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2014/07/10

MARUの秘密練習

大会まであと2週間。日本は梅雨時期&台風上陸。
そんな中、MARUはどんな練習をしているのでしょうか??

日本ではレースに出るグライダーパイロットは本当に少数。そのためレースの飛び方を教えることができるインストラクターは残念ながらいないのが現状。試合に出る以上は「勝つ」ことも大事な目標であり、それを意識しないと手に入れられないものがあります。そのためにも「レースフライトを学ぶ」ことは不可欠、と考えたMARU。レースインストラクターが日本にいないなら、インストラクターの元に行ってしまえ!とMARUは今年の5月、元世界チャンピオン(3回)ヤヌス・セントカ氏の元に「レースフライト」トレーニングを受けに行ってきました。

ポーランドで受けたこの「トレーニングフライトを収めたビデオをみる」という秘密練習を毎晩行っています。

左がフライト中のビデオ画像 右がフライトコースを示すMAP 
 トレーニングは2人乗りの「複座機」のグライダーで行われました。前席はMARU、後席はセントカ氏。1フライトは5時間以上。これらを1回30分〜1時間分づつ毎晩観ています。このビデオ画像とビデオに納められているセントカ師匠のアドバイスを聞きながら雲の見方、コースの取り方、戦略などを「考える練習」をしています。この練習はフライトテクニックではなく「考え方」のトレーニング。「今、何を見ている?」「で、次はどこに行くつもりだ?」という問いかけが多く、時々「操縦に気を取られるから、私が操縦する。Takeshiはどこに向かうのか、私に指示をしろ」という考え方のトレーニングが展開されています。これを繰り返すことで考えずに「感じる」ことができるようになるのだそうです。

セントカ師匠はMARUに対し、厳しい真剣勝負の指導を行っております。聞いている(師匠の声が大きいので聞こえてくる)限り、かなりの頻度でMARUの判断に対して「ダメ出し」をしています。「No!」「I don't agree」「Why do you choose this way?」時々「Good!」「Excellent!」のち「Why Takeshi〜」 「No!」に続く... 「僕はやればできるんです。もっと褒めてください!」というスタンスの生徒は完全に自信をなくすだろうな、と思われるような熱血指導です。

師匠はただ「ダメ出し」をしているわけではありません。なぜその判断がダメか、この場合はどうしたらいいか、を早口の英語で伝えます。これがかなりの情報量!トップクラスになると瞬時にそんなとこまで見て感じているのか、と思わされます。また、刻々と変わる気象状況の中でレースを展開するには「素早いジャッジ」はとても大事。それゆえ、悠長に「なんでそう思ったの?」などと聞いているヒマはありません。◯か✕か、それを伝えようとすると上記のような言葉が多く出てくるのかもしれません。実際、MARUはこうやってビデオを見返すことでその時は捉えきれなかった考え方やジャッジ基準が見えてくる(気がする)のだそうです。

「試合前はネガティブイメージを持たないようにする」というコンディショニング手法がありますが、MARUはこのビデオを観てもネガティブな気持ちにはならず、むしろ、学びになることが多いと考えているようです。日本とは異なる「ヨーロッパの平野」でのレースの飛び方を現地のチャンピオンから学ぶことで新しい目線、考えを掴みかけているようです。(メンタルもタフになってきている模様)→ このあとにいいイメージをもつためにうまく飛べている時のビデオを観る予定です(MARU談)

今夜も「ピーピピピピ」というオーディオバリオ(グライダーが上昇気流にのって上昇を始めるとピーピーという音で知らせてくれる上昇計。逆に降下しているときはブーブブという不景気な音がします)の音とセントカ氏の「No!」という声が聞こえております。

この秘密練習効果がどのように現れるか、世界選手権が楽しみです!

熱血指導中のセントカ氏とMARU (ポーランド選手権にて)

 赤石


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