2014/06/28

2014/03/23 国内トレーニングday8

福島縦断 安達太良wave


コンバージェンス から吹き抜けでwave に変わる難しいコンディション。
スタートの早かったTさんDG400はコンバージェンスで福島空港アビームまで北上、コンバージェンスが崩れたところで南下してきて黒磯滑空場対地2000ftからローターであげなおし。

曳航が混み合ってスタートの遅れた我々はコンバージェンスで矢板までは順調でしたが矢板付近からコンバージェンスが崩れはじめ、迷いながらwave探索に舵を切ったのが結果的に上手くいきました。(矢板で一度東に行っているのはそのためです。
流され方からも急に矢板から風が強まっているのが分かります。
Iさんのwaveエントリー方法はさすがで、勉強になりました。

wave に入った後はしっかりしたwaveで雲の前面とGPSのトラックを20-30度の間、南行きは200度に
保つように、上昇率に合わせて速度を変えて、速度を変えた際にはトラックを維持するようにヘディングを変更。

宮城県内はオーバーキャストだったので福島市でターンして南下。
那須で時間があまったのでターンして2往復しました。

那須~安達太良山のルートを都合2往復4回通ったので毎回少しづつルートを変えてみて雲の見え方と山との距離で強い場所を試してみました。
夕方になるほど安定層がしっかりするためかwaveは強くなりました。
東京コントロールは親切で、TさんDG400と150m差でヘッドオンほぼ同じコースで相対速度400km ですれ違った際も適切なレーダーサービスが受けられました。
(東京コントロールとのコンタクトは、巡航高度に幅を持たせて、ヘディングを変える際には事前に一報するのが良いようです。)

帰りは板倉周辺も全面wave で降りるのに苦労しました。

今週も弱い冬型。 弱い前線が通過している
前線通過直後のコンバージェンス。南から、利根川風系の境目のコンバージェンス、日光山系の東端に宇都宮盆地の空気との境目に南北のコンバージェンス。太田原で吹き抜けているのでその南にコンバージェンス

次第に北側の高原さん近辺のコンバージェンスが崩れ始める
白河が吹き抜け、日光、宇都宮盆地にかけて吹き抜けて傾向が始まり出す

宇都宮盆地も吹き抜ける。那須近辺、白河から北も吹き抜け
15:00 さらにまだ後ろに前線あり
3000m の風。北(仙台)ほど上空の風が強い。風が強すぎると仙台のあたりは手前の山の低いところが脊梁山脈での風が止まらず抜けてしまう。

猪苗代湖近辺。このあたりは山が低いが、湖の安定層があることでwaveは安定する


スタート直後の鹿沼付近のコンバージェンス




先行するDGを追いかけることに、まずはコンバージェンスを使って北上


太田原の南 


黒磯付近のwaveの雲 前面(左側)が壁の様に立ちはだかり、雲頂にキャップクラウド。南から北を見て撮影。この前面(西側)でwave in

離陸後鹿沼方面 コンバージェンスがつながる

雲頂のキャップクラウド


那須の東でwaveに入ったところ

那須の山を西に見ながらwaveで上昇

完全に雲の上に

20,000ftに見える逆転層 PM2.5 ? 黄砂?


綺麗なフェーンギャップ












wave 第2波のギャップ その先は太平洋





安達太良山でターンして南下中








猪苗代湖

2014/06/26

[Crew Work] アウトランディング時のポジションレポートとリトリブの方式(Garmin利用方法、携帯電話、データSIM利用方法


アウトランディング時の連絡方法とリトリブの流れについて

基本はエンジンを回して帰ってきますがエンジントラブルや、ストーム等による forced outlanding に備えたアウトランディングリトリブシミュレーション手順です。
  • 0. 事前準備
  • 1. 場所特定
    • SPOT でトレースを監視(Kさんのを借用予定)
    • アウトランディング後に携帯電話で緯度経度をパイロットから連絡
      • パイロットは Oudie  の緯度経度(60進)を連絡
        • Menu - Info ページ
        • 度分秒の60進数で表示される
        • 例 51:42:00, 17:50:30 これで北緯51分42秒00分 東経 017度50分30秒
    • googlle map にパイロットから連絡のあった Oudie GPS座標を入力して場所、Leszno からの所要時間、大体のルートを確認、
      •  例 51° 42' 00", 17° 50' 30" (Ostrow の飛行場)
      • 上記のように 60進の場合は google map の検索窓に 51 42 00 17 50 30 で入れるとそのまま緑矢印で出てくる
    • 道路地図と突き合わせて大体の場所を確認
      • 紙の michelin map Poland SW (30万分の一)で大体の場所を google map とつきあわせて確認(リトリブカーのダッシュボードに入れてあります)
      • パイロットは同じ地図を持っているので携帯電話越しにパイロットと大体の場所を相互確認しましょう。
  • 2. Garmin へ転送
    • Garmin POI loader を利用
      • Excel で csv ファイルを作成(上記リンクを参考)
      • csv ファイルは「経度」「緯度」「名称」で
      • 緯度 経度 名称(英語) で入力。100進で入力する。上記 60進で google mapに入力後、緑矢印を右クリックすると 100進がでてくるので、100進を入れる
      • csv ファイルを保存。PC に USB cable で Garmin nuvi を接続後、Garmin POI loader でファイルを指定してnuvi にアップロード
      • 「目的地検索」「下矢印」「下矢印」「その他」「カスタムPOI」「全カテゴリー」に入力したPOIが出てくるので、そこへ Go !
    • Garmin Communicator を使う場合(2014/04 現在 bug があり下記利用不可能)
      • Garmin Nuvi を USB ケーブルで接続
      • google map 上の座標で出ている右矢印を左クリック、出てきたバルーン上の座標を確認
      • 「その他」-「送信」 「ナビメーカー」 で Garmin を選択、わかりやすい名前をつけて保存
  • 3. Garmin で表示
    • 「目的地検索」「お気に入り」「全お気に入り」から先ほど保存した場所を選択して「出発」でルート案内されます
    • ないしは「目的地検索」「下矢印」「下矢印」「その他」「カスタムPOI」「全カテゴリー」
  • 4. 携帯電話の残量
    •  topup card の有無を確認
    • プリペイド携帯SIMチャージが無くなると電話が通じなくなるので要確認
    • 着信は出来る?着信があったSMSが届きます。電話がかけられないのに気がつかないときがあります
    • 足りないときは途中のガソリンスタンドで購入。Orange の Topup で 25 ズロチで通じます
    • レシートみたいなのをくれて、そこに14桁のコードが書いてあります
    • *125*14桁のコード#通話ボタン
    • チャージが完了するとSMSが来ます
    • ポーランドは平野なので、ほぼ全域で GSM 通信が可能です。3Gは主要都市のみなので、2012年時点では田舎は駄目でしたが2014年現在はかなり通じる様になってきています。
  • 5. データSIM 
    • http://www.doladowania.t-mobile.pl/
    • デフォルト 500MB 利用できなくなると wifi ルーターにつながらない X の表示が出ます
    • webからカード決済できないらしく、銀行決済の模様(debit?) ポーランド語だけでよく分からず、市内の店舗で topuup しました
    • あとは音声電話に差し治して topupバウチャーでtopupする
  • 積み込み、トレーラー連結、出発
  • 上記を事前に日本でチーフクルーとシミュレーション練習しておきます。

2014/06/22

私も世界選手権へスタッフで参加します!

ワールド本戦まであと約1か月半!
スタッフに加わりました、佐々木洋子と申します。
就職を機にグライダーを再開して3年、最近は丸山選手と同じ板倉滑空場で飛んでいます。
競技会参加が復帰のきっかけだったこともあり、最近はグライダー競技に興味津々です。

丸山選手が出場した5月のポーランド選手権では、夜な夜な現地の気象情報やその日のタスクをみて「こんな日はどう飛ぶのだろうか」と想像しながら眺めていました。
お天気は西から東へ変化する日本と異なり、ポーランド中心の天気図は東西でぐるぐる渦を巻き、どう変わっていくのかさっぱりわからない。。


大会後に丸山選手とそんなことをメールでやり取りしていると、「データサイエンティストとしてTEAM MARUのスタッフにならない?」とのお誘いが。
最終的に、クルーとして本戦にも参加することになりました!


本戦では「飛ぶ」以外の日々のルーチンをパイロットとともに進めながら、どんな情報から何を考えてどう飛ぶのか、また長い競技期間をどうつないでいくのか(日々のルーチンや翌日への切り替え)を学んできたいと思います。あわせて各国のグライダーパイロットと、今後お互いの滑空場に招待しあえる仲になれるといいですね:-)

というわけで、 今回のスタッフ参加を通して、
 1) 世界の選手たちがどんなことをしているのかを吸収し、
 2) 日本のグライダーパイロットに競技のおもしろさを持ち帰り、
 3) グライダー?あ、あの三角形の…、という人にグライダーの存在を知ってもらう、
ことを目指して、ブログやfacebookでも情報発信していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします!

佐々木洋子

2014/06/19

プロジェクト成立いたしました!

5月29日より行っていたクラウドファンディング
「大空の楽しさを若者に伝えたい!アラフォーパイロットの世界挑戦」

本日、プロジェクト成立となりました!

ウェブサイト上の募金額が100万円に到達したのです。

多くの皆様からご支援・ご声援いただけましたこと、厚く御礼申し上げます。
ありがとうございます!

ただし、本プロジェクトは引き続き6/29まで公開され続けます。
その間も募金が継続されるしくみなのです。

もし募金額が目標額以上に集まった場合は、チーム内で改めてミーティングを行い、その使途を皆様へお知らせします。そして後日、会計報告という形で必ずご報告いたします。

今回の取り組みで、私たちのメッセージはより多くの方へ届いたと思います。

「グライダー」をもっと多くの人に知ってもらい 
楽しんでもらいたい!

そしてまたこのプロジェクトを通じて私達の目指す「野望」を1人でも多くの方に知っていただけるよう、引き続き頑張っていく所存です。

皆様からのメッセージ、チームにとって大きな力となっております。
引き続きのご声援、どうぞよろしくお願い致します。本当にありがとうございます!!


TEAM MARU 一同



2014/06/18

2014/03/22 国内トレーニングday7

茨城縦断フライト

http://www.onlinecontest.org/olc-2.0/gliding/flightinfo.html?dsId=3493987
https://www.skylines-project.org/flights/28179/

板倉冬型で吹き抜けてしまい、ローカルは上がりません。20km 北 葛生のコンバージェンスまで曳航してリリースしました。
離脱後は山際の南北のコンバージェンスで北上します。山の影響で西風が弱まり、宇都宮盆地と日光山系の空気の境目ができています。
日光の谷は東風ですが、高原山のすぐ北の塩谷の風が吹き抜けていることがアメダスから分かりますが、吹き抜けの南に東西のコンバージェンスが発達しました。このコンバージェンスを利用して東へ。
水戸の平野は南風がはいり、水戸平野の北の台地の境目に東西のコンバージェンスがさらに海まで続きました。

宇都宮盆地西の山際の南北のコンバージェンス(緑線)で北上後、男体山から東西にできたコンバージェンス(赤線)で東へ移動
谷が抜けて昼から冬型が一時的に強まる


離脱後のリフトであがりきり、まずは男体山へ北上


日光市の南から北(高原山)を見る。日光の谷から北側はブルー 今日は高原山にはコンバージェンスがありません

日立市のあたり 海まで東西コンバージェンス



常陸太田市のあたりから西高原山方面を望む

那珂川の流れる水戸平野のコンバージェンス ずっと南には霞ヶ浦のあたりにもう一本別のコンバージェンスが見える

男体山方向へコンバージェンスを戻る ひたすらドルフィンで

中禅寺湖まで戻ってきた。

順番がずれたが行きの三菱喜連川テストコースのあたりから東

那珂川御殿山町のあたりの日野自動車テストコース

水戸平野の北側の台地の際を東西に海まで続くコンバージェンス。南風でトリガーされている




日立市のあたりから北側 海岸コンバージェンスで北にも移動可能



2014/06/15

はじめまして! 世界大会に参加する学生クルーの大熊です


みなさんこんにちは!

このたび学生クルーとして、2014年グライダー世界選手権に参加する早稲田大学航空部3年の大熊勇生と申します。現地では地上作業の支援、ブログの投稿などを担当いたします!Team Maruの平均年齢からかなり離れた20歳ならではの視点から現地の様子を皆様にお伝えしていきたいと思います!


私のグライダー人生:

大学入学と同時にグライダーを始め、飛行経歴は現在約35時間。7月中の自家用操縦士の技能証明(ライセンス)取得に向け猛勉強中です! 


卒業後もグライダーを続け、25歳までにジュニア世界選手権(25歳以下)に出場、その後の継続的な世界を舞台にした大会に参加することを目標にしており、学生のうちから海外のグライダーを生で見られることはこの機会を逃しては来ない!と思い、学生クルー募集に応募しました。

学生クルーとして参加するにあたり:

今回の世界選手権では、「海外の同年代の人たちがどういうレベルにあるのか」、「どうしてヨーロッパでは日本に比べグライダーが受け入れられているのか」、実際に現地で見なければわからないことを学び、日本の環境にどのように取り入れることが出来るかを考えるヒントを得られればと思います。

また、日本の現在のグライダー環境の中でどのようにしてグライダーの機材としての性能を最大限に生かした練習が出来るのか、グライダーを生涯スポーツとして選択する人(つまりは私と同年代のグライダーパイロット)をどう増やしていくのか、を研究していきたいと考えています。


さいごに:

今回学生のうちから世界を見るチャンスを下さったTeam MaruのメンバーならびにTeam Maruをご支援いただいてる皆様には、大変感謝しております。

それでは今後ともよろしくお願い致します。

2014/06/12

【注意!】クラウドファンディング引換券購入予約をされた皆様へ

5/29より開始したクラウドファンディング

「大空の楽しさを若者に伝えたい!アラフォーパイロットの世界挑戦」

も折り返しの時期に入りました。
6/12現在で42名もの方から支援表明いただき、チーム一同感謝いたしております。
そしてこの場をお借りしましてみなさまに心より御礼申し上げます。

本当にありがとうございます!

でも「引換券購入予約」された皆様にご確認いただきたいことがございます。

① まずファンドサイトの「応援コメント一覧」にご自身の名前があるかどうかご確認ください。 複数ページございますのでご注意ください。

② READYFORのアカウントにログインしたのちTEAM MARUのファンドサイトを見て、右側に以下のメッセージがあるかどうかご確認ください。





いずれも確認出来なかった方、いらっしゃいますでしょうか??
その場合、まだ「引換券購入予約」が成立しておりません。。。

実は「引換券を購入したよ!」と表明してくださった方の中で数名の方の購入予約が確認出来ない、という状況が続いておりました。

やむなく直接ご連絡して確認させていただきましたところ購入予約が完了していないことがわかりました。

この場合、達成金額には反映されず、パイロットからの御礼メールも届かず、お約束の品も届きません。ご支援いただいたお気持ちそのものが「なかったこと」になってしまうのです。

原因を確認しましたところ、ほとんどの方がREADYFORから届く最初の「アカウント確認メール」にて支援の手続きが完了したと考えていらっしゃることが分かりました。

実はアカウント作成後、クレジットカード情報の入力まで進まないと手続きは完了しません。もちろんすぐに決済が行われるわけではなく、6月29日の締め切りの時点で目標額に達成した場合にのみ決済が行われるようになっています。

もしかして他にも同じ状況の方がいらっしゃるのではないでしょうか?

実は電話やメール、フェイスブックなど、たまたま別の形でご支援のお気持ちが確認できた方には個別にご連絡できたのですが、READYFORを介してのみご支援表明をしていただいた方は、上記手続きが完了しない限り、我々にそのお気持ちが届くことはないのです。

私たちはご支援いただいた方全ての皆様に感謝の気持ちを送り届けたい、と考えております。

「支援表明したのにチーム側から何の連絡も御礼もない」という状況は何としても避けたいのです。

ご面倒とは存じますが、どうか今一度ご確認をお願い申し上げます。

そして引き続きのご声援を、よろしくお願い申し上げます。

TEAM MARU 一同




2014/06/10

2014年度 関東地区新人講習会

 先日のブログ記事でお知らせしましたが、6/7(土)に青山学院大学青山キャンパスにて公益財団法人 日本学生航空連盟 関東地区新人講習会にて講演を行いました。この講演は日本学生航空連盟の関東支部に所属する23大学の新入生を対象にして、グライダースポーツの楽しさを伝え、新入生同士の交流を目的に行われています。私自身も24年前の大学入学時に参加したことを覚えています。

 今年の参加者は約160名の新一年生の内約150名が参加とのことです。ここ数年は130名前後で推移していたのですが今年は増えたとのこと、やはり景気の影響でしょうか。バブル末期に入学した私の頃は250名以上の一年生が居たと記憶していますので、その頃には及ばないものの、部員数が増えることは良いことで、アベノミクスに感謝です。

 テーマは「妻沼から世界へ グライダースポーツの世界へようこそ」。新人向けの講演は2011年から依頼を受けて担当していて、少しづつ形を変えながら今年で4回目になりました。


私は才能に恵まれている人では無く、全然上手くなかった学生時代


グライダースポーツの楽しみは空を飛ぶこと!


学生の頃考えていたのは「クロスカントリーやってみたーい!」


グライダー世界選手権とは?


私が競技フライトに出る理由は?本田圭佑選手の言葉を引用させて頂きました。


目標の大切さ


世界に目を向けよう!


学生のうちにやっておくべきこと


講演後は質疑応答を行いました。150人も居る様な会場で直接質問をすることは気が引けてしまう方が多いと思いますが、「グライダーパイロットには自分の意志を通す積極性が大事です」という話をすると7-8名の1年生が手を上げました。良いですね~。

今日お話しした内容は私の考えをまとめて日本学生航空連盟の機関誌「方向舵」に掲載していますので、リンクを掲載しておきます。
多くのグライダーパイロット候補生が是非グライダーの真の面白さの世界に早く触れて、将来的に世界に出て行けるパイロットになって欲しいと思っています。

丸山



2014/06/04

丸山が世界選手権で乗る “ ASG29E ” はこんな機体

ご声援、ご支援ありがとうございます!

ASG29E と 丸山。5月のポーランドナショナル大会にて。(撮影:STYLUS 1)



みなさんこんにちは。広報班です。

5月30日より始めたクラウドファンディングでは予想を超えるペースでご支援の申し込みをいただいております。

本当にありがとうございます!

何よりもパイロットの丸山自身が一番驚いており、
初日の夜は興奮して寝られなかったそうです。

実際のところ、ひとりの人間がおおやけにプロデュースされ、多くの人から支援を受ける、という機会はなかなかないことかも知れません。でも、その原動力となるチームを作り出したのは丸山とチームリーダーの赤石自身。我々チームは彼らの夢に自分の夢を乗せ、日々活動しているだけです。

そして我々チームが丸山の乗るグライダーだとしたら、
皆さんからいただいている風は紛れもなく「上昇気流」です。

その気流に上手く乗り、続く7月の世界大会で満足の行く成果を手に入れたいものです。
「それはパイロットと私たちチームの総合力にかかっているのだ!」
と、あらためて気を引き締めています。

どうか今後とも TEAM MARU の活動にご声援よろしくお願いします。


丸山が世界選手権で乗るグライダー


さて今日は実際に世界大会でお借りする予定の機体のご紹介をしたいと思います。
今のところベルギーの個人オーナーにお借りしてドイツ経由で1100km の陸送を経てポーランドへ運ぶ予定です。

アレキサンダー・シュライハー式 ASG29 (出展:http://www.alexander-schleicher.de/)

グライダーの名前は アレキサンダー・シュライハー ASG29 といいます。

グライダー発祥の国ドイツはアレキサンダーシュライハー社製の高性能機で、リリースから9年が経とうとしていますが現在でも非常に人気の高い機体です。それだけ信頼が熟成されている機体ともいえます。

丸山が参戦する18mクラスのエントリーリストを見ても48人中28人、実に58%のパイロットがこの機体です。つまり勝ちを狙いに行ける機体でもあるわけです。ただしF1などと違ってグライダーはコンストラクター(機体)の優劣を争うしくみはありません。性能の違うグライダーに対し、機体の優劣を相殺する係数が定められており、あくまでパイロット技量の比較がメインになるように運営されています。

シュライハーASG29 (出展:http://www.alexander-schleicher.de/)


全長は約6.6m、全幅は15mまたは18m。翼端のパーツを交換することで翼の長さを変えられます。昨夏のヨーロッパ選手権で丸山が使った シュンプヒルト社 の ディスカス2cT も同じように翼端交換式でしたがあの時は15mクラスでの参戦。今回の世界戦では18mクラスというさらに高性能なクラスに挑戦するので、参戦パイロットの技量も自ずと高いものになることが予想されます。

ASG29の感想を丸山に求めると「基本性能が高く、クセがなく扱い易い。ひとつの性能がトンがっているというより総合性能に優れるタイプ」とのこと。

とはいえこれは競技機に慣れたパイロットのコメントです。クルマに例えればF1とまでは言いませんがシングルシーターのスーパーフォーミュラクラスの機体ですので、スティック操作や姿勢変化のキレ味は練習機と全く違います。正直、初ソロに出たばかりの練習生が安全に離着陸させられるような機体ではありません。

ただ、これでは乗ったことのない私たちには一向に想像がつかないので、その性能の指標となる数字をひとつ挙げておきましょう。

それは「最良滑空比」です。

滑空比とは「沈下距離に対する前進距離の比」のことです。
分かり易く言えば「1m降下する間に何m前に進むことができるか」という数字です。

これは航空機用語でいうところの「揚抗比」の値と等しく
揚抗比は英語で L/D(エルバイディー)Lift to Drag ratio といいます。
そしてグライダーのカタログには BEST L/D が記されていますから
この数字をそのまま「1m降下する間に前進できる距離」に読み替えることができます。

いろいろ調べますと空を飛ぶ乗り物の一般的な滑空比はこんな感じだそうです

パラグライダー:7~10前後
ハングライダー:13~15前後
シャンボジェットなどの旅客機:17~18前後
セスナやゼロ戦:7前後
F4ファントムなどのジェット戦闘機:8.6くらい

ついでに言うとトンビなどの鳥は翼を広げた状態で10~15くらいあるのだそうです。

そして私が学生時代に乗っていた練習機 ASK21は33.5、昔ながらの鋼管フレーム+羽布張りのASK13ですら28ありましたから、他の乗り物に比べいかにグライダーの滑空比が優れているかわかります。

手前がASK13、奥がASK21。25年前の学生時代の訓練より。機体班の丸山は一番手前黒シャツの機体押し。






そして丸山が乗るASG29 の最良滑空比は…なんと「50~52」です。
1m降下するのに50m進めるわけですから、
高度が1,000mあれば50km先へ進むことができるワケです。

まさに空を滑る飛行機。滑空機とは素晴らしい訳語を与えたものです。

ASG29 (出展:http://www.alexander-schleicher.de/)

いかがでしょう? 丸山が世界戦で使うグライダーの性能の一端がお分かりいただけたでしょうか。でも競技ではスタートからゴールまでの平均時速、つまるところタイム争いになります。そうすると時速100km前後のゆったりした最良滑空比で飛んでばかりいては勝てません。

その辺りがパイロットのウデの見せ所となるワケですが、
その話はまたいずれいたしましょう。


エンジン付きのグライダーを借りるワケ


丸山の機体は正確には ASG29E といいます。

最後の E はエンジンを搭載したモデルであることを表しています。18馬力程度のエンジンですのでグライダーを離陸させられるほどのパワーはありません。でも上空で巡航させることができます。徐々にですが高度を稼ぐことも可能です。

ポーランドナショナルで借りたASG29E(撮影 STYLUS 1)
本来はクロスカントリーフライト時に上昇気流が無くなってしまった場合に不時着を避けるために使うもので、競技でこれを使ってしまうとその時点でアウトランディング扱い、つまりゴールに辿り着けずどこかの畑や野原に降りてしまった状態…になってしまいます。

ではなぜ丸山はエンジン付きの機体を選ぶのか?

答えはひとつ。不慣れな地でアウトランディングするリスクを避けるためです。

アウトランディングすれば借りている機体を損傷させてしまうかもしれません。それに、救出に向かう地上班はそれこそ不慣れな地でハウストレーラーを牽引しながら右往左往することになります。日が落ちてしまうかもしれませんし、グライダーを畑でバラして道路に引き上げねばならないかもしれません。それにはそれなりに人手が必要になります。でもいつもいつも、そんな多人数のチームを組むワケにもいかないのです。

ポーランドナショナルで借りたASG29Eとハウストレーラー(撮影 STYLUS 1)


競技ですからみんなギリギリのところで攻めています。予測も付かない天候の悪化が起きたりする場合もあれば、明らかに気象条件を超えた長さのタスクをセットされ、全機アウトランディング、なんてことも実際に起きてしまいます。そんな時、エンジンのないチームは「すわスクランブルだ!」とばかりにハウストレーラーを牽引して救出に出発します。

ほとんどが畑などに着陸するワケですが、着陸時の具合によってはランディングギアの組みバラし等の整備が必要になる場合があります。程度によってはその後の競技を欠場せねばならなくなる可能性も否定できません。

これではいくらパイロットが「前向き」で「起きたことにクヨクヨしない」人種とはいえ、そのプレッシャーが競技に影響しないわけがありません。日本なら電話1本で仲間を集めることもできるでしょうが、そこはアウェイなのです。

アウトランディングしないにしても、低空になれば心臓バクバクです。そんなときも、エンジンを背負っていれば、最後までサーマル探索に集中できます。

丸山が常々言っているとおり、グライダーはとてもメンタルなスポーツなのでこういった後顧の憂いを地上で断ち切ってしまうことが上空での「全力トライ」への近道になるはずです。

ASG29E (出展:http://www.alexander-schleicher.de/)


逆に動力の存在によって気持ち的に「甘えが生じてしまう」とか機体が重くなって条件の厳しい時の上昇効率が悪くなる、というデメリットも生まれます。

どちらがいいか、よく考えた末の選択ですがこの方法はアウェイで機体を借りねばならぬ小さなチームには合っていると思います。


グライダーの競技は長く、借りる期間はもっと長い


世界選手権の競技は正味2週間です。

ただその前の公式練習やベルギーからの運搬日を含めると、私たちは機体を約3週間お借りせねばなりません。その予算と移動にまつわる費用は為替レートにもよりますが80万円前後と予想されています。私たちはその額面を今回クラウドファンディングとして皆さんからのご支援を仰ぐことにいたしました(※100万円のうち17%はクラウドファンディングの手数料。そして 8% の消費税)。

ASG29 (出展:http://www.alexander-schleicher.de/)


挑戦するからには勝てる機体で、そしてチームが安心して運用できる機体で臨みたい!
そしてこの成功を次の世代に! さらにはグライダーの認知促進を!

それが TEAM MARU のスタンスです。

もしこの趣旨にご賛同いただけるようであれば、
ぜひごご支援、ご声援よろしくお願い申し上げます。

クラウドファンディングの詳細はこちらをご覧ください↓


2014/06/02

丸山 毅 講演等のお知らせ


TEAM MARU パイロット 「丸山 毅」 の講演等についてのお知らせです。

①東日本学生航空連盟関東地区学生委員会主催「関東地区新人講習会」(開催地:東京)にて講演を行うこととなりました。

日時  2014年6月7日(土) 13:00〜17:00
内容 「妻沼から世界へ!」

*こちらの講習会は東日本学生航空連盟関東地区に所属する新1年生を対象としております。一般の方の聴講はできません。


②Soaristが主催する「Soarist Cafe」(開催地:東京)へ参加いたします。

日時  2014年6月21日(土) 17:30〜20:30
場所 東京都渋谷区 東京体育館
 
ご興味ありますユース世代の方はこちらよりお申込みお願い致します。
Soarist Web : http://soarist.ciao.jp/

丸山のもつ「海外で飛ぶ」ために必要と思われること、スキルをユース世代にシェアできる機会。選手権に出るだけが海外で飛ぶことではありません。「海外でフライトしてみたい」と思っているユース世代の方と一緒に話せることを丸山も楽しみにしています。

TEAM MARU チームリーダー 赤石