2022/08/13

37thグライダー世界選手権大会(Hungary) Day11-13

Aug.3(Wed)Competition Day11 Task9

Task:Polygon with 4 points 551.7km


本日も快晴です。そして今日もロングタスクが出ました。



昨日の距離と比べると短く感じますが、充分長い距離です。ゴルフでいうとPar5に臨む気持ちです。

今日も昨日と同じ積雲コンディションになる予報なのですが、午後は東の方がスプレッドアウト(積雲潰れて横に広がる状況)になり、上昇気流が弱くなる予報があります。そのため、昨日と同じく早めにスタートして早めに帰ってくる戦略で行きたい、と考えておりました。


本日の出発前、2013年のチーム発足時からやってみたかった企画「教えてMARUさん」の撮影を実施。

グライダーをここで初めて見たYoshieさん(高見クルーの奥様)がインタビュアーになり、グライダー内部についてあれこれ質問。その様子をビデオに収めました。グライダーを知らない方必見です。

「教えてMARUさん」グライダーコックピット編 その1 

https://www.youtube.com/watch?v=i3seM3HNiv8


気温は30度越え。日陰の下は涼しいため翼の影の下に入り、暑さを凌ぎつつ発航を待ちます。

後半の高見クルーは大学航空部同期。50代のパイロットとクルー、暑さに負けずに頑張ってます。



11:15曳航開始。MARUも飛び立っていきました。

今日も500キロ越えの長旅です。





本日も順調に旋回点をクリア。


ファイナルグライドに入りました!

集団から後れることなく、無事551.7kmを飛びゴールしました!


★本日の結果★

Daily  19位

https://www.soaringspot.com/en_gb/37th-fai-world-gliding-championships-2022-szeged-2022/results/18m/task-9-on-2022-08-03/daily

Total  31位

https://www.soaringspot.com/en_gb/37th-fai-world-gliding-championships-2022-szeged-2022/results/18m/task-9-on-2022-08-03/total


<パイロットコメント>

本日も積雲好条件予報でした。ただ、午後は雲量が増えてオーバーキャストになり、コンディションが低下する予報が一部ありました。

コンディションの割には短めの550kmタスクでしたが、オーバーキャストに備えてスタートは早めにスタートすることにしていました。

スタート前は少し迷いがあり、ガグルを追いかけて迷走してしまいましたが、気持ちを入れ直して集中して再上昇、ガグルの上に上がり、スタート準備が整ったところでイベントマークを押してスタート準備が整ったところで、ガグルにあわせて良いスタートが出来ました。

スタート後の1stサーマル、3rdサーマルは苦手の早い時間帯の上がりづらいサーマルで少し遅れましたが、その後はキャッチアップできました。3分後スタートで後ろから追い上げてきたベルギーチームに追いつかれた後は引っ張ってもらえて、2分前スタートの一つ前のガグルに追いつくことが出来、その後はそのガグルとフィニッシュ出来ました。



夕ご飯は毎日家で食べています。
待望のチームシェフYoshieさんが後半から登場!日本から様々な調味料なども持ち込み、毎日おいしい夕飯を提供してくれます。美味しさもバリエーションも格段にアップ。
食事は選手やクルーのパワーの源。夕飯はその日のフライトの話や雑談をしながら、ハンガリーのワインとともにゆっくり楽しくいただいています。
チームキャプテンも一緒に夕飯を囲みました

彩り鮮やか。もちろん美味!

大好きなハンガリーワイン

帰宅して美味しい香りがするって幸せですね。ありがとうございます!
明日も飛びます!!

Aug.4(Thu)Competition Day12 Task10

Task:Polygon with 6 points 656.2km

本日も快晴。3日連続のロングタスクとなりました。

一昨日よりは短く、昨日よりは長い距離です。以前なら「え、そんなに長いの?」と驚くような距離ですが、「今日も長いね」ぐらいの反応に。だんだんクルーの距離感覚もおかしくなってます。


本日は昨日に比べるとコンディションは強くないものの、650キロと長くなりました。基本はブルーの空で積雲がポツポツと発生するようです。今日もご安全に!
航空安全のお守り

11:15曳航開始

地上気温もぐんぐんあがり、日射がジリジリと痛く感じます。いってらっしゃい!




地上は無線でスタート前に情報を送り、スタートしてからは無線の届く距離では応援メッセージを発信。

オンライントラッキングを観ながら、応援していました。

同じく、日本にいるチームメンバーもオンライントラッキングを観て応援しておりました。


<オンライントラッキングでの観戦方法>

https://maru-wgc.blogspot.com/2022/07/2022wgc.html


15:30頃、チームキャビンを出て外を眺めると飛行場周りは雲がもくもくです。


コース上もこんな感じなのかな?と思いながら再度オンライン観戦。

この時は高度2000m前後でフライトしていましたので、どんな結果になるのか楽しみにしていました。


★本日の結果★

Daily  25位

https://www.soaringspot.com/en_gb/37th-fai-world-gliding-championships-2022-szeged-2022/results/18m/task-10-on-2022-08-04/daily

Total  32位

https://www.soaringspot.com/en_gb/37th-fai-world-gliding-championships-2022-szeged-2022/results/18m/task-10-on-2022-08-04/total


<パイロットコメント>

本日も離陸時点はブルーで、離陸時点ではコンディションがそこまで良くなかったのですが、地上からの無線サポートでガグルの位置をサポートしていただき、うまくスタート前によいガグルにジョインすることができ、スタートラインで待機して、何機かスタートしたのを見届けたタイミングでチェコチームに続いてスタート、良いスタートをすることが出来ました。

経路では最初は30秒後にスタートしたベルギーチームに引っ張ってもらい、クライムで遅れた後は40秒後スタートのポーランドチームに引っ張ってもらいました。

終盤は7分後スタートのフランスに追いつかれたので、現在総合1位のクリストフ選手を追いかけてみました。午後の遅い時間の上がりやすいサーマルでしたので、クライムではついて行けましたが、グライドはとても追いつけません。他のフランスチームの機体とは同じパスで飛べているのですが、チャンピオン候補は別格のグライドです。。。わかったことはチャンピオン候補クラス(総合10位以内くらい)とはやはりグライドもクライムもついて行けません。総合15位以下の選手ですとクライム、グライドもなんとかついて行けるようです。



明日は最終日です。明日も飛びます!

Aug.5(Fri)Competition Day13 Task11
Task:Polygon with 5points 501.8km



ついに最終日となりました。
本日も快晴。そして500キロのロングタスクです。最終日は撤収作業があるため、比較的短めなことが多いのですが、すでにこの大会では500キロはロングではないのかもしれません。

本日はブルーコンディション(雲が出ない)、サーマルトップ予想も2500m。昨日よりはよくありませんが充分飛べます。本日、スタートタイミングの時間ルールがかわりました。ガグルが多すぎると危険だ、という判断でガグルができにくくなるルールに変更されました。そのため、いつもに比べてガグルと一緒にスタートすることが難しくなったため、うまくタイミングをあわせたい、と考えて離陸しました。

大会最後のフライトです

発航開始を待つ曳航機たち

AXを狙うカメラマンたち

ブルーコンディションの日は上昇気流の目印がないため、ガグルが大きくなる傾向があります。本日もスタート前に20機以上のガグルができました。
なんと。。20機以上のガグルです!


今日はやや苦戦している様子が見えていましたが、地上は撤収作業の準備をしながら、試合を見守りました。
がんばって上げなおし、前に出ました


第4旋回点クリアしました。あと少し!


★本日の結果★


Daily 39位

Total  32位

総合は32位という成績を収めました。

<パイロットコメント>

最終日はガグルをさらに発生しづらくするため、パイロットイベントマークからのスタートまでの時間が10分、スタートウインドウを5分、と従来の5分、8分の組み合わせから変更がありました。この日もコンディションの予報の割には500kmと短めのタスクになりましたので、スタートまで待たされる可能性がありましたが、完全にブルーの予報で、ガグルから遅れるのは避けたかったので、早めのスタートを考えていました。
早めスタートの機体が見えた後に、2回目のスタートウインドウの最後のタイミングでドイツチームの2機目のスタートが見えたので1分遅れでスタートできました。
第一レグは良いプラスをつかんでドイツに追いつき、幸先良いスタートだったのですが、第2レグでうまく上がれず、5分後スタートのフィンランド組に追いつかれました。このままこのガグルと飛べば良かったのですが、地上からの無線アドバイスで再度ドイツを追いかけたことで高度を下げてしまい、第2レグから第3レグの前半は強いので高度が取れず、6分後スタートの組の下で同じ上がりが出来ないことからは遅れ、9分後スタートの組にも抜かれ、15-17分後スタートの組に追いつかれたタイミングでようやく同じクライムレートで上がれるように復帰しました。このあとはリスクをとらず、15分後スタート組のガグルで飛行、最後は24分後スタートのチャンピオンガグルに追いつかれてのフィニッシュになりました。
調子が上がらない時点でリスクマネジメントに振って、フォローに徹するべきでしたが、地上アドバイスの期待に応えたい気持ちから失敗に繫がった日でした。この日は頭の切り替えが出来なかったと思います。疲れは感じてなかったのですが、当日のフライトを振り返ると操縦が乱雑になっていたところがあったと思い返しました。

<チームからの報告>
丸山機、無事に帰投しました!
パイロットとリーダーが7月15日に日本を発ってから3週間。
オフィシャルトレーニングから競技終了まで、丸山機が飛行した距離は6,000kmに及びました。参考までに調べてみますと、東京からハンガリーまでは9,000kmなのだそうです。
この間、パイロットを始めチームメンバーが誰ひとりとしてケガや病気に悩まされることなく、無事、全ての競技を終えることができましたことをご報告いたします。




このあとは試合の余韻に浸るまもなく撤収作業に入ります。



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