにくく、でも、期待しながら無線で情報を送っていました。

TEAM MARUキャビン
今日は自分史上最もうまく飛べた日でした。前日の重心位置変更で他のパイロットと同等に飛べることが確認できたので、スタートを他のパイロットと同じスタートにして、同じように飛ぶことを目標としてみました。対流が過剰発達する可能性があったので、アーリースタートを計画しました。
スタートゲートオープン直後にイベントマークを押して、スタートラインで高度維持して他のパイロットを観察、スタートウインドウクローズ2分前にベルギーチームがスタートするのが見えたので、これ幸いとスタートしました(さらにオランダも一緒にスタートするさらにラッキーな展開になりました)。
この4機でうまくフライトすることができ、93.4%の得点率、156km/hの速度になりました。これだけ高速で飛ぶためのライン取り、クラウドストリートのライン変更、本当に良いところだけでのクライムはとても勉強になりました。
着陸後のMARU

よく見ると、喜びの舞を舞っていました(笑)


明日はレストデイ。前半戦無事終了です。

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