2022年は夏のハンガリーでの世界選手権に向けて、春の連休から5月はハンガリーとチェコの競技会でトレーニングを行いました。
目標設定
- 競技会で使用するJS3でのフライト感覚のインプット
- JS3の地上オペレーションの再確認、体に染みこませる
- その他
結果
1.競技会で使用するJS3でのフライト感覚のインプット
2019年以来、3年ぶりのフライトになりました。2019年からJS3に乗り始めて、2019年は最後の2日間でようやくJS3の乗り方が分かってきた印象がありました。あの感覚を3年ぶりに再現できるのか、幻だったのか、3年飛べていないと正直自身が無かったのですが、ハンガリーでの最初の2日間のフライトで、他のパイロットと同じようにスピードコンディションで飛べる(クライム、クルーズ)ことがわかり、安心しました。スピードコンディションはスタートを通常通りに出来ればそれなりに飛べると思います。
2.JS3の地上オペレーションの再確認(体に染みこませる)
連休渡航前にチェックリストとマニュアルを再確認して、手順をシミュレートしたうえで地上オペレーションを行いました。春のトレーニングはクルー無しで一人で渡航でしたので、一人で漏れ抜けなくできるようにしています。帰国後にチェックリストとマニュアルをさらにブラッシュアップして、夏の本戦でクルーが使えるようにしました。
3.その他
・スピードコンディションで同じように飛べることは再確認できましたが、コンディション急変時のブレーキのかけ方(ギアチェンジ)に対応できませんでした。突然オーバーキャストで上空が覆われてしまうようなコンディションの場合も、他のパイロットは判断の変更が早いのですが、「2000mもあれば飛び抜けて次のエリアで探せるだろう」と安易に飛んでしまった場合がありました。人の考え方として、楽観バイアスは働きがちで、悲観的に考えがちな私でも、楽観バイアスが働いて失敗したケースがあります(2016年チェコday2、)
・過度の緊張から変な汗をかくのが減ってきた気がします。おかげであわててしまうことは減った気がします。(逆に上記のように以前より楽観的に捉えるようになったのかも。。)男性更年期が終わって、ホルモンバランスが変わってきたのかしら。。
・ハンガリーでは途中から暑くなり、バグの増えたコンディションに変わったのですが、新しくなったバグワイパーの使い方が分からず、バグワイパーが動かないとクライムもクルーズも遅れてしまってどうしようもないところがあり、ハンガリーの最終日は他の機体に追いつけないことが発生しました。とはいえ、バグワイパーの問題を事前に明確に出来、対処できたのは良かったと捉えています
・連休のハンガリーの大会の後、2週間をオーストリアで滞在、時差リモートワークさせて頂きました。2014年の世界選手権、2018年の世界選手権の際も5月に二つの競技会で練習をしたのですが、当時は競技会の間の期間は一時帰国していました。もう若くないので移動は疲れることと、多様な働き方をさせて頂いている勤務先のおかげで、リモートワークで帰国せずに過ごすことが出来ました。機体、車両の細かい要修正点も機体オーナーさんと直すことが出来、夏に向けての準備を進めることが出来ました。
・5月末はZlbaslavice飛行場でのチェコ選手権で1週間練習させて頂きました。Zbraslaviceは初めての飛行場、初めてのエリアでしたが、チェコの空自体は慣れていたのと、現地のクラブの友人のサポートが得られることからこちらで練習させて頂くことにしました。競技会自体は2週間ですが、休暇日程が限られていますので、1週間だけの参加となりました。残念ながら天候に恵まれず、練習日1日、競技2日のフライトになりましたが、練習日は練習目的を明確にできた(湿った強風下で、利用できるハンドが狭く、盛衰サイクルが早いクラウドストリートを繰り返し練習する)ことで、ストリートの盛衰サイクルの兆候を理解し、トリッキーな変わりやすい空でのリスクマネジメントの練習が出来ました。競技中は毎日重心位置設定を少しづつ変えてみることとで、飛びやすい範囲を探しながらフライトしました。風が強く、トリッキーなコンディションで、チャレンジの難しい条件が続いたので、チャレンジしたい気持ちを抑えて、リスクマネジメントでガグルをフォロー、ガグルを乗り換えることが、うまく行ったと思います。
・コンディションが低下した際に、水を積極的に抜く状況への対応は出来ていなかったと思います。2021 Lezno Cup でも同じことがありました。現状維持バイアスにとらわれない、切り替えへの対応が必要と思いました。