2025/08/12

グライダーヨーロッパ選手権大会2025(Békéscsaba) Day12〜Day13&閉会式

7.Aug Thu Competition Day12
Task:RC Polygon with 4 points Distance:293.1km

晴れてます。高層に雲があり涼しい北風が吹いている朝です。空気もドライになりました。
涼しい北風が強く吹いてます。

本日はブルーデイ。積雲はないのでブルーサーマルを探して飛びます。これまでのように空の雲をさがすのではなく、地上の地形や風向きを考慮するなど異なった方法でサーマルを探すことになりそうです。

ブリーフィング後、タスクを入力。入力したデータをフライトコンピュータにインストールします。タスクを入力することでコースイメージや気をつけるポイントを頭に入れます。
7/26から始まり、まだ大会やってるの⁈と思う方も多いと思います。カテゴリー1クラスの大会期間は2週間となっています。様々な気象条件のフライトを通して真のチャンピオンが決まるのです。ここまで6レース飛べています。あと2日となりました。

本日はTaskAです。約300キロのレーシングタスクになります。昨日までとは異なるブルーコンディションの中、レース始まります。


青空です。風は変わらず北から吹いています。


ランウェイは広いので自転車で移動する人も

各機、毎日グライダーを磨きます。翼は特に。空気抵抗が減り上昇率が変わってくるそうです。




どうしても旋回中に力が入ってしまうようです。「あわてず、あせらず、あきらめず」そして「リラックス」を心がけて飛んできてほしいですね。
あわてず、あせらず、あきらめず

出発!

ゲートオープン13:28。日本とハンガリーの時差は7時間
オンライントラッキングで観戦できます。

15:05 今日はブルーコンディション。サーマルをみつけにくいこともあってか、集団でオンコースで飛んでいます。クラウドストリートコンディションとは飛び方が違います。

15:45 無線入りました。残り80kmほど。ここまで順調らしく、声のトーンが明るいです。

16:13 上げ直して前に出ました。上がる調子、良いようです。

16:20 ファイナルグライドコール入りました

地上からトラッキングをみていても安心できるフライトでした。では、パイロットのながーいコメントをどうぞ!

<パイロットコメント>
昨日のフライトは思い返してみると、前半はクライムがうまくいってたのに、後半はクライムがうまくいってなかったことに気がつきました。違いは前半は水バラストあり(30秒ダンプ)、後半はコンディションが悪化したため水バラストを全部抜いた状態であったことでした。

水バラスト満タンの状態と空の状態でどのようにクライムのハンドリングを変えればいいのかわからなかったので、朝のブリーフィングのあとにデンマークのArneさんに相談してみました。昨年Jonker社のグライダーを借りた際に、ArneさんのJS3ハンドリングのメモをいただいていたためです。(ArneさんもJonker社のエージェントの一人)
Arneさんは私のような素人の質問にも親切に答えてくださいました。満タンの時も空の時も最低速度は105km/h以上をキープすること、上がりを良くしようとして速度を抜いてしまうが、水バラストがカラの状態でも105km/hを割らないようにしたほうが良い。そのためにはホライズン(水平線)をよく見ること。ホライズン見るためには、体を引いて計器版の角の線と水平線を重ねてみると良い、とアドバイスをいただきました。(カラにすると105km/h以下でも飛べてしまうのですが、サーマルでのクライムレートが相対的に下がる状態になってしまうとのこと。バックポーラーに入っているけど、翼の状態が良いので、失速状態にはなってないけど効率的に揚力を作り出してない状態になっている状態だと思います。ASK23で飛行している人がLS4に乗り換えた際に、ASK23と同じように速度を抜きすぎるとLS4では上がらない、のと同じ話です。あまりにJS3の水バラストをカラにしたときの低速のハンドリングが良すぎて、感覚だけで操縦したことの弊害と思います。)
ホライズンを見る、なんてフライト初心者にするアドバイスのようですが、確かになるほどと思いましたので今日はホライズンを見ることを心がけて「ホライズンの歌」を歌いながらサーマリングすることにしました。
本日のコンディションはブルーでトップは1500m、強さは2m/s以下と弱めのコンディションが想定されており、290kmのレーシングタスクが設定されました。平均速度は100km/h位まで下がるだろうと想定しましたが、実際は2m/s以上で120km/h位のコンディションになりました。
スタート待ちのゲームになり、イベントマーク3回目でようやくスタート。ベストなスタートができ、フィンランド、スウェーデン、エストニアのガグルとスタート。後からオランダが追いつき、前半はオランダに引っ張ってもらえました。クライムはホライズンを意識することでうまくいった気がします。
北寄りの風が吹いており、トリガーポイントからよくトリガーしてサーマルが上がっていたと思います。
後半はホライズンに続き、強いところで絞るとぐいぐいと上がっていくのが分かり、今までクライムで追い付くためになんとなく出来ていたときがあったこと(出来ないことが多かったこと)がようやく言語化できた気がします。
フィニッシュは380m以上のつもりだったのですが、フィニッシュリング通過直前にオープンクラスに真上から抜かれてびっくりしてしまい、プルアップを忘れて▲6mフィニッシュとなり減点されたのは残念でした。が、得点率としては94%でしたので、良い結果だったと思います。

2025/08/08

グライダーヨーロッパ選手権大会2025(Békéscsaba) Day9〜Day11

4.Aug Mon Competition Day9
Task AAT with 4 areas
251.4km/491.4km(364.9km) Time:2:30:00

朝方の雨はあがり、雲はでていますが日射もさしてきました。今日は10:00のブリーフィング後からグライダーのランウェイに運ぶよう連絡があり、いつもの朝よりゆったりした空気が流れています。

朝の準備中

朝の作業を終えて移動します。

計測してランウェイまで移動します。520kgぐらいあるので車で牽引します。

ブリーフィングでは前日のデイリー3位までが各クラスごと表彰されます。Maruにもワインをゲットしてほしいなー、とクルー達は日々思っています。

ブリーフィング会場
デイリー3位までの選手には大会ラベル入りのワインが贈られます。
20mクラスの表彰

本日のタスクはAAT。先日までとは気象条件も変わり、飛び方も変わってくると思われます。今日は曳航開始13:00なのでスタートできるのは14:30くらい、2:30のAATですので17:00ぐらいにフィニッシュで考えています。ポイントのエリアをどこまで攻めるか、で距離が変わるためその作戦も考える必要があります。



Task cancelled
本日は天候いまいち、ということらしく残念ながらキャンセル。(昇温が予想より遅れたとのこと)
撤収します。
積んだ水を抜きます

タスクBで1.5時間とかなら出来そうでしたが、タスクを用意していなかったようです。
残念ですが、また明日!

2025/08/05

2025 23rd EGC 観戦方法(オンライントラッキング)〜Onglide〜

〜EGC2025オンラインでの観戦の方法〜

今大会は2つのオンライントラッキングで観戦ができます。
日本とハンガリーの時差は7時間です。

★ツールの使い方★
OnGlide 
1.OnGlideをたちあげる https://egc.onglide.com/?className=Meter18
2.画面右上に選手一覧が表示されます。チェックしたい選手をクリック。アイコンがピンク色になり、選手一覧の下に現在の情報が表示されます。
 MARUは「AX」です。


Vario 現在の上昇率を示しています。
Speed 現在のタスク飛行中の平均速度を示しています。
Distance 現在のフライト距離を示しています。

Classの記載がある行のアイコンをさわってみると、見え方が変わります。お好みの見え方を探してみてください。


応援する選手のコンテストNoが記載されたアイコンは大きく2つの動きをします。
・グルグル回っているとき 
フライトのエネルギー源である「高度」を獲得するために上昇気流をつかまえて上昇中。Altitude の数字(高度)があがります。Varioの数字が+の時は上昇中です。「いいぞ!」と思ってください。 


・直線で進んでいるとき
獲得した高度を使ってかっ飛ばしてます。Speedをみてください。現在時速何キロで飛んでいるか、がわかります。「行けー!」と思ってください。

3.こんな時は...

・数機一緒にグルグルまわっている。
他の選手と共に上昇中です。下に出てくるAltitude の数字(高度)がグイグイ上がってきたら「いいぞいいぞ!」と思ってください。

・他のグライダーが直線で飛んでるのにAXがグルグルしている。
 他の選手に追いつくため、高度を獲得してます。「もう一踏ん張り!」と思ってください。

・グルグルしているのに、Altitudeの数字が500m以下のまま。
高度がなかなか獲得できず、とってもツライ状況です。「ここで粘って!」と思ってください。

Glide&Seekも提供されています。お好みの方ツール、もしくは両方使って観戦を楽しんで下さい!



2025/08/04

グライダーヨーロッパ選手権大会2025(Békéscsaba) Day6〜Day8

1.Aug Fri Competition Day6
Task RC Polygon with 5 points
Distance:546.7km

快晴です。
朝10時の北東方向。青空の中に1つだけ雲が見えます。

今日はレーシングタスク。ロングタスクがでました。ゴルフだとパー5ホールのイメージです。
長めのタスク設定です。
ブリーフィング後のミーティング。 暑いハンガーの中では机の上のハンディファンはみんなに羨ましがられます。

青空の中に雲が1つ出来ていました。空の空気も活性化している模様。今日はアーリースタートを意識して、条件が弱くなる前に帰ってくる戦略です。
暑くて熱い1日になりそうです。

11:30曳航開始
上空にはクラウドストリートができています。
雲がどんどんできてきました。

雲のでき方

クラウドストリート

次に出発です。
曳航機到着
出発!
次々と発航させるため、スタッフが頑張ってくれています。

このような日は上昇気流を探すのに雲を利用します。早めにスタートする、と言っていましたが今日はどのようなフライトになるでしょうか?

グライダーが飛び立ってしまうと、地上からは飛ぶ様子を直接見ることができません。
そのため、トラッキングシステムをつかって各競技グライダーの位置を確認します。
今回はGlide&Seekというツールを使っています。
観戦方法はこちら
先頭のガグルと一緒に第一旋回点をクリアして第二旋回点に向かってます。

この先、ブルー(雲のない)エリアがあるようで、地上からクルーが無線で情報いれました。

地上ではクルーが衛星写真や気象情報、他機の動向などの情報を適宜上空のパイロットに無線で送ります。グライダーレースは情報戦でもあります。クルーの役目は重要です。

前日無線の到達距離が80kmほど先から届かないことが発生しました。
他国の無線の状況を各チームにヒアリングしたところ問題なしだったとのことで、日本チームのアンテナ設置場所の横の樹木の陰の影響が考えられたため、アンテナ設置場所を空の開けた場所に移動しました。
おかげで150km先まで届くようになりました。
飛行場の西側には良さそうな雲が広がっています。


ロングタスクを飛びきりました。集団から離れるとこなくよいレースだったと思います。お疲れ様!


<パイロットコメント>
本日は540kmタスクで想定平均速度は130km/h、4時間10分位のレース時間を予測していました。サーマルコンディションの終わりが16時半から17時の予報なので、13時にはスタートしたいと思って飛び立ちました。サーマルタイムに対してタスクが長いため、スタートスロットの選択肢が少なく、結果10分位の間に全機がスタートする展開になり、私にとっては飛びやすいコンディションになりました。

昨日の振り返りを活かして、スタートラインの風上側で待機することを心がけ、大きい積雲が発達したのでイベントマーク後の8分間に高度の維持をすることができ、ガグルのスタートに合わせてベストなスタートを切ることができました

第一レグは順調、第二レグも順調でした。クルーから事前に無線レポートのあったドナウ川を渡る際のブルーエリアを乗り切るために、ブルーエリアの直前で雲底まで上げてからブルーエリアを渡ることができ、ガグルの中で1番高い高度でドナウ川を渡ったすぐ西側にあった上昇気流に到達することができました。ブルーのエリアの幅は30〜40km位でした。西風のためドナウ川の風下側(東側)にブルーエリアが広がります。ドナウ川の西岸(風上側)は西風がドナウ川にあたることでトリガーされたリフトが発生しますので、渡りきるとリフトがあることが多いです。

ドナウ川西岸は、土壌が変わることからコンディションは弱くなるのがいつものパターンなので、ここもガグルを使って飛びました。バラトン湖南の旋回点ターン後の折り返し後半は結果的に先頭集団で飛ぶことができ、第2旋回点を回れました。旋回点折り返し後のサーマリング中にバラトン湖の南に巨大なテント村が見えました、あとで調べたところ、ハンガリーで最大の夏フェスの開催地(Ozora村)だったようでした。(2022年に勤務先の同僚の方が行かれたそうです。)

折り返し後も後続のガグルと抜きつ抜かれつで飛び、結果は132km/h、920点の出来栄えでした。自分としては悪くない出来栄えだったと思います。


今日も暑かったので夕食後にスイカを食べました。
1/4カットで約120円。甘くて美味しいスイカでした。明日も天気良さそうです!

2025/08/03

グライダーヨーロッパ選手権大会2025(Békéscsaba) Day3〜Day5

29.July Tue Competition Day3
No contest 

晴れました!
朝の時点でまだグライダーはグリッド(発航点に並べること)はしないようにとの連絡あり。コンディション弱いかもだけど今日はやるでしょ、とブリーフィングに参加。

雲はかかっていますが、晴れてます

ブリーフィング会場

が、なんと、本日は前日までの雨でランウェイコンディションが悪く、グラスランウェイ(草地)は発航ができないため、18mはキャンセルとのこと…初めてのケースでびっくりでしたが、明日の回復に期待して撤収作業。

積んだ水も出します。

観光でも、といいたいところなのですが、近場に観光地がないので今日は家でNetflix鑑賞会とします。

飛行場にて
飛行場にあった消防車

吹き流しの付け替え。ポールを倒してまた立て直してました。

2025/07/31

グライダーヨーロッパ選手権大会2025(Békéscsaba) International Night編

 International nightが開催されました。

大会の後半に行われることが多いこのイベント、今回は天候を鑑みてDay2の夜に開催となりました。

このイベントは世界選手権やヨーロッパ選手権で行われる交流イベントです。各国が自国の食べ物飲み物を振る舞います。日本チームは自作の手まりずし、日本酒、柿の種、スルメ、人気と聞いている抹茶のお菓子を並べました。

お寿司と日本酒は知っている人も多く、これらを目当てに訪れる人も。
日本ブース 夏祭りをイメージしています。
次々と来客あり。繁盛店です!

いかの説明用にイッチーがイカのぬいぐるみを持ってきました。説明しやすくて良かったです。
日本チームが大好きな満寿泉
これ、大好評でした!
日本酒も人気

箸使いも慣れてます。

今年はほぼ全員、箸を使ってました。割り箸を割って使うこともかなり認知されています。
年々、箸文化が広がっていることを体感。

寿司には醤油をつけます。

「日本に行ったことあるよ」という人と箸を使う人が確実に増えたことを実感。日本に関心を持ってもらえていることを感じ、とても嬉しかったです。今年も大盛況でした!

他国のブースへもお邪魔しました。
おとなりスイスのチーズフォンデュ。白ワインが効いていて美味しい!

ドイツチーム ビアホールで女性が着ている衣装でおもてなし。
ディアンドル(Dirndl)というものらしい。

エストニア
たまごサンドに挟むゆで卵のマヨネーズ和えをカップにいれてkiluという魚のマリネがのってました。パイロットの奥様が作ってくれています。

スロバキアのブース

スロベニアのブース
ポティツァ(Potica)というお菓子

フランスのブース

イタリアのブース
パンツァネッラ。初めて食べたかも。美味しい!

イギリスチームからの差し入れ
ホイップクリームとイチゴとメレンゲ。調べたらイートン・メスというらしい。

ハンガリアンシチュー🇭🇺
辛い青唐辛子、本当に辛いので少しだけ入れてもらいました。美味しかったです。

デンマークチームから差し入れ到着!
お酒はアクアヴィット(Akvavit / Aquavit)というらしい。ニシンの酢漬けが乗ったオープンサンド、遠くでカレーの味が感じられて美味しい。

会場盛り上がってます!とてもよいイベントです。

日が傾いてきました。外は風が涼しくて夕涼できました。

グライダーのおもちゃで遊ぶリトアニアとチェコの子供達。言葉は違うけど楽しそうに遊んでます。
このグライダーのおもちゃ、日本の100均でも売ってますが、遊んでいる子供になかなか会えず。
もっと日本でも広まるといいな、と思ってます。

明日は飛べそうです!

今回はいつもより早いタイミングでの開催でしたが、競技前に多くの人と会話して仲良くなれていつもより早く大会になじんだ気がします。明日からのフライトが楽しみです。