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2018/01/14

2017ナミビア合宿 まとめ


2017/11/4 - 10の7日間でナミビア Kiripotib 飛行場で開催された Flying with the champions のキャンプに参加し、世界チャンピオンレベルのコーチとのソアリングトレーニングを実施してきました。

キャンプ前に設定した目標、目標に対する結果
  • チャンピオンのコーチングによる飛行技術向上
    • クライム
      • 弱いコンディション中でのより良いクライム
      • 強いコンディション中での更に強いリフトコアの選択(強いところで安定して上がっているつもりが急にずれる、ブローのような吹き上げで突然姿勢が崩れる)
      • → コントロールがやはりとても丁寧。バンク深すぎても良くない。
    • コース選択
      • 一面の積雲時のコース選択。以前ほどは迷わなくなってきているが、細部を良くしたい
      • →
    • グライド
      • ドルフィン プッシュプルの最適化。苦手のハイスピードコンディションの克服
      • → speed commandをもっと活用する、とはいえ、追いかけすぎない。
  • チャンピオンの考え方の吸収
  • → とにかく全部試す。
コーチしていただいた Wolfgang さんとセルフィー

キャンプを通じての気づき

・チャンピオンは左右上をよく見てFresh Cu を探している(やはり、私は一度決めるとその雲だけをみてしまっていて、近傍のFresh Cu に目が行かなくなる。常に Fresh Cu を意識する)

・210km/h ではやはり体が硬くなって、トリムだけで飛べるのに、右手に力が入っている。どんなときもトリムで飛んで、リラックスして感じる

・ブルーエリアのグライド時、より小さいな空の変化、傾きの変化に気を遣う。

・Speed commander を使って速度設定、とはいえ、速度を下げすぎない(maru の傾向として速度を下げすぎる)。speed commander で飛ぶことになれていない(やっぱり頭の中が box speed になっている)ので、speed commander を追いかけすぎてしまう(speed command の音を大きめに設定して気がつかせる)。まだリフトに入る前に減速しすぎている。(通り過ぎないようにの意識が強すぎると思う)



・コース選択、迷ったら upwind 側の雲を使う

・deviation(オフトラック)するか、しないか。コンディションが弱ければdeviationする、強ければまっすぐ行く。とにかくいろいろ試してみる。

・雲を最後までサーチする(まだまだ足りない)

・かっ飛び、から前方が悪くなってきた、時に、ペース減速(今までだったらスキップしていたリフトで回るかどうか)。減速できなくて「次がある、次がある」で行ってしまう。ブルーエリアが接近してきたら減速

・Big Cu は良いところを探すのは難しい。small thin Cu の方が探すのが簡単

・減速をスムーズに(慌てている)。急激に速度を抜いてしまっている。
・プラスエリアに入ったらスピードダウン
・減速時はピッチ、フラップ、トリムの順で。ピッチを戻さずにフラップを先に戻してしまうのは抵抗になるだけ。
・グライドからリフティングしてきたら、もっと感じる、寄せる。「速度ダウンしなければ」、で頭が一杯になっている。速度セット、トリムセット、で右手を緩めて、体全身で感じるようにしよう
・グライドからターンへ、十分な減速をしてからターンしよう(「ターンしなきゃ」、で減速を忘れている)
・旋回時に呼吸が止まっている
・バンクが深すぎると言われました。もうちょっとバンクを緩めて、速度を抜いた方が良いとのこと。

・キャンプ週の後半は30分づつコーチと交代で、集中して自分のフライトをする時間と、コーチのフライトをみる時間、にしてみました。集中しすぎていて、かなり頭が疲れています。

・ファイナルグライドについて 
 最後の上昇率を Mc でセットして出る

・この4つのE(L/D)を見比べる

  reqE  thE
    tskE  E
   
reqE : Required glide ratio to target ターゲットへの必要L/D
E      : The current glide ratio calculated over 3 minutes. Total altitude is taken into account and distance is calculated over one point. (直近3分の L/D)
thE:  Theoretical glide ratio for given MacCready and head/tail wind. (当該Mc、風での論理的 L/D)
tskE : tskE shows the required glide ratio to task finish.(タスクフィニッシュまでのL/D)


 参考までに更にもう一つ
Th.E : The thermal to thermal glide ratio. Calculated from last thermal exit to current thermal entry altitude. Total altitude is taken into account and distance is calculated over one point. サーマル間のL/D

Mc 1.3 + 200m が多くの場合のルール

・グライド中に Netto の数字をみる(20秒平均で出る)
 not only in front of me, top of me, use all sense
 feel the air
 try to correct, little bit
 see netto vario

・LX9000 の Flap Tape は結構便利


Ronald とのフライトでのアドバイス
 最終日はコーチの方が変わり、Ronald Termaat さんにお願いしました。
最終日コーチしていただいた Ronald さんとセルフィー

プリフライトブリーフィング
サーマル旋回半径 80 km/h と 120km/h で倍違う
速度が異なると、センターをずらしたつもりが逆になる

バリオはエネルギーを示す
E = 1/2 mv2 + mgh

速度が変わるとエネルギーは2乗で聞いてくる
高度変化はリニアに聞いてくる
速度一定でエネルギーが増えると言うことは高度が上がったと言うこと
速度は一定に飛ぶ。

フライト後ブリーフィング
リフトエンター時のピッチアップが過大すぎる
グライド中に速度を抜きすぎている(Ronald の場合、180km/h を切らない)
センタリングは出来ている
リフトが +5 → +3 に落ちてきてちゃんと離れられている

サーマルが来たときにリラックスする
fresh cu (メインの雲の手前の)を使う(メインCuを見過ぎていて手前の fresh Cu を見逃している)

Ronald の教え方
手は出さない、コメントのみ、やらせてくれる、褒める、自信つく
デブリーフィングを録音したのは良かった。(Wolfgang との話しも録音すれば良かった)
おかげでなんとなく、次に自分でもやれる気がしてきた。早く来年春のフライトでSCをもっと活用したグライドからのセンタリングを試してみたくなった。
(異なるコーチに見てもらうことの重要性も感じました。通常はこのキャンプは週半ばでコーチを変更します)


その他
・細かいことをきっちりやるのが苦手な性格が出てしまう(例、速度セット、キャノピーカバーのゴムをかける、など)
・前後席独立の EDS を使っています。個人の好みに応じてフローを調整出来る。使っていて急に EDS の調子が悪くなることもある。(吸い込みでエラーが出て、交換)
・ロストバッケージしていた荷物が到着したことで、置き鍼を試してみた。体の硬くなっていたところが急速に和らいだ。置き鍼最高!!(羽生弓弦選手も使っているらしいです)

フライトログ
・11/4 初日 短めにショートタスク

・11/5 1000km day


・11/6 サンダーストームで フリーフライトで 1000km

・11/7 ショートタスク

・11/8 1000km 
不思議な地形

・11/9  500km 

・11/10 428km


ナミビア紹介

・南緯23度、東経17度のあたり。時差はヨーロッパと同じあたり。夏時間で日本とは -7時間。
・ドイツ、オランダから直行便あり。ヨーロッパの人には非常に来やすい場所になっています。日本からだとヨーロッパで乗り換えるか、中東で乗り換えるか、南アフリカで乗り換えるか。いずれにせよ35時間くらいかかります。
・オペレーションシーズンは11月はじめから1月中旬まで。最盛期は11月4週目からクリスマスくらいまでだそうです。
・日本より赤道に近いので、夏場でも日照時間は日本より短い、オーストラリアよりも短い。
 6時過ぎに日の出、19:15くらいに日没。1000km飛べる予報の日は10:30離陸、11:00スタート。19:00 過ぎにフィニッシュで8時間 平均速度 125km/h。日没後15分まで飛行可能。
大陸全体が heat low

・本当に良い日は平均150km/h で 1250kmタスク

・フライトエリアは東西 500km、南北 500km くらい。隣国ボツワナも良いときは行きます。空域は FL195 まで Glass-G 、一部 TMZ があります。
 
・気温はmax36度くらい。湿度は13%。18%とかの湿度でサンダーストームが増える
・東風の日が熱いアフリカ大陸を風が渡ってきて乾燥してトップが高くなる
・シーズン中ナミビアで60機のグライダーが飛ぶ。ほとんど全部がSelf Launch 、ヨーロッパのシーズンオフにコンテナで運び込み、シーズンが終わると持って帰る。60機中40機が1000km飛ぶ位のコンディション
・標高が1400m くらいの台地。雲底は良いときはサーマル・コンバージェンスで5000 - 5500m。高いところを飛ぶので TAS が出る。その分 Vne は低下する。
・オーバースピードでの空中分解が多いようで、ベイルアウトの座学がある。SPOT(衛星位置発信器)を必ず体につけて飛べ(機体に入れていた人が居て、空中分解して機体は見つかったけどベイルアウトした本人が見つかったのは半日後だった)、飛び降りた後に地上で飲むための水を持って飛び降りろ(これを入れておくポケットも頂きました)など。
・アウトランディングは農業用のAir Strip、ドライレイク(乾燥湖、Pan と呼んでいる。窪地の意味。Bitterwaser は大きな Pan の中にある)。原野へは降りられません。
・グライダーオペレーションをしている飛行場は4カ所、最も大きい Bitterwasser は30機、60人くらいの大所帯になるらしいです。
・私が行った Kiripotib は小さめ、それでもArcusM x 9、HpH304 Shark x 2, Antares23E x 2で最大20人くらい。普通のツーリストも訪れる場所です。冬は天体観測とかでも旅行客が来るそうです。 
滑空場全景

・現地人(ドイツ系ナミビア人)がオペレーションしている飛行場付きコテージでオーストリア人がオペレーションしています。(第一次大戦前はドイツ領、その後、イギリス領、南アフリカの一部)。サファリリゾートで生活・食事は快適そのもの。着陸するとラインボーイが冷たい飲み物を持ってきます。
プール

・滑走路は 1800m で東西。平行して道路が走っていて、エンジン停止時のアウトランディングも安全。標高が高い、かつ最大離陸重量、高温、で上がるので離陸まで 1000m以上かかる。横風用に南北の滑走路も有り。
東西のメイン滑走路、平行して道路がエンジンフェイル時の不時着場(北から南に向かって撮影)
よほど強い背風で無い限りは基本東向きにランディング。太陽を背にして降りる。head sunshine だと見えないため。日没時に西に向かって降りる必要があるときは日没を待ってから降りる(日没後15分まで飛行可能)


・積雲が多いが、ブルーの時もあります。予報は topmeteo の予報で、かなり精度高く当たります(積雲・ブルーの分布、トップ予報、リフトの強さなど)。topmeteo の予報で 1000km day は10:30スタートです。
1000km予報の日 全面エリア赤色予報

seeyou に topmeteo と重ねる機能があります。良いエリアでタスクを組み、タスクシート上で想定平均速度、TP通過時間、フィニッシュ予想タイムも表示されるので、タスクシートを印刷して、シート上の時間とにらめっこしながら飛びます


・サンダーストーム予報の日は警戒してあまり長距離は飛びません。
全エリアサンダーストーム

・予報が弱い日(500 - 700km程度)はブレークスルーする時間が遅い、(14:00スタート)、終わりが覆われてしまって早い、などがあります。それでも平均速度は120km/h は出ます。
・空港まで迎えが来て、飛行場まで送迎付きなので、現地の生活、治安などはほとんど分からないまま(現地現金への換金不要)。生活は全部コテージの中で済みます。
・スケジュール
 6:30 起床、ストレッチと前日の反省。
 8:00 朝食
 9:00 全体ブリーフィング
 10:00  離陸準備(1000kmの日)
 10:30  離陸(1000kmの日)
 19:00 着陸
 19:30 夕食
 21:30 就寝
朝のブリーフィング。前日のレビュー、学べた点と目標設定を自ら発表します。コーチング的アプローチですね

・11:00 top 3000m でスタート(対地1600m)、12:00過ぎまでは top 3000m のまま、対地1000m - 1600m でクルーズ。12:00 過ぎれば大体ブレークスルーして、4000m, 5000m とトップがあがる。アウトランディングはそれほど想定していない(高いところを飛ぶ)。マクレディーのスピードコマンド通りにVne まで出してかっ飛ばす。17:30 を過ぎるとリフトが弱まり始めて、18:30を過ぎるとリフトが終わるので、18:30 前に final glide (18:00前に入れる感じ)

2017/11/02

2017 ナミビア合宿


2017年のトレーニングをナミビアでコーチの方にお願いできることになりました。
(実は昨年2016年もナミビアでセントカ先生に合宿をお願いしていたのですが、急遽実施できなくなり、今年こそどこかで複座で学べる時間を探していました)

コーチをお願いさせていただけるのは Wolfgang Janowitsch 氏。2003年世界チャンピオン。2006年, 2014年2位。元オーストリア航空のパイロットです。

今年の春のハンガリーの大会でお会いしたときに相談させていただき、同乗トレーニングをお願いさせていただきました。11/2夜発、11/3夕方着で11/4-10 の1週間のトレーニング予定です。

行き先
  • Kirpipotib
    • Flying with the champions 
    • Flying with the champions 2017
      • 歴代の世界チャンピオンと練習しよう!というトレーニングキャンプ企画です。11月前半に2週間にわたって開催されます。私は1週目に参加予定です。1週目は少なめ(2名)ですが、2週目はコーチ10名、トレーニー10名が2カ所の滑空場から10機の ArcusM でフライトします。
      • 2016 レポート
      • 2015 レポート
目的

  • チャンピオンのコーチングによる飛行技術向上
    • クライム
      • 弱いコンディション中でのより良いクライム
      • 強いコンディション中での更に強いリフトコアの選択(強いところで安定して上がっているつもりが急にずれる、ブローのような吹き上げで突然姿勢が崩れる)
    • コース選択
      • 一面の積雲時のコース選択。以前ほどは迷わなくなってきているが、細部を良くしたい
    • グライド
      • ドルフィン プッシュプルの最適化。苦手のハイスピードコンディションの克服
  • チャンピオンの考え方の吸収

ナミビアの他の滑空場
  • 日本からですと 30時間から40時間かかります。ルートはいくつかあります
    • 香港経由、南アフリカ経由 乗り継ぎ2回
    • ドイツorアムステルダム経由、南アフリカ経由 乗り継ぎ2回
    • カタール空港 or エミレーツ空港で中東経由 乗り継ぎ1回、乗り換え待ち途中15時間くらい
  • 丁度マイレージが貯まっていたので、行きを北京、ヨハネスブルク経由。中国国際航空、南アフリカ航空で手配。
  • 帰りは南アフリカ航空で、ヨハネスブルク、香港経由。
航空図
周波数

アフリカウエザーサービス
  • TopMeteo Africa 
    • 無償版モバイル 
    • 普段ヨーロッパで使っている topmeteo のアフリカ版。69.9 euro / year オプションサービス。
    • FlySat-Message
      • 飛行中にSMSでエリアの状況(ストリート、サンダーストームなど)を受け取るサービス。1000kmが毎日飛べる、それだけ広いエリアを飛べるアフリカならではのサービスですね。
  • 衛星写真
    • http://www.weatherphotos.co.za/africa_weather_photos.html
    • SAT24 Africa
  • Meteoblue 
Namibia OGN

勉強動画
  • 2016/11/05 500km 北東、南下
    • 11:40 離陸 3200m
    • 13:30 3800m
    • 16:00 3000m
  • 2016/11/06 710km 西へ行って南下
    • 11:30 離陸 top 2600m
    • 2000m-2600m で対地600mはキープしながら run avg 160km/h 1.5 - 1.8m/s
    • 13:30 ブレーク 4000m
  • 2016/11/07 460km 東西
    • 14:00 takeoff
    • 15:00 までは top 300m
    • 15:00 以降 4000m
    • 18:00 で終了、低い高度ほど北風が強い。最後に風を読み誤って南に行きすぎてエンジンスタート
  • 2016/11/08 1000km トライアングル
    • 2400m 11:00 でスタート、2ndサーマルで 2800m、3rdサーマルで 3300m
    • スタート後は 150km/h、2nd サーマル以降は Avg 180km/h → 200km/h クルーズバンド 2600m ~ 3300m、
    • 12:30 top 3600m, 15:00 4000m, 16:30 4200m 18:00 last climb 4400m
    • 19:30 日没、日没後 15分までフライト可能、それ以降禁止
  • 2016/11/09 1000km 北東、南東
    • 10:30 離陸 11:10 2400m(AGL1000m)でスタート avg 154km/h
    • 11:40 3400m AGL 2000m avg 180km/h
    • 12:30 4200m avg 200km/h
    • 14:00 4600m
  • 2016/11/10 800km 12:00 - 19:00 7h 
    • 12:00 2800m
    • 12:30 3200m
    • 13:20 4600m
  • 2016/11/11 660km 14:00-19:00 5h 
    • 14:00 離陸 3000m
    • 15:00 3800m
    • 15:30 5000m
  • 2016/11/12 380km 14:00 - 17:00
  • 2016/11/13 420km  14:00-18:30
    • 14:00 2800m
    • 15:30 3800m 4600m
    • 16:30 3600m
    • 17:00 2400m
タスクセットエリア
  • ナミビアは東西 1000km 南北 1000km 
  • Kiriptib の標高は約 1368 m、南側は 1200m
  • 日の出 6:00 日没 19:10 低緯度なので日照短い
  • 首都の Winhoek はほぼ中央
  • 北側は Windhoek の TMZ になるので、北側は使わない
  • 西には南北に山脈 海岸からのコンバージェンスになる
  • 使うエリアは北東、東、南、西の山脈。北はWindhoek の TMZ なので、使用しない。北側は FL145 まで、南は FL195 まで glider sector でセットされている
  • 東はBotswana のエリアも利用、350km くらい
  • 南は 350km くらい Keetmanshoop くらいまで (S27度までが FL195)
  • 西寄りの風の日は東の平野を使っている
  • 東寄りの風(中緯度貿易風)になると更に条件良くなる 11/25 くらいから始まっている。西の山脈(Kante) がコンバージェンスになる 途中休み(空気の入れ替わり)を数日挟みながら1月中旬までずっと続く
  • 2016/11/15 から 1000km day が続く
  • 11月中旬以降は弱い日(500km以下)は週に一度くらい