2017/06/30

プレグライダー世界選手権大会 Day3&Day4

June 27(Tue)
Competition day 3 
No task for today
曇り&小雨あり。スカイダイビングは飛んでますが、グライダーは飛びません。
今日はお休みです。






















ブリーフィング前、MaruとAdam Czeladzki(POL)さん、John Buchanan(AUS)さんと
昨日のフライト談義。AdamさんはDaily3位。
どこでどう上がったか、何を見ていたか、などの情報交換ができるのもプレ大会のよいところ。























2017/06/29

2017プレグライダー世界選手権大会 パイロットレポート 練習期間編


練習期間は好天に恵まれ、一日も休み無く飛べました。慣例に基づき大会が始まると天気は悪くなり、day1 キャンセルになりましたところで練習期間のパイロットレポートです。

6/17(土)羽田発 深夜0:10 (金曜の深夜発)のカタール航空。ドーハで乗り継いでブダペストまで18時間のフライトで、初の中東エアラインです。いままでは深夜発だと時差調整が気になって避けてきたのですが、ANA/LH とも繁忙期前なのにエコノミー30万円とあまりにも高かったのでカタール航空にチャレンジしてみました。
失敗点は預け荷物が一人30kg、二人で60kgまで(個数制限無し、合計重量オーバーチャージが70US$/1kg なこと。スターアライアンスの感覚だと個数超過は 150EURでしたのでその感覚でいたのですが、今回はオーバーチャージが想定よりもだいぶ高い料金だったため荷物をギリギリまで削減しました。(減らしすぎた結果、持ってくるべきだったものも置いてきてしまいました)。来年は無線機とアンテナも持ち込みたいので事前に船便で送るなど何らかの対応が必要です。

見送りに来てくれた新チームメンバーと

機内ではシリコン耳栓、アイマスク、フットレスト、スリッパと完全装備の上、機内食抜きで11時間中9時間を寝続けたおかげか、時差調整は今までに無く早く済みました。(従来は3日程度時差調整が必要でした)機体がB787だったことも疲れなかった要因と思います。

ドーハでの乗り換えは1時間も無く、乗り換えロビーでカートに乗せてもらいギリギリセーフ。心配した荷物もちゃんとブダペストに到着しました。乗り換え時点でもセキュリティチェックがありましたが、スムースなチェックのおかげで時間に遅れず助かりました。乗り換えがタラップだったので、朝の6:00に38度の外に出なければなのはつらいところです。

ドーハからブダペストのルートは直前のニュースの通り、カタールと中東周辺国の国交断絶でサウジアラビア上空が飛べず、イラクの上空から黒海経由でトルコへ。イラクは砂漠の中にも結構高い山がありました。
ドーハの町

ブダペスト11:00着。ずいぶん沢山中国からのお客様が乗っていました。CAさんも中国の方。昨年ブダペストに来たときも街中に沢山中国からの観光客がいましたが、納得がいきました。ブダペスト空港には毎年来て居ることもあり、携帯ショップで現地のSIMを購入し、ホテルまでのシャトルバスを予約して、市内のホテルへ。booking.com で9点以上で探した物件でしたが大当たりでした。中心部からは少し離れますが、再開発地域のサービスアパートメントのようで、敷地内にパーキングも有り、スーパー、レストランも近隣に充実していて常宿にすることにしました。
夜は機体オーナーのリチャードさんのお家にお呼ばれいただきディナー。期間中借りる車にワイン12本をつけていただきました。


6/18(日)陸送日
8:00ホテル出発でブダペスト市内の滑空場へグライダーを受け取りへ。この滑空場は市内から20分で到着する好位置にあります。上空3500ft以上はブダペスト国際空港のClass-C の空域で、クロスカントリーにスタートする際は10kmほどを3500ft以下で飛んで、そこからClass-Cの空域下限が6000ftにあがるので、6000ftまでクライムしてクロスカントリーフライトをしているそうです。ヨーロッパにはこのように、国際空港の周辺でも昔からグライダーやジェネアビで飛んでいる飛行場が有り、空域をきっちり守って棲み分けをうまくしています。日本もみならいたいものです。



Gaborから機体の状況を説明してもらい、引き渡しを受けました。丁度バグワイパーのテグスが壊れていたので、直し方を教えてもらいながら直してもらえました。

10:00出発で550km先のチェコまで。道中は好条件が続きます。


ずっと高速道路を走るだけなので、楽勝だと思っていましたが、プラハが近づくにつれ、工事渋滞が各所で発生。Google map のナビは高速道路を進むと渋滞で一時間以上遅くなるから下道に降りて進めと指示しますが、トレーラーを引いての下道を避けて高速道路を選択したのが大失敗。17:00到着予定が遅れて19:00着。そろそろGarminのスタンドアロンナビは引退時期のようで、オンラインのGoogle Mapでのナビをメインにした方が良さそうです。(ちなみに、チェコはLTEほぼ全域カバーです。ドイツだと高速沿いでも未だに 3G が入りません)

Pribram 飛行場に到着すると早速コンテストディレクターのトーマスさんと息子のMatejさん(16歳、ライセンサー)が出迎えてくれて、トレーラーの置き場所を指示してくれました。大会参加者の初到着だったようです。


日のある内にレンタルハウスにも到着でき、ハウスオーナーから近隣のレストランを教えていただき、近くのすてきなレストランで夕食できました。


6/19(月)地上準備日
まずは生活環境のセットアップ。Pribramの町でチェコのSIMカードを購入。2.5GB データ通信料をつけて約2500円。


TESCOとOBIで生活資材を購入。



Pribram の町はなんでこんな谷の狭いエリアに町が開けたんだろうというようなところで、各所が道路工事中で距離の割に乗り入れがとても運転しづらい場所でした。ウラン鉱山のある町のようです。

午後から機体を組立。だれもヘルプを頼めそうな人が居ないので、なんとか二人でくみたてました。初日から頑張ると疲れが残るので、この日は17:00で早めに終了。20:00には寝てしまいました。


6/20(火)練習初日
ここの飛行場は飛行機がメインの飛行場です。もともとは軍の飛行場だったのを民間に払い下げされたらしく、プライベートの飛行場だそうです。滑走路長はAIPでは30m x 1380mですが、Google map で実測すると2000m、西側の500mは払い下げの時に切り離してカートコースにしてしまったようです。ビーチクラフトバロン、キングエアーといった双発機も飛んでいます。他シーラス、ピラタスも多数置いてあります。スクールもやっています大きなメンテナンスショップもありますし、スカイダイビングをひっきりなしにやっています。(スカイダイビングは韓国人の若者が10人単位で5-6組は来ていて、韓国ではテレビドラマの影響でチェコが流行っているらしいです。(ソウルからプラハは大韓航空の直行便が飛んでいます)



飛行場の周波数は118.755Mhz。ヨーロッパは 8,33kHz spacing に移行が進んでいて、無線機の周波数割りがより細かくなりました。チェコは2017年から完全移行になったようです。困るのはこれまで持っていたVHF地上無線機が使えなくなったことです。仕方なく、8.33Khz に対応したハンディを一台追加しました。
ハンガリーも昨年移行したそうで、40年物の古いグライダーですら無線機の交換が必要になったそうです。イギリスは補助金が出ていました。

一般向けの施設としてはレストラン、ホテルに加えて、ボーリング場、インドアゴルフ、屋内プール、ジム、と集客のための施設を増やしているようです。


グライダーオペレーションはどうかというと、小さいクラブが一つあるだけで、ウインチでブラニックを飛ばしていました。前回競技会が行われたのは30年前とのことで、競技会スタッフは全員外部から来ています(チェコの滑空界の人たち、ほとんどが顔見知り)。ラインボーイもグライダー未経験の若者を急遽集めたようで、グリッドマーシャルはまだこれからといった感じです。なぜこのようなグライダーが盛んでない飛行場に世界選手権を誘致したか聞いてみたところ、チェコには世界選手権を開催できるような広い滑空場がなかったからだそうです。

グライダーオペレーションには飛行場の幅が狭い(30mのコンクリート、80mのグラスエリア、10mのタクシーウエイ)ですが、おそらく3-4機が同時着陸できるかといったところでしょうか。(2014年に開催されたレシュノは幅300m)。滑走路の長さを生かして、皆さんがロングランディングしてくれればよいのですが、トレーラーの近辺に止めたいひとは必ず居るので、これはやってみないと分かりません。

グライダーはまだ誰も到着せず。一人で飛ぶことになりました。トーマスさんがブリーフィングしてくれましたが、用意している地図(旋回点全部入り)と、セルフブリーフィング資料を印刷してきたことでちゃんと準備していると理解してもらえたようです。当日のアクティブな空域を教えてもらってトレーニング開始です。



西の空はブルーですが、東は積雲が発生しており、13:00離陸。雲は2000m位で120km東南東のエリアまでの2往復をしました。同じエリアでストリートの発達、衰退を理解することと、プラハのClass-C空域の空域がFL65までのエリアとFL75までのエリアFL95までのエリアと分かれているちょうど際のところによいラインが発生しており、競技会でも良いラインと空域の制限を意識したフライトが必要になると考えられたためです。
(2008年のリュッセ大会の際もベルリンの空域の縁のところに良いサーマルソースになる森が連続していました。2014年のレシュノ大会の際も、同じようにポズナンの空域の縁、ブロツワフの空域の縁のところに良いラインが発生していました。こういったサーマルソースに良いエリアと、飛行場の空域も上手に交渉して空域を確保しているそうです)

・リフト、クルーズのフィーリングを大切にすること
・クルーズ速度で 150km/h以上を維持すること
・雲をセレクティブに全領域試すこと
このあたりを練習のポイントにしました。同じエリアで繰り返し練習することでまずは反復練習をして反応の自動化を試みました。クルーズについては速度は割らないように出来ていますが、ラインの選択が直線的なのでもっとフィーリングを大切にスネーキングを心がけるようにしました。


いくつかの機材設置上の不具合を修正しました
・ビデオのケーブル配置(バグワイパーハンドルとの干渉)
・Oudie とエンジンミラーの干渉
・空域ファイルの修正(コンテストエリア全体がワーニング対象になっている)

地形的なことについて、なだらかな丘が続いているようですが、高低差と、風の吹き込む部分からの吹き上げは同様にあることが確認できました。


6/21(水)非公式練習日 day1
前日東エリアを調査したので、この日は西エリアを飛ぶつもりで準備。当日は朝から積雲が発生していましたが、こういった不安定な日だとサンダーストームになりやすく、予報でも午後サンダーストームの予報になっていましたが、結果的にはそこまで不安定にはなりませんでした。


前日より早めに12:30 離陸。西のエリアも積雲が続きますが、雲量が多すぎ、オーバーキャスト状態であまり良くないので、前日同様東に行くことに変更しました。

前日よりは少しトップ低めで 1900m、とはいえ、地面が450-600mのエリアが続くので、実質1300m-1500m程度の雲底です。まだ1000mある、と思っても地面が600mなので、実質400mしかないので、そこは頭を切り換えなければなりません。
とはいえ、前日よりもさらに空気を感じるフィーリングと自動化が良くなってきていることは感じられました。上昇帯エリアに入ったときからのサーチ、低いところからの上がってくるのか、待つべきなのか、上がらないから次へ行くべきのかの選択、などです。

今合宿から練習期間中は生活リズムを下記に変更しています。
06:00 起床
   準備
   前日フライト振り返り
   当日フライトデータチェック、気象予報、目標設定
09:30 出発、準備
12:30 フライト
17:30 着陸、片付け
19:00 帰宅、シャワー、夕食、最低限の準備
21:00 睡眠
夜は考える時間を減らし、頭をあまり使わずに睡眠に入り、睡眠時間を増やし、朝のフレッシュな頭でレビューとプランニングを行います。
レビューはレビューシートを用いてシンプルに行い、考えすぎず、良かったイメージを残すようにしています。



6/22(木)非公式練習日 day2

高気圧後面、前線接近で南西風強まる。
風が強まってチョッピーな上がりづらい状況
12:00 からScrutineering (inspection & weighing) を実施。
日本でもこのタイプの一体型の平べったい秤があると、組み立てた状態で秤に乗せるのが楽になるので、探しています。



ブルーなので離陸遅めで
13:30 離陸


一度外に出てみたがブルーのサーチがイマイチなので、ローカルエリアのサーチ練習に切替。西風のリフトポイントをいくつか想定して試してみて、西風でローカルで上がるポイントを確認。
北のエリアにはレンズ雲が出ており、北の空のwaveも試したいと思うが、Class-C のエリアが近いのでwaveはあきらめ。

15:30頃から雲が発生し始めたので、西のエリアの探索
北側、西側の制限空域でのリフトサーチとコースへの使い方を研究(結果北側は制限が多く、使いづらいと感じた、が翌々日のフライトであまり既成概念を持ってしまうのも良くないことに気がつきました)



6/23(金)非公式練習日 day3
この日からオーストラリアの2機含めて3機がフライト


西風強め、滑走路にクロスウインド。トップは1800m(対地1200-1300m)で高くないが、クラウドストリートが良好。ストリートをドルフィンでテストをプラン。
当初西へ行きましたが30km先は上層が覆われてしまったので、プラン変更でまた東へ。東行きはテールウインドですばらしいストリートでしたが、雲が崩れ始めてきたタイミングで西に戻りました。崩れるストリートの選択の練習になりました。雲の選択がとても良くなってきたと思います。ストリート下のスネーキング、悪い雲、悪い発達に入ってしまったときのディシジョンチェンジ判断などです。

また、この日は上空で右翼のバグワイパーが壊れました。降りてから分かりましたが、原因は右翼のバグワイパーのケーブルが短く、まだ終端に達していないと思い、バグワイパーを伸ばしていたところ、終端まで来てしまい、勢いでリベットが飛び、壊れました。
リベットが飛んでしまったバグワイパー
右翼のバグワイパーケーブル 延長翼の中央くらいまでの長さ
壊れた右翼側のケーブルを最大に伸ばしたい状態。
中央翼端までのケーブル長が無いので、ワイパーを伸ばす際にブレーキをかけずに
伸ばしすぎたことがリベットが飛んだ原因

着陸後、スペアのバグワイパーに交換しました。丁度 Gabor に教えてもらった方法が役立ちました。バグワイパートラブルは初めての経験でしたので練習期間中にちょうど良い練習になりました。



6/24(土)非公式練習日 day4 練習最終日
250度10-13m/s、積雲がブルーアウトし、完全ブルーコンディション
この日は15機ほどがフライト。
非公式練習日ですがロガーのENL(エンジンノイズ)チェックもしてくれるとのことなのでエンジンチェックも行いました。


・wave day
この日はwave day になりました。西に15kmほどのところにスタートポイントが設定されましたが、近づくとリフトが少なく、遭遇してもすぐに無くなってしまう、まるでローターサーマルのような荒れ具合。地上のダム湖の湖面を観察すると明らかにニュージーランドで見た、湖面をローターが打ち付けているときの波の立ち方をしています(ソアリングエンジンvol1, vol2 参照)。
やれやれどうしたらよいものやら、この日はソリューションが見つかりませんでした。

OLCにアップしていた他のパイロット1, 2のトレースを見ると、15kmほど北にずらすと、西の山の陰から離れることができ、もう一つの丘からはwaveが発生していたようで、waveで上限のFL95まで上昇していました。前々日のフライトで北側のエリアは空域制限的に使いづらいと考えてしまい、避ける意識が出来てしまったことが裏目になりました。これまた一つ勉強になりました。どんなときも可能性は追求してみる必要があります。

waveコンディションでの飛び方が一つ勉強になりました。

・buwiper 修理不具合
フライトの中で前日修理したバグワイパーを動かしたところまったく動きません!これは対処しないとと思い、この日は2時間ほどで一度着陸しました。
着陸して動作確認してみたところ、バグワイパーのスプリングの動きが悪く、うまく開いていないことが分かりましたので、スプリングに潤滑油をスプレーして、開度を確認したところうまく動いているようでしたので、再度フライトをリクエストして上空でテスト、うまくいきました。バグワイパーの直し方が一つ勉強になりました。(今まであまりバグワイパーの不具合に遭遇したことがありませんでした)
左の正常なバグワイパー
右の交換したバグワイパー 
根元のスプリングが弱く開度が狭い


練習期間の纏め
・好条件に恵まれて、自分の練習を久しぶりに集中して出来ました。空気を感じることとハンドリングの感覚が戻ってきたのがとても嬉しいです。

練習期間にやり残したこと
・他機との上がりの比較
 回復してきた感覚が他機と比較できるレベルか、一度事前に試したかったのですが、今回はチャンスに恵まれませんでした。

・スタートポイントの調査
 今大会はスタートポイントが滑走路から10km以遠に設定されているのが複数あります。スタート前に上がりづらい、トップが低いコンディションの際にどのポイントでクライムして以下に早くスタートポイントに近づくか。練習期間中のタスク設定が漏れていました。



パイロット 丸山

プレグライダー世界選手権大会 Day1&Day2

June 25(Sun)Day1
大会初日、でしたが気象条件が整わずに試合はキャンセル。
本来なら開会式があるはずだったのですが、こちらもなぜかなくなりました。
(初めてのパターンです)

First day of competition is cancelled .
天気下り坂のため、今日はキャンセル。
JAPANシャツ着てきたのになぜか開会式もキャンセル。天気のせいではないはず。


2017/06/27

プレグライダー世界選手権大会 番外編「Takeshiは有名人」

大会には様々な人がいます。選手、クルー、家族、大会スタッフなどなど。
Maruにとってチェコは2回目なので初めて会う人も多く、自己紹介の機会が多々あります。
「I'm Takeshi」と言ったらこんな反応が。
20代と思われるチェコ人(複数名)「え、もしかしてTakeshi Saito?」
40代以上と思われるチェコ人(複数名)「おお、Takeshiか。おれはTakeshi Saitoを知っているよ」
そう、チェコのグライダー界において、日本人でTakeshiといえば齋藤 岳志 (Takeshi Saito)」さんなのです!
齋藤さんは約20年前(20代の時)、単身でチェコの選手権に参加。「グライダー乗りにきた日本人はおまえが初めてだ」と言われていたそうで、ご本人いわくそれが印象に残っているのではないか、とのこと。
40代以上に知られているのはそれで納得ですが、20代が知ってるのはなぜ?
「私はあったこと無いけど、父からTakeshi Saito の名前を聞いていたの」(20代女性)
いったいどれだけのインパクトをチェコの人々に与えたのか、本人にインタビューしてみたいところです。
ちなみに、AustraliaのAdam選手からは「君の日本でのロングフライトの記録みたよ」と

言われましたが、それもTakeshi違いで齋藤 岳志さんのフライトです。
「Takeshi Maruyama」も皆さんに覚えてもらえるよう明日からの大会でがんばります!
&齋藤岳志さん、いつも応援ありがとうございます!!
*写真は最近の齋藤岳志さんです。ご本人からいただきました。



リーダー 赤石
Facebookアップ記事をブログに掲載しています。

https://www.facebook.com/TeamMaru

2017/06/26

Open glider network のご紹介(プレグライダー世界選手権大会)

「プレグライダー世界選手権大会 非公式練習期間 その2」でもご紹介いたしました、
Open glider networkから、Maruの位置情報が確認できます。

サイトはこちら↓
http://live.glidernet.org/

日本時間の19時から25時ぐらい(現地時間12時から18時)が
だいたい試合の行われている時間帯です。
日によって飛んでいる時間は異なりますが、1回で短くても3時間ぐらい、
長ければ6時間ほど飛んでいます。(試合の無い日は飛びません)

MaruはコンテストNo.「RI(ロメオインディア)」に乗っています。
サイト上にある「RI」がMaruとなります。

<サイトの見方>
①地図は最初地球儀クラスの小ささです。
そのためチェコ、プラハの南西方面のあたりをある程度の拡大してください。


②画面右に出て来る登録ナンバーで RI を探します。
クリックすると、その機体が地図の真ん中に来ます。
右側の登録ナンバーは上のほうは数字ばかりで、下のほうにスクロールすると
アルファベットが見え始めます。並びは数字→アルファベット順。



この日はちょうど、北東からランウェイに進入していくところが見えました。
(かなり拡大しています)



「RI」のフライト状況をチェックしたい方は是非、見てみてください。

広報 河村& 赤石

プレグライダー世界選手権大会 非公式練習期間 その2

June 23(Fri)
Unofficial training day 3
昨夜は予報どおり寒冷前線の通過に伴いthunder stormとなりました。
今朝は一面雲の空模様、風も冷たく強くなっています。

MARUのコメント
・前線通過により空気が入れ替わり昨日までとはコンデションが変わる
・まだ空気が湿っているので今日は雲が多いコンデション、トップは対地1000mくらいと予想。雲底は低いが雲量が多いので今日も5時間ぐらいは飛ぶ予定。
・明日からは空気も乾きコンデションが更に良くなると期待!



飛行機は風に正対して飛び立ちます。
今日は横風がとても強く、こんな日は離陸にもちょっと神経を使います。
私はランウェイに平行に立っているのでが、
グライダーが斜め方向を向いて並んでいるのがわかりますか?
オーストラリアチームは横風が強いからランウェイを斜めに離陸する、というのでMARUもそれに倣ってラインナップ。うーん、その発想無かった!
無事、離陸していきました。


大会に参加するグライダーは必ず体重測定を行います。
グライダーは重ければ重いほど翼面荷重が上がり、高速時の性能が良くなる(スピードが出る)ので、重量に上限があります。
Maruが出場する18mクラス場合は600kg。これはグライダー+水バラスト+積み込みするもの(飲み水、おやつ、パラシュートなど)+パイロットの合計重量を600kg以下にする必要があります。
メインギア(真ん中の車輪)、テールギア(テールにある車輪)、
パイロットが翼を支えた状態の体重の3箇所で計測をしてその合計重量が何キロか、を計測します。また計基盤の写真を撮影、禁止されている計器(雲中飛行が出来る計器など)がついていないことも確認されます。
グライダーの競技は機体の性能により結果が左右されることも多く、このようなレギュレーションチェックがされます。
以前、自転車競技で自転車にモーターが仕込まれていたということがありましたが、グライダーでもルール違反をしないようなチェックがされています。
今回も制限重量内でクリア、計器も問題なし。その後ライセンスや機体登録証など要件がそろっているかを確認するための書類チェックをうけ、無事検査終了です。







2017/06/25

プレグライダー世界選手権大会 非公式練習期間 その1

今大会には「非公式練習期間」が設定されていました。
Maruは4日間毎日飛びました。

June 21(Wed)
Unofficial training day 1 
Maruは今日も練習です。昨日は東を調査したので今日は西に行くとのこと。
西の空は雲がいっぱい。トップは高くない分いい練習ができそう。























2017/06/23

プレグライダー世界選手権大会 準備2

準備期間のレポートです。

June 19(Mon)
ASG29E(RI) 
陸送した機体を組みました。翼が重たい機体なのですが、がんばって支えてました。
リーダーは明日、ウデが筋肉痛かもしれません...筋トレをして来るべきでした(反省)
→ 翌日、軽い筋肉痛となりました。

バラバラになっている機体はこんな風に組み立てます。
<機体の組み立て方>
http://maru-wgc.blogspot.cz/2016/05/2.html

2017/06/20

プレ グライダー世界選手権大会 準備

17.June(Sat)
深夜に羽田を出発し、約18時間かけて最初の目的地、Budapestに到着!
上空はこんな感じ。チェコの天気も良いといいな。



18.June (Sun)
ASG29Eを借りました。
今年もGaborが引渡し役をしてくれました。
彼は別の選手権に出るため一緒に来てもらえないのが とても残念。
グライダーOK、書類OK、トレーラーのスモールランプが1個つかない… 
Gaborがバンッ!とランプを叩いたら無事点灯(^.^)
チェコに向けての550km陸送、出発‼︎
MaruとGabor 2014年からのおつきあい



借りる機体(ASG29E)のチェック中




書類の確認



約9時間のドライブの後。Just arrived!
19:30ですがまだ明るい。運転お疲れ様でした。












19.June (Mon)ASG29E(RI) 

陸送した機体を組みました。翼が重たい機体なのですが、がんばって支えてました。
リーダーは明日、ウデが筋肉痛かもしれません...筋トレをして来るべきでした(反省)
バラバラになっている機体はこんな風に組み立てます。

<機体の組み立て方>
http://maru-wgc.blogspot.cz/2016/05/2.html




リーダー 赤石
Facebookアップ記事をブログにそのまま掲載しています。
https://www.facebook.com/TeamMaru

2017/06/16

LX Navigation Cup 2017 振り返り


2017年の5月連休はハンガリー Szatymaz 飛行場で開催された LX Navigation Cup に練習のため参加させて頂きました。2016年後半からは発生した様々なことを考えること、対応をとることに自分の時間の主としたので、この半年は正直自分のフライトを考える時間を持てずにいました。

さらに、社会人クラブでの指導的立場の役割に加えて、法人の理事を二つ掛け持ちする自分の役割を考えるなかで、自分のフライトを考える時間をどう組み立てるか。
これは来年以降も続きますので、チャレンジだと思っています。

そんな中、5月連休にハンガリーへ行ったのは、自分のグライダーに集中するための時間を持つためでした。目の前の自分の目標が明確になれば、自ずと自分の頭の中は自分の事に集中していけます。とはいえ、全部を準備するには時間が足りず、最低限のフライト感覚のリカバリーと、ロジスティックスの準備までで、イメージフライトは十分とは言えないままの参加となりました。

参加にあたり、過去のノートを振り返り、以下の目標設定をしました

結果目標
・day得点率 85%、期間平均 90%

行動目標
1. 判断ポイントを明確に、根拠明確に迷わず決める。とはいえ、決めた判断にとらわれすぎない。空はすぐに変わる。一つの案に固執せず更新し続ける。
2. 成功しても、淡々と次へ(油断しない、気を大きく持たない)。
    失敗したときは、切り替える(失敗を引きずらない)。
3. 自分の判断を試してみる(失敗を恐れず判断してみる。失敗を恐れすぎると成長につながらない。リスクマネージは必要だが、リスクマネージしすぎるとどっちつかずになる。悪条件時はリスクマネージ、だが、ガグルが明らかに間違えた判断をしたときにガグルをフォローしない判断をしてみる)
4. コンディションの悪いとき、悪くなるときはとにかくフィニッシュする。あきらめずにすべての方法を試す。早めのギアチェンジ。今が良いからと先を安易に考えない。
5. 試合勘を培う。オートマチックに判断できるようにして6月に備える。
6. 自分のフライトを考える時間に使う(理事関係で頭を使うのは少しお休み)


結果
7日間中3日間のフライトになりました。(Task1, Task3, Task5)

結果目標
・day得点率 85%、期間平均 90%

結果
day1 66%, day2 82%, day3 75%,  total 75 %


行動目標1
・判断ポイントを明確に、根拠明確に迷わず決める。とはいえ、決めた判断にとらわれすぎない。空はすぐに変わる。一つの案に固執せず更新し続ける。
 → 根拠は明確に出来たと思う。迷いも減った。とはいえ、全般的にはギアが低く、早く飛ぶために、全般的にギアを上げることが必要。また、ギアをさげる必要なコンディションチェンジに対して、対応はしているがギアを下げすぎているところがあるので、根拠を持ってギアを下げすぎないことが必要

行動目標2
・成功しても、淡々と次へ(油断しない、気を大きく持たない)。
 → 好条件の時に距離を伸ばすことに固執しすぎて、AATのエリアをブルーなところまで伸ばしすぎた。根拠を明確に。

行動目標3
・失敗したときは、切り替える(失敗を引きずらない)。
 → 悪いエリアに入って、気持ちが減速したときに、気持ちの減速をどのように抑えるか?下がった気持ちをどのように鼓舞するか。根拠を持つこと、数字を持つことだと思う。高度で速度を下げる数字は持っていたが、速度を下げすぎているので、数字を再確認する。

行動目標4
・自分の判断を試してみる(失敗を恐れず判断してみる。失敗を恐れすぎると成長につながらない。リスクマネージは必要だが、リスクマネージしすぎるとどっちつかずになる。例:悪条件時はリスクマネージ、だが、ガグルが明らかに間違えた判断をしたときにガグルをフォローしない判断をしてみる)
 → 5/2 の task3 はガグルになってしまったので自分の判断を試せてない。task1, task5 はガグルから遅れる際に自分の判断を積極的に試せたと思う。とくにtask5 は得点率には結びつかなかったが、フィーリングは良くなってきた(もう一日試したかった)

行動目標5
・コンディションの悪いとき、悪くなるときはとにかくフィニッシュする。あきらめずにすべての方法を試す。早めのギアチェンジ。今が良いからと先を安易に考えない。
 → 上記に記載したが、早くギアを下げすぎている。

行動目標6
・試合勘を培う。オートマチックに判断できるようにして6月に備える。
 → 試合でのマネージメントは良くなってきた(チェックリストの利用、スタート前のマネージメント、) 
 → Task5、 Wolfgang 先生のアドバイス(自分のフィーリングを大切にする)を実践できたと思う(うまく行かなくて考えすぎると細部に頭が行ってしまい、逆に全体が見えなくなる)

・自分のフライトを考える時間に使う(理事関係で頭を使うのは少しお休み)
 → 環境を変えることで自分のフライトを考える時間に使えたのは良い点でした。

良かったこと
・Task1, Task5  悪いエリアでも前向きに飛べている

・Task1 アンダータイムにならないよう飛んだ(結果飛びすぎた)

・全般を通じて上がりが悪かったので、惑わされず、自分の判断で飛ぶように心がけた

・エリアターン判断をなるべく自分の判断で実施した

・ガグルから遅れたときも気持ちを淡々と切り替えられた

・Task5 ではフィーリングを大切に出来た

・Task5 コンディション弱い中でも落ち着いてスタートできた

・Task5 ドナウの渡りで一人になったが、根拠を持って信じて前に進めた。渡った場所の選択も良い場所(南側)を選択出来た)

分かったこと
・ドナウ川は南側が西に曲がっている。ということはそこは土地が高いと言うこと。なので、ドナウを渡る際は南側で渡った方がアクティブなところで渡れる

・SPOT は movement を on にしておくと、スイッチを入れて、離陸までに off になってしまう。nano も同じ。movement を on にしてはいけない

・Task1 の朝は緊張で胃が痛かった。出発を遅らせて自律訓練法で深呼吸で回復した。準備が一杯一杯でつかれと緊張による。


振り返り
・クライムが全く良くない。クライムのフィーリングがまったく以前の通りに出ない。

・もともとよくない上がりが更に悪い。周りの機体ばかり見てしまっている、視野が狭い、周辺視野で見えてない、視野狭窄になっている(疲れもあった)

・Task1 禁止エリアに近すぎるところを飛んでしまったのは失敗(南側)。2015年は存在していなかった国境付近のパトロールエリアが新規で設定されていたが、プランニングの際に頭に入っていなかった。AAAT  では制限エリアより離れたところを飛び、リフト選択肢を増やせる(選択エリアを増やせる)飛び方をするべき

・Task1 電動バグワイパーの地上での動作確認片翼忘れ。上空で片方が動かなかったことでクライムが心理的に不安になった。チェックリストに両翼バグワイパーの動作確認を追加した(動かないときは一度バッテリーを外してシステムリセットすれば動く)

・エンジンテストでエンジンがなかなかかからなかった。IGN までレバーが押し込まれていなかった

・テスト後のエンジンが止まらない。500m 失高した
 (400mで停止後、滑走路へのすり鉢を維持しながら弱い中で冷静に再上昇は出来た)
  原因不明だが時としてあるとのこと。可能な限り最小速度まで抜いてみてとのオーナーのアドバイス。

・タスクが同じエリアを行ったり来たりのタスクだと、次の旋回点のポイントがどちらだったか分からなくなる。 ポイントの番号をタスクシートに書き込み、マーカーすることで、コンピューター上の数字と一目で照合できるようにしておく(2012年の反省事項を忘れている)

・AAT のコンピューター上での動かし方。一年ぶりで忘れている。再練習した(緯度経度モードで動かした方が楽)

・AATの距離を伸ばそうとして、標高の低い、空気のアクティブでは無いエリアに伸ばしてしまって速度が出なくなった(事前のエリアマネージメント不足。悪いエリア、行きすぎては行けないエリア、が事前にプランを失念している。チェックリストを忘れなく実施するために強調表示にした

・事前のプランが当日予想平均速度のみだった。平均速度が下がったときをふくめて、3-4パターンくらいを想定しておく。(想定より悪かったとき、良かったときのプラン切替をスムーズに行う)

・マークする機体のコンテストナンバーを覚える。(ガグルで迷わない)

・コンディションが弱くても 150km/h を切らないでクルーズする(チェックリストに記載有り。セントカ先生の教えを忘れている。最低150km/h クルーズに体を慣らす)

・直前にお願いしたにもかかわらず、すばらしいクルーを紹介してもらったことは非常に助かりました。

クルーをしてくれたフロリアン君、ライセンスを取ったばかりの17歳です。Gaborのクラブのメンバーで、2019年ハンガリーで開催されるジュニアワールドに出場したい目標が有り、今回は学校を休んで一週間手伝ってくれました。(とはいえ、教科書持ってきて待機時間は勉強していました。)競技に興味があるので、Maru のブリーフィング後のプランニング、飛んでからのレビューにも興味シンシンで質問してきます(なんでそう考えたの?それ、なんのために準備しているの?)。こちらも嬉しくなっていろいろ説明しました。それにしてもハンガリーの、英語教育、すごいですね。コミニケーションにまったく苦労しません。

準備
・機体がギリギリまで決まらず、直前には1500km 陸送になり、競技初日は疲れが残っていたと思います、視野の狭いフライトになり、姿勢が安定せず、上がりが悪いフライトになりました。とはいえ、レンタカーで選択した VW Tiguan はアクティブクルーズコントロール(自動追従)、レーンキープアシスト、渋滞追従(トラフィックアシスト)と、一人での長距離運転をサポートしてくれるすばらしい車でした。

・陸送は平日だと一日max avg 75km/h。最大1000kmまで (13時間)。
 休日はトラックが少なく (ヨーロッパは国により週末トラックが高速道路を走れなくなるそうです)。avg 85km/h - 90km/h で走れる(サービスエリアの駐車場がトラックで一杯になり、トレーラーを止めるエリアが見つからないのが難点)
 1000km を超えるとかなり疲れます。ジャンクションでの曲がり忘れ、降りるインターチェンジを間違えたりしました。

・高速道路サービスエリア直結、のホテル。
 ちょっと割高ですが、トレーラーを引いている陸送時にはとても便利です。


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帰国後は連休のフライトのレビューもそこそこに、6月の遠征に向けての準備が始まりました。ロジスティテックスの準備と最低限のフライトイメージのシミュレーション、過去のフライトノートの振り返りまではできましたが、自分の役割の対応の時間を考えると、自分のフライト感覚を高めるところまでの時間を作り出すことができていません。準備不足から自分でストレスを作り出してしまっているので、状況を受け入れて、まずは経験を増やすことを目標設定にして来たいと思います。