2021/8/23 機体返却 雨の陸送と、ミュンヘン空港でのPCR検査
シュンプヒルト社近くのFlugplatz Laichingenまで650kmの陸送でした。低気圧のが居座り、終日全行程が大雨、さらにCheminitz とBayreuth付近で高速道路の大規模工事渋滞で7:00-18:00と11時間かかりました。(通常は平日は平均70km/h、週末は80km/hで陸送できます)。
低気圧の中を地上移動中 |
前日の内にドイツ国境手前まで移動しておいたおかげで雨と渋滞があっても陸送に時間的余裕が出来ました。Bayreuth付近の工事渋滞は高速道路を止めての大規模な工事だったようで、Google Mapは高速道路を走ると通常より2時間40分の所要時間増加のため、高速道路を降りて下道の選択を推奨してきました。ポーランドと違ってドイツなので、下道に降りてもそこまで狭い道は通らないだろうと思い、高速道路を降りてGoogle Map の言うとおりに下道に入りました。みなさんGoogle Mapを使っているためか、大型トラックも含めて次々とインターチェンジを下道に降りてきました。当初は畑の中のすれ違いの出来ない一本道をしばらく通り、その後は2車線の大きめの道を選択してくれましたが、丘陵地帯の村を通過するたびにターンアラウンドで減速、上り坂をトレーラーをひいているとパワーの無いマニュアル車では長い間一速で徐行運転になってしまい、厳しい道中でした。。1998年に初めて参加した国際大会の開催地であるバイロイトで宿泊していた町の中を通過して懐かしい風景が見れました。
ドイツはサービスエリアのガソリンスタンド、レストランではみなさんマスクをされていました。
Gold Kronachの町からバイロイト飛行場へ繫がる道。当時は80km/hで通行しているとスクールバスに後ろからあおられました |
当初予定から2時間遅れて18:00 にグライダーを返却するLaichingenの飛行場に到着しました。最近は多くの滑空場の入り口にはゲートが設置されて部外者が入ってこれないように対策をしているところが多いのですが、ここは丘のエリアの畑の中の狭い一本道をくねくねと3kmほど通って突然ぽつんと出現する谷の中の滑空場で、ゲートは無く滑走路まで入れました。
返却と言ってもオーナーさんがいるわけでは無く、トレーラーを置いて帰って、2週間後にオーナーさんが返却状況を確認していただきます。作業をされていた地元のクラブの方にトレーラー駐車エリアを確認してトレーラーを格納、トレーラー内を再確認して返却の忘れ物が無いかを確認します。(オーナーさんは2週間後に確認に来るとのことで、オーナーさんとはお会いせずでした。)ドイツの滑空場ではマスク無しの活動状況でした。
機体を返却後、日本入国のためのPCRテストを受けるためにミュンヘン空港へ2時間で移動しました。日本入国には日本政府指定のテスト方式でテストを行い、日本政府独自フォーマットの陰性証明書を提出が必要で、各国の日本大使館ホームページには日本政府検査方式、フォーマットに対応している各国のPCRテストセンターが紹介されています。
多くの検査センターは検査結果受領まで24時間必要と言われているのですが、日本国の規定でヨーロッパ出発前72時間前までの結果が必要です。
ポーランド日本国大使館のページにはLesznoで検査の行えるテストセンターも紹介されていましたが、試合が天気通りに日曜まで開催されると、土日は診療所の対応が短くなるLesznoでPCRテストを受診・結果受領をヨーロッパ出発前72時間前までに実施するのは困難なことが予想されました。
機体陸送返却後にPCR検査を受診するには、検査対応時間が長い検査場で受診するほうがスケジュールに余裕がでると考えられたため、検討した結果、陸送で一度機体を返却後、2時間ほどで到着できるミュンヘン空港で、日本向けの特別メニューが設定されているミュンヘン空港の検査センター(CENTOGENE)で受診することを選択しました。ここは、朝5:00から21:30まで受付をしているので、陸送が順調にいけば陸送返却後に陸送日当日中に受診できる可能性があること、陸送が遅れて21:30に間に合わない場合は翌日朝5:00から受けられることと、シュンプヒルト社から車を返却するGrazへの帰り道になることからこちらの検査センターを選択しました。メールで事前に問い合わせた際は、検査結果がでるまで24時間、医師がサインしたプリントアウトした結果がでるまで24時間で48時間の余裕を見て欲しいと言われて、ミュンヘン空港近辺に2泊する計画を組みました。
21:30受付締切のところ、ミュンヘンに21:10に到着して、人生初のPCR検査を受けました。事前にwebから申し込み(89 Euro)して、申込書のQRコードを用意しておくと現地で受付ができます(万が一に備えてQRコードを印刷したものを用意していましたが、スマホの画面で十分でした。)24時間以内に95%の結果が帰ってくるそうです。(100%を保証していないところが日本と違いますね)。検査方式は日本政府フォーマットに対応した唾液採取と咽頭拭いの両方式で実施しています。JAPAN フォーマットでのテスト申込と見ると、慣れた様子で日本政府フォーマットのテストを実施してくださいました。受診者は少なく、中東系の受信者が数人でした。10分ほどで受診ができました。採取した検体はフランクフルトに送られるようで「send FRA ASAP」と書かれたタグをつけられた袋に入れられていました。結果はメール通知されるとのこと、メール通知があったら印刷した結果を渡すので取りに来て欲しいとのことでした。
場所はミュンヘン空港第一ターミナルのBとCの間の地下になります。車で行った場合は第一ターミナルのBエリアないしはCエリアの目の前のdrop off Pickup area の駐車場に止めると歩いてすぐの地下にあります。(1時間で10Euroくらいの駐車料金でした。ミュンヘン空港には数回来たことがあるのですが、夜で暗かったので自分が駐車した場所が分からなくなり、困りました。。お巡りさんに困って聞いたら、駐車券にどのターミナルの駐車場を利用したのかの記載があり、君が車を止めた場所はこの隣だよと親切に教えてもらって助かりました)。
なお、この検査センターはフランクフルト空港にもあり、フランクフルト空港では、159Euroで6時間で結果がでる短時間メニューも用意されています。(受付締切が20:00までなので、早く到着する必要があります)。フランクフルト空港でのPCRテストは日本に帰国される方が多く受診されていて、twitterで検索すると豊富に情報があります)
終了後、空港近くのホテルに移動。予約だけしてよく場所を調べてなかったのですが、空港から10分ほどの空港の南側エリアがビジネスパークになっていて、複数のホテルがあるオフィス街になっています。ドイツのホテルではチェックイン時に陰性証明ないしはワクチンパスポートの提示を求められ、日本のワクチンパスポートでokでした。また、不織布マスクでは不十分とのことでFFP2マスクの着用をホテル内では求められました。
2021/8/24 PCR検査陰性、帰国便変更と車両返却
ミュンヘン空港南のホテルで仕事しながら検査結果待ちです。ホテルはガラガラでしたのでレストランでお仕事していまいた。(ホテルのWi-Fi は 3Mbpsほどしか出ないのですが 日本との Zoom の音声がほぼ遅延無く会話できたのは驚きでした)。受診から13時間ほど、翌日の10:30頃にメールで結果が通知されて無事陰性でした。(検査マイページから結果をダウンロードできます)。結果が陰性でかなりほっとしました。
マイページ |
送付されてきた検査結果の pdf |
空港へ結果を取りに行くとCENTOGENEの検査結果と、日本政府フォーマットでプリントアウトした証明書が10分ほどで受領できました。自分で印刷した日本フォーマットの紙を持ち込んで交渉して手書きして頂くのかと思ったのですが、さすが、日本政府対応メニューを用意して、印刷した紙で手渡しいただけるというサービス付きなのは驚きましたが日本入国時は「紙で印刷」したものが必要なので、pdfファイルでスマホで見せるのではダメだそうです。(このフォーマットへの記入で生年月日の記入の間違いがあったので、その場で確認をしないとです。Twitterをみていると、検査結果を間違えて記入していたケースなどもあったようです)。事前に問い合わせた際は48時間とのことでしたが、そこまでの時間は必要なかったようです。
右が日本政府フォーマット。生年月日が間違えていて、検査方式も2方式実施したのに片方しか選択されていない |
予定より早く検査結果が受領できたことから、航空券が日程変更可能なマイレージ手配を生かして帰国便を一日早めることにして、8/25にGraz発で帰国の途につくことにしました。あわせてホテルの日程を変更しました。(日程変更のフレキシブルなホテルを事前に選択していました。大手ホテルチェーンは大抵スマホのアプリがあるのでインストールしておくと予約変更もアプリからスムーズです)
宿泊したホテル近くの別のおしゃれなホテルのサラダランチで一息、
とてもヘルシー |
食後はガソリンスタンドでお借りした車をキレイに掃除してGrazまで500kmのドライブで戻ります。
Graz移動時にドイツからオーストリアに国境を渡ったところ、ドイツは入国の国境での検査を再開したのか、ドイツ方向は大渋滞になっていました。
5時間ほどのドライブで車をお借りしたMartinさんのホームベースの Weiz Unterfladnitz 飛行場に到着、Martinにお借りした車を返却、来年の予定について相談しました。来シーズンもJS3を使わせていただけそうです。
クラブメンバーの女性の方にGrazのホテルまで送っていただきました。道中オーストリアのコロナへの対応状況を聞いてみました。
・本人はワクチン接種済み、高校生と中学生のお子様がいる。12歳以上はワクチンを受けられる、未成年も本人意思でワクチン接種が可能
・学校へは通学できている、2日に一度抗原検査を実施
・クラブ活動でスポーツをしていると、スポーツの際は毎回抗原検査を実施
・感染者がまた増えているので、秋からはおそらく再びロックダウンになるだろうと話している
帰りのオーストリアのホテルはワクチンパスポートの提示も無し、マスクも無しでした。(私は心配なので館内ではマスクをしていました)
6:00発で Graz - Vienna - Copenhagen - 羽田のルートでの帰国でした。4:45にタクシーを呼びました。
Graz でのチェックインは日本政府PCR検査フォーマットを見せたところチェックインできましたが、Copenhagen - 羽田 のチケットはコンペハーゲンで受け取ってとのこと。コペンハーゲンのチケットカウンターででチケットを受け取ろうとすると再度PCRの結果確認、さらに、厚労省の質問票のQRコードはあるか?と。なんと
https://arqs-qa.followup.mhlw.go.jp
の入力後のQRコードが搭乗のために必要なようです。(厚労省のページを読んでもQRコードは日本入国時の手続きで必要になるようにしか見えませんでしたが。。)その場でスマホで質問票を記入しました。機内の座席番号記入欄があるのですが、チケットが発券されていないのでその場で座席番号を教えてもらって入力、QRコードが生成され、QRコードをみせたところでようやく羽田へのチケットを受け取れました。(オペレーターが画面を見せて説明してくれたのですが、日本政府の搭乗時のガイドラインがチケット窓口に周知されているようです。日本に入国できず、出発地に戻される場合は、出発地からの便の航空会社が料金を負担するらしく、私の場合、Graz-Vienna-Copenhagenはオーストリア航空でしたが、Copenhagen-羽田はスカンジナビア航空だったので、最終確認をスカンジナビア航空でさせるために、Grazではコペンハーゲン羽田のチケットを発券せずに、Copenhagenのチケットカウンターでスカンジナビア航空の担当者に確認をさせた上で発券するオペレーションになっていたようです。カウンターの方、大変ですね。。)
飛行場はGraz, Vienna, Copenhagenともみなさんマスクをされていました。コペンハーゲンではフェイスガードもしていたので、通過した4カ国のなかではもっとも厳密だったのかもしれません。コペンハーゲンは噂通りの物価の高さでした。
これでようやく搭乗になります、まだ4時間あるので、ラウンジでお仕事の続きを済ませた後に搭乗口へ。370席のA340ですが、搭乗者は10名強。日本人ぽいかたは私以外は一人のみ、他はパラリンピック関係と思われるデンマーク、ノルウェーなどのチームの方でした。搭乗口では小さなお子様連れの北欧系のお母様が担当者と大激論。どうもPCRの証明書が無かったのか、フォーマットが不十分だったのか、これでは搭乗されられない、いや、搭乗時に確認してもらって荷物も預けてある、いや、もう一度PCRテストを受けて結果を持ってこないと載せられない、と。。。二人のお子様は号泣、結局数日後の便に振り替えになったようでした。(コペンハーゲン-羽田便は週に2便しか無いようです)。搭乗拒否された事例は聞いていましたが、目の前で見たのは初めてでした。。
機内はガラガラでしたので、4席使って横になって帰りましたが、最後の入国まで気が抜けず、あまり休めませんでした。
2021/8/26 入国手続きと2週間隔離
羽田到着後、無事帰国できました。
羽田到着後は以下の流れでした。
- 現地で実施したPCR検査報告書の確認(日本政府フォーマットで出力してくれていたのですが、生年月日が転記ミスされていました。パスポート番号で本人確認できるとのことでヨシ!にしてくださいましたが。。受け取り時に確認しないとですね。。この際に紙で回収されるので紙に印刷された結果が必要になります。画面のみだとおそらく不可のようです。)
- 誓約書の確認(事前印刷して記載済を用意していました。入国時に紙を渡されますので現地で記入でもok)、
- トラッキングアプリMySOSの確認(出国前に事前インストール、アカウント作成済でした。その場でのインストールも可能です)
- 厚労省webから質問票入力済みのQRコード表示(コペンハーゲンで搭乗時に入力して表示されたQRコード)、
- 最後に羽田空港で帰国後の唾液での抗原検査(噂のレモンと梅干しの写真の貼ってあるブースで唾液採取、無事陰性)、
各ステップを紙ベースで確認後、次のステップに移れるので、A4のクリアフォルダーを持っておくと、各ステップで渡される紙の手続きの際の紙の紛失防止に便利です。厚労省の水際対策措置のページとFAQをよく読んで準備しておくとスムーズに進められると思います。大量の人員が投入されていて、デジタルでは無く人力ベースで対応しているのが日本国らしいプロセス改善だと思います。
搭乗者が少ないためか、全員の荷物をカルーセルから下ろしてカートに乗せて、キレイに整列してくださっています(しかも複数預けてある私の荷物は名寄せされて一つのカートに載せてくださっています。すごい。。) |
入国後の帰宅経路は公共交通機関利用不可になっていますので、ありがたいことに再び妻が迎えに来てくれました。この後は14日間の自宅隔離です。(2021/6/28 にドイツ、オーストリアが「水際対策上特に懸念すべき変異株に対する指定国・地域」から解除されてい以来、私の帰国時点では訪問国(ドイツ、ポーランド、オーストリア)が変異株流行地域に指定されていませんでした。こちらに指定されると、最初の3日間の指定ホテル隔離が必要になります)。
その後は2週間の自宅隔離です。隔離中はMySOSアプリからの現在地確認のビデオ通話が一日一回、現在地報告が1日2回要求されます。
自宅隔離、リモートワークさせていただいているので苦痛ではないのですが、運動したり、日の光を浴びれないので、時差ボケがいつも以上に治らないのが困ったところです。。イーストバンドの帰国時は通常時差ボケを治すのに一週間かかるのですが、今回は19日間直りませんでした。。運動も自宅でYouTubeのストレッチと筋トレだけですと2週間の海外生活で増えた贅肉のリカバリには足りません。自宅周辺の散歩くらいは許可してほしいものです。
出国から入国まで複雑なプロセスとなりましたが、おそらくこのプロセスは数年続くことになるのでは、と思っています。また、感染状況に応じてプロセスは日々変化します。来年度の世界選手権を考えると、一度プロセスを経験しておいて、課題を整理しておきたい気持ちがありました。
全体を振り返って
全体を通して自分自身のストレスレベルを振り返ってみると、ワクチン接種時期が決まって、遠征を考え始めた段階では気持ちが高まりましたが、借りることが出来る機体がなかなか見つからなかった出国1ヶ月前から機体が見つかった一週間前までは逆に不安で気持ちが下がっていきました。出発一週間前にようやく機体が見つかった際は一時的に気持ちが高まりましたが、出国数日前からは不安でストレスレベルが高まり始め、出国~準備期間はストレスレベルが非常に高く、時差もあって、眠りが浅いこと、睡眠時の多汗と、自律神経の乱れを感じました。大会が始まるまでのプロセスはどれか一つがうまくいかなくなると競技会でのフライトが出来なくなるリスクがあったため、スケジュールの余裕はとっていたものの、今回借りることができたVentus 3Mが初めての機種であることもあり、失敗できないストレスが高かったと思います。
練習最終日に疲れに気がついて、練習フライトを取りやめて休養日を一日入れたことと、多くの現地の方がいろいろと声をかけてサポートしてくださったこと、妻と毎日ビデオ通話ができたことで、競技会が始まってからの競技会中は楽しく競技会を過ごせました。ストレスにより首、側頭部に張りがでるのですが、置き鍼と呼吸法で少しづつ解消できました。
ですがまた、競技会終了から帰国までのプロセスも、ストレスレベルが高まりました。初めての機体を一人で分解できるのか、安全に機体を陸送して返却できるか、帰国前のPCR検査で万が一感染していたらどうしようか、などです。
従来の海外遠征で、往復でここまでストレスが高かったことはありませんでした。逆に競技期間中はストレスレベルが低く過ごせたのは新しい発見でした。
競技会でのフライトは、継続して実施していないとどうしても忘れてしまう部分があります。2年間試合参加が空いたことで、忘れていることを整理できた点がありました。天候に恵まれず、競技会としてのフライト日は3日と少なく、結果は振るいませんでしたが、振るわない中でも課題整理ができたこと、自分の判断で最悪を乗り切れたシーンがあったことがあり、困難な状況のなかでもなんとか準備して参加できたことは来年度に向けて大きなプラスになりました。
今回のチャレンジにもたくさんの声援をいただきましてありがとうございました。とても力づけられました。次回は11月にナミビアでトレーニング予定です。一人で飛ぶときのリフトサーチ、クライムの改善、ハイスピードでのドルフィンを集中的にトレーニングできればと思っています。
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