2014/05/24

ポーランド選手権 Day5

本日も雲一つない朝。
到着時の豪雨がウソのように晴天が続いています。
今日は昨日よりも風強し。風も計算にいれたレース展開が必要そうです。

こちらはブリーフィング前の様子。時間になると全選手が集まります。
毎日前日の優勝者の発表、気象情報、大会中の注意事項を伝える場。
前列にはベテラン勢が座り、後列には若手が座っていますね。

この大会、Maruの参加しているオープンクラスはポーランドナショナルで、国のNo.1を決める大会。そのためタスクも通常よりタフなものが設定される傾向にあるようです。Day3も「今日はオープンクラスは厳しい設定だね」と言ったら「ナショナルだからね。ちゃんと帰ってくるよ」と言われ実際にフィニッシュした選手が多数。(Maruはエンジン使ってしまった日です)日本でいうとフィギアスケートの日本代表選考と同じくらい世界的に見てレベルが高い大会のようです。この大会で順位がシングルになる人は世界選手権でもシングルになったことがある、もしくはなれる実力を持っていると考えられる、といえばこの大会のレベルの高さが伝わるでしょうか。

一方、スタンダードクラスは地方大会の扱いのため、若手の選手が多いです。が、その若手も侮れない。天才的なパイロットもいますし、若手女子も参戦しています。こちらもハイレベル。
そしてこちらの写真、サングラスをしている人はみな選手。右からパイロットのMarta(T4)、Maruの友達のJakub(D2)、Monikaの友人、パイロットの Monika(LC) 。全員20代前半、スタンダードクラスに出場しています。


この大会、ポーランド大会の特徴でもあるようなのですが、ほとんどの選手がCrewなしで参加してます。グループ参加しているチームもありますがメンバーはみな選手。基本的には朝の準備から片づけまで自分主体で作業。出発時の翼端持ちなど、1人ではまかないきれない部分は手の空いている人をつかまえて手伝ってもらう、という光景がしばしば。他のスポーツでいうと、ゴルフツアー戦にキャディなしで参加するようなもの。Crew無しの場合、金銭的な負担が少なく参加できる反面、トラブルが発生した時も自分で処理しなければならず、選手の負担は大きくなります。
女子パイロットもクルー無しで参加しています。一人で機体の準備して、テールドーリーは重たくて持ち上げられないので手伝ってつけてもらって、でも一人で参加してます。うーん、このたくましさはどこから来るのでしょう。ポーランドの強さの秘密はこういったところにあるのかもしれません。


スタンダードクラスの多くを占める「JANTAR」というグライダー。ポーランド製です。どっちを向いてもJANTARだらけ。Discusほどカタログの滑空比は良くありませんが、昨日もトップは平均速度127km/h です。フルバラストでかっ飛ばすとものすごい飛ぶそうです。


さて、話をオープンクラスにもどしますと、、、


今日は天気はよいけど上昇気流の発生が昨日よりも遅く、最初は5時間で出されていたAATタスクのタイム設定が4時間15分に短縮されました。とはいえど、500km近くの距離を飛ぶことになりそうな計算。

風も昨日より強く、またまたタフなレースになりそうです。

気象条件が揃うまで待機中。その時間を使ってMaruは早めのランチイム。
Maruの勝負メシ「おにぎり」を食べながら空を観察。今日はブルーコンディション(雲が少ない)のため、昨日までのように雲を目印に飛ぶだけでは上昇気流を見つけられず、知識・経験が問われるレースになりそう。


動きがあわただしくなりました。発航開始です。雲はそんなにはっきりしていませんが上昇気流は出てきたようです。

Maruも出発!今日も「あわてず」「深呼吸」を忘れずに。

今日のような青空が広がる日を「ブルーデイ(Blue Day)と呼んでいます。空気が乾燥し湿度が少ないため上昇気流の目印となる雲はほとんどないのですが、上昇気流はこの青空のどこかにあります。「サーマルが見えない日」です。
昨日とは気象条件が違っています。はたしてどう戦うのでしょうか?


午後3時をすぎ、気温は30℃に。でも湿度がないため日陰は涼しい。変わらず雲のない空。なかなかシビアな状況が続いています。

16時過ぎ。今日のタスクは滑空場上空を往復するタスクだったため、フィニッシュしていないけど滑空場に戻ってきたアウトランディング扱いのグライダーがちらほら。

17時15分ごろから少しづつフィニッシュしたオープンクラスのグライダーが帰ってきました。17時半すぎ、無線から「ロメオ・インディア(RI) テンケー(10km手前)」のコール。Maruが帰ってくるようです。さて、今日はエンジン使わずに帰ってこれたのか?各選手口々に「今日は難しかった」と言ってますけど。。。


開口一番「いやーつらかった。もうちょっといけると思ったんだけど、いまいちかな」

が、結果を見てみると思ったよりも好位置に!約半数がフィニッシュできなかったことを考えると今日の出来はよかったのでは。   本日の結果
昨日までぶっちぎりでトップを走ってたKarolが本日アウトランディングしてしまったことにより、誰が優勝するのかわからなくなってきました。

師匠との結果を見比べて今日の振り返りをしていたら、アウトランディングしたグライダーを迎えに行く人たちが続々と。
午後7時。いつもならみなグライダーを係留している場所がごらんのとおり、、、空っぽ。ほとんどがスタンダードクラスのようです。100km先にアウトランディングしてしまった人もいるらしく、荒れたレースになりました。

明日はいよいよ最終日。
天気は明日まで晴れ予報。有終の美を飾るべく、「深呼吸」してがんばるぞ!

赤石 (撮影:OLYMPUS STYLUS 1)

パイロットコメント

高気圧に覆われるのが続いてドライな空気に、高気圧も後面で次の谷が近づきつつあるので、風が強くなり、逆転層がそこかしこに有り、ブルーで風の強いときの特有なチョッピーで上がりづらいリフトになりました。強いところはストリートが出来るのですが、ストリートがなくなると次の雲まで40-50km のグライドを強いられます。スタンダードクラスはブルーを飛び越えられず全機アウトランディングになりました。オープンクラスも前日までトップを独走してきたKarol選手がアウトランディングの波乱。こういう日はとにかく一人になってリスクを背負ってはいけないのでガグルを利用してリスクマネージメント。スタートはKarol に fake start をかけられた後にCentka を発見できてタイミング良くリスタート。1st turn point で遅れてしまいましたが冷静に 2nd ガグルに合流。3rd leg で再度遅れますが冷静に3rd ガグルに合流、時にはガグルが上がってくるのを待って、遅れはしたものの冷静にフィニッシュしました。従来はガグルから遅れると頭に血が昇って低い高度で追いかけてしまい、失敗したケースが多かったのですが、とくに16:00から全面ブルーになってからは頭を切り換えて飛びました。でもラストクライムは緊張のあまり足がガクガクになりました。。

0 件のコメント:

コメントを投稿