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2017/07/23

2017プレグライダー世界選手権大会 パイロットレポート Task2 06/26

14:15 離陸前の空 やっぱり競技パイロットも競技では強風は好きではないそうです。

Task
Results
トラック

前日が競技初日でしたが、条件好転せず待機の後13:00にキャンセルになりました。

二日目の今日は朝はブルーから積雲発生、その後雲量多すぎ(6/8) で11:30ローンチ予定が12:30, 13:00 と延期されて、13:00 に TaskC に変更になりました。当初のタスクは南から東に行くタスクでしたが、最新の予報から西にエリアをチェンジしました。
風上の西へ国境まで行き、南に下がって帰ってくる2:30のエリアタスクです。

13:20 から曳航開始で、クラブクラス(25機)、15mクラス(16機)、オープンクラス(23機)の計64機を5機の曳航機で曳航して14:49 まで1:29 かかりました。離陸滑走路が狭い(3列)と曳航機の数が少ないためで、世界選手権であれば100機1時間といったところなので来年に向けて不安が残るところです。
最終離陸から20分後がゲートオープンでオープンクラスのゲートオープンは15:09 になりました。ここから2:30 のエリアタスクなのでゲートオープン後すぐのスタートをプランしました。18:00フィニッシュは一般的には遅すぎます。風が弱いときは遅い時間までリフトが残りますが、風が強いとストリートは良くなりますが熱が貯まらず遅い時間までリフトが持たないことがあります。

今日の曳航順は4列目。ほぼクラスの真ん中の曳航順で、風の強い、雲量が多くて積雲の選択肢が難しく、上がりづらい、さらに今回はスタートポイントがどれも滑走路から10-15km と離れていてスタートポイントまで時間がかかるときには曳航順が早いほうがスタートポイントまで時間が使えるので有利です。

強風とオーバーキャスト気味なのでクライムしづらいかと(スタート前にすでにローカルでアウトランディングしてしまったクラブクラスも有り)思いましたが、離脱後はスムーズに上昇できました。雲底まで上昇してスタートポイントへ移動。ゲートオープンのタイミングまでに再度雲底まで上げて、1集団スタートしたのを見とどけて、第2集団の先頭でスタートしました。(結果的にはマークした機体を間違えたのでこのスタートは要改善で、テクニカルにはあと1分遅らせて集団とスタートした方がより良かった。とはいえ、スタートタイミング判断は間違っていなかったと言うことです)

第一レグは1分後にスタートしたNXに追いつかれてしばらくはNX とクルーズ。風向に平行な良いストリートを見つけて風上へグライド。
15:40 西向き

途中高度差が付いて一人で先行して探します。ストリートの下なのでリフティングしているものの、まとまったリフトとのタイミングが合わず、何度もトライしながら結局対地330mまで下げて村と森と電波塔のあるところで1.9m/sで再クライム。弱いリフトに固執せず強いリフトを根拠もって自信もって求めつづける練習の成果が出てきました。
ストリートはしっかりしてきたがタイミングが合わない

クライムしきったところで再度 NX に追いつかれてストリートをさらに西へ。後ろからLX, 1R も来ました。ストリートコンディションとは言え、良いラインは限られるのでどうしても機体は集まります。

AAT のポイントを動かしてタスクの残り時間と最適なターンタイミングをシミュレートし、国境を超えたあたりで NX がターンしたのに倣ってターン。LX はもう少し手前でターン、1R はもう少し奥まで行くようです。ここまでは Avg 80km/h くらい。ヘッドウインド成分が 30km/h 程度あるので、タスクの平均速度はざっくり110km/h くらいといったところでしょう。ここからはテールウインドになります。AAT は極力風に平行に飛ぶのがポイントなので、どこでストリートを乗り移るか、考えることは大体同じで、NX と一本南のストリートに乗り移りました。ここで NX とは分かれて自分の判断で飛んでみました。
第2レグ イーストバンド テールウインドで速度が出ます ストリートもしっかり

第2エリア付近は日射がかなりありますが、フィニッシュエリア付近はオーバーキャスト気味です。第2エリアでしっかり上げてからフィニッシュに入る必要がありそうですが、強いのがみつけられず、Required L/D 39 のままファイナルグライドに入れました。
最終エリア べたっとしてきた

オーバーキャストですがなんとなく上下動はありそうな感じがしたことと、最終レグ沿いに川があるので、川沿いの風上を進めば上手く進めそうな感じがしたからです。一点不安だったのは夕方弱くなる予報の西風が予報通り地上付近も弱くなっているか。(上空は 24km/h まで下がっていました)。無線でタワーに風の情報をリクエストしますが帰ってきません。(来年はやはり地上サポートチームの無線が重要になりそうです)。
川の地形は思ったとおり空気を持ち上げてくれており、140km/h で伸ばしながら川沿いを慎重にトレース。L/D 50近くでるラインで、Required L/D も30まで下がり、楽々フィニッシュとなりました。Avg 106km/h でした。
ノースバンド 左から西風 べたっとしているが右下の南北の川沿いにリフティング


良かったこと
・クライムはついて行けるときとそうで無い時があるが、連休のハンガリーのフライトのような全くダメ、という感じは無くなった。今週の練習期間のトレーニングが良い効果になったと思う
・クルーズ コース判断に加えて、速度設定も良くなってきた。
・エリア判断 全体の組立
・数字的にもトップグループとの差が小さくなってきた
 (平均上昇率、平均L/D、平均クルーズ速度)

分かったこと
・トップ集団は第一レグも 16km 南のラインを選択。高度を下げること無く、高いところを飛んでいる。これによって速度を上げている)
・290度くらいのかぜのつもりでプランニングをしていたが実際は260-270度くらい。プラント少しずれたときのコース変更のフレキシビリティが必要


2017/07/08

プレグライダー世界選手権大会 Day13(最終日)

July 07(Fri)
Good morning! Last competition day.
We are in the small window...
朝方降った雨はあがり、晴れてます!が、いまは晴れ間の中にいる状態らしいのです。昼に次の雨が抜ける予報のため、それまで待ちになりました。
本日は最終日、今日のレースはどうなるのでしょうか。


昨日は風向きの関係でいつもと逆からのアプローチ。この向きだと待機場所から着陸の映像が撮れます。
「RI down wind」の無線が入りベース上に進入機がいることを確認して撮影開始。いい感じの高さとルート!通過したグライダーの後ろ姿をみてみたら「あれ、尾翼がオレンジじゃない…」気がついた直後、RIが着陸してきました…
と、いうことでJX(JS1)の着陸映像です。
*ASG29とJS1翼の形が違うのだそうですが、リーダーにはわかりませんでした。

Competition day 13
No task day
風強くサーマル弱くシャワーの接近予報があり、ということで今日のタスクは無し、となりました。晴れているのに残念ですが。
いまから撤収作業にはいります。


表彰式が行われました。
MARUは総合8位でした!


Farewell party
豚の丸焼きを始め様々な料理が並びます。ビール会社2社が大会スポンサーになっているのでビールもたくさん用意されてます。(スポンサー数は10以上あります。)チェコのパーティはトーク中心で大人の雰囲気。
ちなみにCanonさんもスポンサーですよ。




リーダー 赤石 
Facebookアップ記事をブログに掲載しています。

2017/07/07

プレグライダー世界選手権大会 Day11&Day12

July 05(Wed)
おはようございます。
久しぶりに快晴から始まる1日になりました。この飛行場上空付近はエアラインの行き来が多いらしく、空には飛行機雲がいくつもでてます。今日は飛ぶぞ!

Competition day 11
Cloud street & Thunderstorms Conditions
Task: AAT 4areas 3:30:00 219.2km/570,2km(378.7km)
今日はロングタスク!が、16:00からサンダーストームがやってくる予報。雨前に帰って来れない場合は他の飛行場へのアウトランディングも視野に入れたフライト計画。サンダーストームをかいくぐって帰ってこれると良いのですが。と、言うことで「何がなんでもアーリースタート」を意識して出発。こんな日でもレイトスタートをかける戦略をとる選手はいますが、MARUの判断でチャレンジ!
ブリーフィング後に流れていた音楽は『RAINDROPS KEEP FALLIN'ON MY HEAD(雨にぬれても)』濡れたくないなぁ…



本日のフライトではありませんが、MARUがフライト中に撮った映像です。
Plzeň(プルゼニ)の上空にて。練習期間中に撮影した上空の映像です。

Result
Daily: 5位/23機
予報が出ていたサンダーストームは小規模なものになり、無事に帰還しました。
以下、MARUのコメント「今日はガグルとスタート後、1st レグで一緒になった Petr さん(QZ) をフォローすることにチャレンジ。自分よりも上手いパイロットについて行くには観察力と追いかける技量が必要になります。今日はエリアタスクの設定範囲が大きく、正直どこを飛べば良いのかがよくわからなかったので、QZさんについていく、と決めて必死についていきました。今までだと高速コンディションではついて行けるのは1時間が限界(クライムで遅れて、グライドで遅れて、結果ついて行けなくなり次のガグルに落ちる)だったのですが、グライド/クライムともあまり遅れず、クライムで遅れたときもあきらめずに追いつくことが出来ました。比較させて頂けたお陰で、クライムの遅れる原因と遅れないためにはどうしたらよいかが少しわかってきた気がします。とはいえ、まだまだ、「ここで回るの?」最初は1m/sなのに回ってみると2.5m/sになるところはわからない部分があります。追いかけさせて頂いたことに感謝です。(やり過ぎはマナー違反です)」
残すところあと2日、MARUのチャレンジは続きます。引き続きの応援よろしくお願いいたします!


2017/07/06

プレグライダー世界選手権大会 Day9&Day10

July 03(Mon)
小雨あがり晴れてきました。
雲底が低いため、雲底が高くなるまで待ちます。タスク発表は昼過ぎの予定。今日はどんな日になるのでしょうか。

Competition day 9
Cloud street condition
Task: AAT 4areas 2:00:00 130.5km/303.3km(211.1km)
昼過ぎが日射が強まり、サーマルトップは対地1300mまで上がる予報。風は弱め。気象変化を考慮してかフライトエリアは小さめ。
フライト前にJohn Buchanan(AUS)さんに昨日のフライト判断について質問するMARU。同じシチュエーションで空をどう読んだかを聞くことで新しい視点がもらえます。
今日も自分の判断を試して飛びます。「チャレンジ」Go Go MARU !

今日は最終発航でしたので離陸映像を撮ってみました。(長めの1分弱です)
発航をサポートしてくれるのは黄色いビブスを着たラインボーイ&ガールたち。最初は「え、これはどうするの?」と戸惑いを見せた子たちも毎日60機以上の発航サポートをこなし、今ではテキパキ動いてます。大人が3人、あとは10数名の若手で発航運営がされています。



Result
Daily 15位/23機
Total 7位/23機

本日は高速レースの展開に。決められた時間の中でいかに速く飛ぶか、が勝負ポイントなのですが、実はMARU が苦手とする展開。他の選手に比べてドルフィン(直線で飛びながら上昇する技法)がうまくないのです。
高速化が課題であることはわかっているのだけれど、日本の練習ではカバーできない課題でもあり。現在はこのパターンではいかに遅れをとらないようにするか、がチャレンジポイント。チャレンジは出来たとのことなので今日はOK!この課題は秋にトレーニングする予定です。
明日もチャレンジ!

Chef crew(Haruyo)の登場により、Richard(RI owner)さんからいただいたTokaji Wine と共にステキなディナータイムを過ごしました。(昨日は餃子でした)
美味しいごはんでパワーチャージ!



2017/07/05

プレグライダー世界選手権大会 Day7&Day8

July 1(Sat)
dobré ráno!
グライダーの重量チェック。大会前に計測した値より重くないか、を毎日チェックしています。担当は10代のスタッフたち。大会オーガナイザーの子供やその友人達らしく最初は慣れていなかった作業ですが、いまやスムーズに行われています。

昨日と似た天気。
雲多く風強い。雲の変化もはやいです。昨日の午後に降ったにわか雨(Shower)、今日は午前から降りました。

Competition day 7
Cloud street condition
Task: AAT(3 areas) 2:30 162.5km/477.8km (314.7km)
昨日と似た天気。空一面にクラウドストリートがあり風強く冷たい。
サーマルトップは対地1000m、時間が経てば1500mまで上がる可能性あり。前半は粘り後半飛ばす作戦。今日の目標「チャレンジ!」
Result :
Daily 6位/23機 
https://www.soaringspot.com/en_gb/czech-gliding-nationals-pre-worlds-2017-pribram-2017/results/open/task-5-on-2017-07-01/daily
Total  4位/23機
https://www.soaringspot.com/en_gb/czech-gliding-nationals-pre-worlds-2017-pribram-2017/results/open/task-5-on-2017-07-01/total

飛び立った後の地上でも数回のシャワー&激しいサンダーストームに見舞われました。(あまりにもすごすぎて写真撮れず)今日は無事に帰ってこれるのか??な状況の中、帰ってきました!
目標の「チャレンジ」は、1.サンダーストームのガストフロントを使うという判断がよかった 2.最終レグで自分が良いと思ったコースを選択していい結果が得られた ということで達成できたようです。
相当タフな気象条件だったらしく、かなり疲れたようですが充実のフライトだったようです。

本日、新たなクルーが到着!
昨年も来てくれたHaruyoさん。明日からさらにパワーアップ!のTEAM MARUです。
引き続きの応援よろしくお願いします。


2017/07/02

プレグライダー世界選手権大会 Day5&Day6

June 29(Thu)
Competition day 5
No task for today  朝から土砂降りの雨…今日は試合なし。これまでの情報整理と休息にあてます。

20:20 晴れました!明日に期待

I want to fly! MARU の気持ちをつるたまちゃんが代弁 ©️小沢かな



June 30(Fri)
Good morning!
機体組み完了、水積み完了。ラインナップに向かいます。風が強く冷たい。

Competition day 6
Cloud street condition
Task: Racing(Polygon with 3 points) 289.0km
空は一面クラウドストリート。風はかなり強い。先日までの夏日とは打って変わり、本日はみな長袖着用。サーマルトップは対地1000mの予想。低いトップのため高度を下げすぎずに飛ぶことを意識したフライトをする。今日の目標はタイム2h40m平均時速110km/h。
では行ってきます!


丸山の機体 RI(ロメオ・インディア)現在進行形で戦っていますね。以下のリンクで確認できます。リンクをクリックしたら、ウインドウの右側に出るコンテストナンバーから「RI」を探してクリックしてください。最初は地球儀級の縮尺なのでどんどん拡大していかないと見づらいです。RI は2機いますが、1機はまったく関係ありません。RI の文字の横に現在高度が表示されるのでその数字をクリックすると機体の詳細が表示されます。エンジン付きのアレキサンダーシュライハー機「ASG-29E」であればそれが丸山です。
がんばれ! (国内広報班より)
http://live.glidernet.org

丸山が現在進行形で戦っているタスクはここで確認できます↓
http://bit.ly/2sYiM0h
丸山の出場クラスは COMBI Open クラスです。
旋回点3つのレーシングタスクですね。

昨日までの順位です。といっても、競技開始5日間で1日しか競技が成立していないので、2日目のデイリーの順位と同じです。以下のリンクから確認できます。
http://bit.ly/2uqRHB5
機体ごとにハンディキャップがつけられており、そのハンディキャップでソートすることもできるので面白いですね。やはり、新型機 JS-1 は丸山の乗る ASG-29 よりハンディキャップが大きい=性能がいい みたいですね。
まだ競技中なので、本日30日のデイリー結果は現時点では出ていません。


今日のタスク(写真左)と丸山の軌跡(写真右側)を見比べると、丸山はまさにスタートを切ったばかりということがわかりますね。これから右下のエリアに向かうはずです。
ちなみに、スタートラインはタスク上に赤い線で示されている幅10kmのラインです。川のすぐ左ですね。
ゴールはその上の大きめの円です。これも赤で示されていますね。

やはりどんどん南東に向かっていますね。
いっしょに飛んでいる機体のコンテストナンバーは「QZ」。先ほどの順位表でコンテストナンバーを調べると、同じASG-29E に乗る 地元チェコの Petr Krejcirik 選手であることがわかります。目を凝らすと、丸山より第1旋回点に近い場所に同じクラスの「JX」が見えます。そして先日フライト談義をしていたクルマ椅子の Adam Czeladzki さんの「GOL」はさらに先行して第二旋回点付近に向かっているので、今日の丸山はレイトスタート気味なのかもしれませんね。でも、先行しているグループにどんどん追いついている気がします。
国内広報班はこんな風にレースを楽しんでます。みなさんもいかがですか? リアルタイムの機体位置がわかるリンクは少し前の投稿をご覧下さい。連投すみませんでした。がんばれ! まる!!


16:15 現地クルーが飛行場に戻ってきたら、すでに帰ってきてるグライダーが!
Łukasz Wójcik(pol)さんです。彼はポーランドのみならず世界でもトップクラスの選手。
グライダーのレースは一斉スタートではなく、自分のタイミングでスタートするので1番早くに帰ってきたらNo.1というわけではないのです。スタートラインを通過してゴールラインを通過するまでの時間(平均速度)で勝負します。が、それにしてもルカッシュは早い!アーリースタートしてひとり旅だった模様。今日の結果が楽しみです。
日本の広報班からMARUがそろそろ戻るよ、と連絡ありました。がんばれ〜!

Preliminary results for COMBI Open on task 4 (30 June 2017)
MARUの順位はこちら 
Daily 10位/23機
https://www.soaringspot.com/en_gb/czech-gliding-nationals-pre-worlds-2017-pribram-2017/results/open/task-4-on-2017-06-30/daily
MARUの目標だった110km/hを出せたのは2人だけ。なかなか厳しいコンディションだったようです。(ルカッシュ選手は1位でした。早かった。)
Total 8位/23機
https://www.soaringspot.com/en_gb/czech-gliding-nationals-pre-worlds-2017-pribram-2017/results/open/task-4-on-2017-06-30/total
今日はスタートに苦労したようです。悪くは無いのですが、途中、自分の判断を信じればもっとよかったところがあった模様。プレ大会はチャレンジの場、と位置づけていますので明日からはもっとチャレンジングに行く!とのこと。Go MARU!

リーダー 赤石 & 広報 河村
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