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2015/09/12

2015 ヨーロッパ選手権 Task9 (July.23)

07.23(THU)

おはようございます!
丸山はきのう、500kmオーバーのタスクを無事飛クリアし、笑顔で帰ってきました。
丸山はライバルに先駆けスイスの機体と一緒にアーリースタート。先行して、中盤で後ろからくるガグルに飲み込まれつつ、先行アドバンテージを活かしながら上位を狙う戦略でした。
それがズバリ当たりました。
彼は第2レグでドナウを渡ったところで後続と合流、その後もテンポよく前に出て、558.51 km を 5時間1分 かけて飛んできました。平均時速は111.32km。805点を獲得し、目標としていた得点率80%をクリア。32機中13位の成績となりました。総合順位も21位まで回復。本当に、素晴らしい1日となりました。
きのうは一昨日までの乾いた北風のコンディションからうってかわり、アドリア海からの湿った南風が吹き続けた一日でした。
この南風に対し、タスクは東西に細長い設定。クラウドストリート(雲が一直線に連なった状態)はできたとしてもタスク・コースに直交してしまう状態、つまりクラウドストリートの下を飛び続けられる日ではなかったワケです。
前回はグライド中の「ドルフィン」のお話をしましたが、ドルフィンは連続する雲の下を飛ぶ時のテクニック。昨日のように風が常に直交する日は、条件の良いところと悪いところがかわりばんこでやってきて、上昇気流で上ってはグライドし、グライドしては登る、ということを繰り返す日になるのだそうです。
さらに、第2レグ中盤以降は雲もなくなり、上昇気流を目で見ることができなくなりました。このような状況では、競技とはいえライバル機が見つけた上昇気流を互いに利用しながら飛ぶほうが確実な作戦となります。丸山はちょうどガグルの集団に巻き込まれ、いい感じの展開となったワケです。
いずれにせよ昨日も彼は、ヨーロッパ各国のトップ集団の中堅以上の成績を残せることを証明してくれました。スポーツにタラレバは無意味ですが、あの日がなければ、総合で15位あたりを狙える実力がついてきたように思います。これなら10位を目標に設定しても、バチはあたらなかもしれません。
ただ、レイトスタートなのに途中で丸山をブチ抜いていった Kawa選手…。彼は予想どおりビッグ・レースを勝ち抜いて総合トップに立ったワケですが、昨夜丸山は彼とのフライト・データを見比べながら、溜め息をつきっぱなしでした。
Kawa選手と比べると、改善されたと思われていたクライムにも課題が見えてきました。昨日、丸山が記録したサーマリング中の平均クライムレート1.8m/sec に対し、Kawa選手は2.1m/sec。同じ機体でありながら、0.3m/secの差があったのです。
丸山の分析では、上昇気流を見つけてからコアを掴むまでのスピードとサーマリング中の姿勢制御の差だといいます。
ちなみに上昇気流の最も強いところに機体を持って行くこと、あるいは、そのセンターを外さないで旋回し続けることを「センタリング」といいます。
上昇気流はセンターに入ったとしても、強いところと弱いところが必ずあります。コアが狭ければグライダーはバンクを強くして小さい半径で旋回しなければなりませんし、また、その状態で最大のリフトを得られるよう、速度を適正に抜いていく必要もあります。抜きすぎればスピンに入るので危険ですが。そしてまた、何よりも、荒れ狂う気流の中でセンターを外さぬよう、常に修正舵角を与えていかねばなりません。とっさの強い気流にも弾かれぬようにせねばなりません。
それらの操作のひとつひとつのレベルの差が、0.3m/secだと彼はいいます。
競技のいいところは、これらの比較が容赦なく、しかも正確にできることにあります。だからこそ、丸山はヨーロッパまで遠征するのです。
もっと上手くなりたい!
そして、自分が得たことを日本のみんなに伝えたい!
丸山のライフワークには、終わりがありませんね。



























今日のタスクです。
レーシングタスクが数日続きましたが「次はアサインド・エリア・タスクになる」という丸山の予想が当たりました。
第1レグは珍しく北へ向かうルートです。
下のリンクはウーチェニー滑走路周辺のものです。
風は現在南風。16時頃に東風に変わるようです。
http://bit.ly/1feBaZ1
いずれにせよ、コース上の風が直交する可能性が高く
最後は追い風になるかもしれません。



今日は、旋回点が25km半径の円になった「アサインド・エリア・タスク」です。先ほどアップしたマップのうち、赤いラインが丸山の18mクラスのライン、赤い円が旋回点です。
グライダーがこの円内に入ればOK。
この円を最短で結ぶと238.49km。一番奥まで突っ込むと512.17km、平均して369.18kmです。
ただし、タスクに書いてあるように、基本的には3時間以上飛んで帰ってくる必要があります。それより短い時間でゴールすると、どんなに平均速度が速くても1000点満点にはなりません。
したがって、最も条件のいい3時間をつかって、より速い平均速度で、タスクをこなしてきた者が勝者となります。
たとえば、平均時速130km/hで3時間飛び、390kmの距離をこなして帰ってくる、というパターンが理想的です。
というわけで、昨日の558kmのようにアーリースタートして後半条件が悪くなる前にかえってきちゃおう! というタクティクスより、「最も条件のいい3時間はいつか?」を見極める、待ちの展開がしばらく続くといえます。
18mクラス、恐らくまだ誰もスタートしていません。
丸山RIの現在位置 / Takeshi's current position.
Spot:http://bit.ly/1LezAlX
他の機体の現在位置
Live glidernet:http://bit.ly/1fTUcES


地上班も戦っています。



美しき青きドナウ。
丸山はもう、この大河を越えました。
13時55分頃スタートしたのです。
ここから3時間〜3時間半が勝負です。
ハンガリーは、このドナウ川が国土のど真ん中を縦に貫流している唯一の国だそうです。大平原をゆったり、ゆるやかに流れているのだそうです。そんなこともあって、丸山は毎日のようにドナウを渡っています。
ドナウの上を飛ぶって、いったいどんな感じなんでしょう?
帰るまでに一度、見て見たいですネ!

丸山RIの現在位置 / Takeshi's current position.
Spot:http://bit.ly/1LezAlX
他の機体の現在位置
Live glidernet:http://bit.ly/1fTUcES


丸山は第1旋回点の25kmの円の一番奥まで突っ込みましたね。
第2、第3旋回点では奥まで行かないかも知れません。
何か作戦があるのでしょう。


第2旋回点はちょこっとタッチした感じですね。
出発は13時55分ですから、1時間半経ちました。
残りは22kmほどありますが、
これは第3旋回点の25km円の中心まで行った場合。
最外縁部にタッチして戻ればマイナス50km
つまり残り170kmです。
これを残りの1.5時間で飛ぶ、と考えれば平均時速113km
いい感じで戻ってくるのでは、と思います。


第3旋回点もあまり深入りしませんでしたね。
さあ、ゴール南5kmくらいに設定された第4旋回点まであと100kmくらいです。丸山は条件がよければあと50分後くらいにゴールしてくるでしょう。出発が13時55分ですから、3時間10分〜3時間15分くらいのフライトになるでしょうか。
いい感じだと思います。


ハンガリー国内、結構雨が降り出しています。
でも、丸山が帰投するエリアは問題なさそうです。
今日、序盤は「待ち」でしたが、
彼はやはり、早めにスタートを切りました。
これが吉とでればいいですね!



18mクラス Daily 14位相当/32機 Total 21位相当/32機


河村
Facebookアップ記事をブログにそのまま掲載しています。
https://www.facebook.com/TeamMaru




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